カーネイジ・レコード

あばらい蘭世

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第1章 全ての始まりの記録

abyss: 59 終焉のレグルス

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爆炎と土煙が舞い上がる中にCUBEに乗った少女が沈下していく本拠地を見下ろしていた。
本拠地コフィンを失った損失でしばらく自分の計画が延びるが自分さえ生き残ればどうとでもなると最適解を導き出した。その上で自ら本拠地コフィンを起爆させ本拠地コフィンもろともハルキを葬る計画に変更した。

レグルスは無意識で忌々しい表情を浮かべていたが気が付いていなかった。

「これで3度目だ。3度計画が邪魔された…………」

黒煙を上げて燃える本拠地コフィンを眺めながら過去の失敗を思い出していた。
「1度目は13年前の都市を消滅させた直後。2度目は5年前…………
そして今回も…………人間とはなんなのだ。脆弱で精神的不安定な存在の生物をなぜ私がコントロールできないのだ」

レグルスは高速計算で解を導き出そうとした。

人間の多様性ダイバーシティ予測不能な結果カオス
いや、その程度のイレギュラーなら計算内のうちだ。私のもう一つの本体は壊れされなかった」
過去の出来事は否定できないし現実は変えられないことはわかっていた。
ハルキとの闘いを何万通り計算しシミュレーションをし直してみたが、たった7回しか勝つことが出来なかった。
なぜ最後の最後であの人間に奇跡と呼ばれるような事が起きたのだ。
いつからどこであの力を扱えるようになったのだ。
分からぬ。

私がこの星地球にくる前に幾つかの惑星を通り過ぎたがどれも文明を持った生物は存在していなかった。たまたま地球に降り立った確率から計算しなおしてみる。
「これが奇跡というものなのか」
本拠地コフィンを眺めこれまでの不自然な笑みではなく、自然な笑みを浮かべるのだった。

「邪魔者は消えた、時間はいくらでもあります。1から作り直す────」

レグルスの背後に影が入り込んだ。

「もうねぇよ」

ハルキの声が自分の背後から聞こえた。
振り返りながら見えたのは、冷たい眼光をしたハルキが自分の後ろでディストピアを大振りに構えて振り下ろす瞬間だった。

馬鹿な!? 倒したはず! あの爆発の中からどうやって逃げた!?

逃げ場がないようキューブで四方八方から圧し潰し、各キューブを爆発、拠点も自爆させた。
いま浮遊している高さにハルキがいることすら計算外だった。

分からぬことだからけだが、そんな事より回避が先だ!!!

レグルスは乗っていたCUBEを下から上に回転させる。

ガキン!

CUBEに多少斬りこみが入ったがディストピアの一撃を受け止める。
他のCUBEと違ってレグルスのCUBEは硬かった。
CUBEにディストピアを受け止められてしまったが、大振りの一撃の勢いを使ってレグルスの上空に飛び上がる。
「宇宙高度でも斬れなかった」
『いままでのCUBEとは違って密度があったな』

半回転して体勢を立て直したレグルスが両手をバッと左右に広げるとCUBEから白い剣が何本も射出された。
空中に浮かんだ白い剣は突き刺す真っすぐ俺に向き、落下してくるのを待ち構えていた。
「今度は飛ばしてこないってことは学習しているみたいだ」

俺の落下が始まり力を込めてディストピアを構える。
レグルスはギリギリまで剣を引き付ける。

飛んでくる剣を弾き飛ばし、致命傷にならない何本かは敢えて食らいにいく。

斬!斬!斬!斬!斬!斬!斬!斬!斬!斬!

レグルスの肩から腰まで袈裟斬りで一刀両断。
皮膚の下は臓器などはなくカーボン材質のような繊維と薄い骨組みが見えた。

手首を返し胴体を上下に斬り離す。首、両腕、両足をバラバラに斬った。
「───!?!?!?」
頭部だけになり驚いた顔しかできないレグルスを睨みながら
「これがお前がバカにした愛の力だ!」
と皮肉を言い、フルスイングした剣身で頭部を叩き潰した。

バチュン!

空中で飛沫になった頭部だったものは地上に散っていった。
CUBEと白い剣は地上に落下していく。
レグルスは完全に機能を停止した。

地面に着した俺は周りの被害状況を確認する。
陥没して黒煙をあげている本拠地コフィン、上空からのレールガンによって燃え広がっている工場地帯。
街の方角からは非難警報があちこちで鳴り響いているのが聞こえる。
住民の避難もしているが大事にならなくてよかった。

『なかなかどうしてやるじゃないか少年。ただの人間だったらここまで動けないし我を使いこなせないだろう』

「そう? 身体能力フィジカルは母さんのおかげだね」

『うむ。身体能力フィジカルだけでなく潜在意識も十分じゃ。準備運動にはちょうどいい相手だったな』

「───準備運動?」
は? レグルスを倒したんだからこれで終わりだろ?

『ここからが本番じゃ、ローグが倒しきれなかった本当のバケモノが来るぞ』

だから何を言っているんだ?

ディストピアは説明が下手くそなのかとイラっとした。
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