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勇者は炎で消えたらいいのに
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「暇だから遊びに来たぞ!」
「暇な魔王がどこにいらっしゃるんですか!」
「ここにおるぞ!」
「対応に困るからキメ顔で答えないで!」
魔王来訪から早1週間、毎日のように俺のダンジョンを攻略しに来るアホがここに1人いる。もう魔王『様』なんて呼ばない。普通に魔王って心の中で呼ぶ事に決めたのが昨日だ。
何であなたは毎日来るんですか?一応、人間と戦争してる筈ですよね?少なくとも、戦争に一番関わってる為政者が暇なんて時があるんですかね!?
「よし、アルよ。来い!」
「シュコー…………シュコー…………」
アルの呼吸音にも元気が無い。アルも毎日このチート魔王を相手に手合わせしてたら疲れるもんな。その分、レベルもメキメキ上がってるし、魔王に傷が入ったらボーナスで10000ポイント貰えるからありがたいと言えばありがたいから断り辛い。
魔王来訪ボーナスと撃退ボーナスは1回しか入らなかったけど、魔王負傷ボーナスは手合わせ1回ごとに貰えるからもうポイントが84300ポイントも貯まってる。
こうなったら対魔王用に一部改造しておこうかと考えてます。どうしたらいいんでしょうか?
つーか身内のお方、いつも思ってますが約3時間後に来るのやめてください。もっと早く来てください。思った以上に酒を出せとかつまみを出せとかお菓子を出せとか要求が多くてうるさいんです。
「はっはっはっ、まだまだイケるだろう!」
「シュ、コー…………」
「ヌシはまだまだ磨けば強くなる!ヌシからもケンゴに言ってやれ、妾の方に来たら利益があると」
「シュコー…………シュコー…………」
いい加減帰ってくれよ。アルも困ってるからさ。あんたも大人だろう?
「むぅ、頑固者よのぅ?やはり堕とした方がいいのかのぅ?」
「墜とすって何を!?」
「恋心!」
この人は何言ってるんだ。
「人は一度恋をするとなかなか忘れられんものだと聞いた。なら、妾直々にヌシを恋に堕としてやろうではないか!」
「すいません、それはノーセンキューで」
「照れるでない照れるでない。恥ずかしがらんと素直にならんか?」
ダメ、俺の家庭は俺が恋したらいけないんです。見てくださいよ、あのハピの目を。メジェドみたいな目をしてこっちを見てるんですよ?
メジェドって分かるか?こっちの神話で出てくるオシリス神を守る神(?)です。初めて見た時、目が怖かったな。
そんな目をハピがこっち向けてるんですよ。やめてくれよ本当に。
騒がしくなってもアルは呼吸してるだけだし、てか、早くいなくなるまで待ってる感じだし、ハピはメジェドの目をしてるし、魔王はさっきからずっと俺にくっついてるし。
「ヌシの事よ、一度親しくなるとどんな人物であろうとなかなか縁が切れなちお人好しになるのだろぅ?」
「ぐっ…………」
残念な事に否定できない。今は亡くなったけど、とある殺人鬼と仲良くしたもんだ。根はいい奴だったんだけどな…………
テロロンテロテロテロロン♪
おっ、侵入者が来たか。前回の盗賊以来、誰1人来なかったから暇だったんだよ。いや、毎日魔王が来るから暇じゃなかったけど。
『危険!勇者が侵入しました!警戒度中~高』
…………………………………………?
「なぁ、魔王様」
「どうした?デートの誘いか?」
何故そうなる。そうじゃないんだよ。
「勇者っているの?」
「いるともいるとも、妾らを滅ぼさんと人間がたまに遣わしてくる奴らだ。まぁまぁ強いと言えば強いが、四天王最弱の爺に完敗どころの完敗で負けていったがな」
「へー、その話には続きがありそうだな」
「分かるか。勇者が攻めてくる度に下級の奴らが虐殺されるからのぅ。毎回、報復で国3つ分は滅ぼしてるわ」
報復で国3つ分滅ぼしてるって規模が違うな。そりゃ人間もやられたままじゃ黙ってない。でも、なーんか勇者って嫌な予感しかしない。
「まぁ、その勇者がダンジョンに来たから俺達は隠れよう。アル、勇者が来たら一応死なない程度に心をバッキバキにしてやってくれ」
「シュコー…………シュコー…………」
俺と魔王、ハピはボス部屋の隣、俺達の部屋に入った。魔王は何が不服なのか知らんが俺にくっついたまま頬を膨らましていた。
魔王がくっついている間、ハピはずっとメジェドの目をしていた。
さて、勇者の様子を観察してみよう。ダンジョンは侵入者をいつでも端末の監視アプリで見る事が出来る。つまり、相手の特徴を把握してアルに伝え、こちらの方が有利に戦えるという事だ。
さて、勇者とやらを見てみようかな。映像は動画を見てる感覚だけどリアルタイムだよ。ただし、音は拾えないけどね。
お、もう2階に居るのか。流石に1階は誰にでもクリアできるような仕様だからな。前衛は勇者と女騎士1人、後衛は魔法使い1人と姫様(?)が1人だ。
アルの所まで来てボコられて酷い目に合え。顔面と髪を焼かれろ。
2階にはウルフスポーンを設置してあったな。時間が経ってるから結構な数になってる筈だけど、勇者はどう突破するんだろうか。
あ、姫様(?)の姫様が後ろから近寄ってきたウルフに噛まれた。血を流してるから痛そうだな。
噛み付いたウルフを勇者が斬り刻んで姫様(?)の傷を回復魔法で治してた。へぇ、回復魔法ってこんな感じで使われるのか。
周りの女がきゃーきゃーと黄色い声援を飛ばしてるのが分かった。音が無くてもそれくらい分かる。
ん?勇者が何か小声で言ったな。一応、俺は読唇術を使えるから何を言ったか分かった。
「ふむ、やはり勇者は好かんわ。いつもいつも男の勇者は女に囲まれてるのぅ」
「その言い方だと勇者の傾向を知ってるようだな。女の勇者はどうなんだ?」
「イケメンばっかりのパーティーを作っておったわ」
「見た目からしても夢が溢れるような奴らだな。で、殆どが内面クズだと」
「よく知っとるのぅ。彼奴がさっきの小声で言ってた事が分かったんだのぅ?」
さっき、勇者が小声で言ったのは『フッ、ちょろすぎるぜ』、だ。女を道具としか見ていない奴の台詞だ。
俺は老若男女平等に接待しますよ?ちゃーんと敵はどんな奴だろうと、どんな立場にいたとしても敵としてぶっ飛ばしますから。
「よし、妾が出て消し炭にしてみせよう」
「面倒臭い事をしないでくれ。連中の軍が攻めてきたら…………いや、アルに楽しませてやってくれ」
「何故に思考を変えたのかは分からんが、妾も大人だ。獲物を彼奴に歳下に譲ってやろう」
「何歳年下なんだが」
「聞こえとるぞ!」
何か言ってる魔王は無視の方向で、勇者を監視監視っと。あ、宝箱見つけた所か。開けようとしたけど鍵がかかってて開かないと。
女騎士が宝箱を叩き壊したけど、中身はポーションの類いだったから瓶が全部割れてて顔を真っ青にしてた。そこに勇者が慰めの言葉をかけてるが、心の中じゃボロクソに罵ってるんだろうな。
あ、順調にウルフを狩りながらボス部屋の前まで来たか。ここまで観察してて約40分だな。これはちょっとダンジョン的に簡単すぎやしないか?俺の設定ミスか、それともこれが普通なんだろうか?
勇者一行はボス部屋に行く為の通路の前で何かキスしてる。
「…………………毎回これを見るのはキツイのぅ」
「独身だからか?それともあいつらがリア充だからか?そうじゃなかったらただ見飽きたか?」
「どうしてヌシは妾の心を抉りに来るのだ?妾は泣いちゃうぞ。あと、互いに独身なので付き合ってみるか?」
「さりげなく告白するんじゃねぇよ」
まったく、この魔王は抜け目ないな。どこまで俺を引き込みたいんだか。
そういや、アメリカの特殊組織や中国の秘密結社、とあるテロ組織からも勧誘を受けた事もあったけど、流石にそれはちょっとと思ってやめた。
そんな話は置いといて、勇者一行がボス部屋に直撃してい…………
あっれぇ?ボス部屋に入る前に炎を撒くトラップなんて仕掛けたっけ?通路を通っている勇者一行が炎で丸焼けになろうとしてる。
まさか、アルは入り口に待機していて火炎放射器を使ってる?
ナイス不意打ち!そのまま焼き殺してしまえ!
「おおっ!いいぞいいぞ!どんどん汚物を消毒せよ!妾が許す!」
「アル、もっと火力が出ないんですか!何かあの人達ウザいのでもっも燃やしちゃって!」
身内からも好評な不意打ち火炎放射。勇者ならこのくらい何とかしろよ。
『勇者ボルト一行の来訪ボーナスで1000ポイント手に入りました
勇者ボルト一行負傷ボーナスで100ポイント手に入りました
勇者ボルト一行撃退ボーナスで1000ポイント手に入りました
現在のポイントは86400ポイントです』
あぁん!?撃退だと!いつ逃げたんだよ、全滅じゃねぇのかよ!勇者が脱出アイテム使ってんじゃねぇぞコラァ!
「チッ、どうやら逃げられたようだのぅ。まぁ、面白いものを見られたし、妾は帰るとするかのぅ」
「かえれかえれー!」
「そこのハイピクシーは口を慎め!」
そう怒りつつ魔王ウェーンはダンジョンから出て行った。そのまま勇者に会って勇者を殺せばいいのに。
遊びに来る魔王と来訪した勇者ボルトの嵐は過ぎ去ったところで、一週間ぶりのレアガチャを引いてみるか。
「ご主人様、また女の子を引くんですか?」
「またって何だ。うちの女の子はお前だけだぞ」
「また魔王様みたいな女の子を引くんですか?」
一体この子は何を見てるんだろうか?実はこのメジェドの目で未来を見ているんじゃないのだろうか。
まぁ、仲間を増やすのは得だし、そう簡単に女の子を引くもんか。
さて、ダンジョン購入からレアガチャをタップ。
ガチャガチャ、パンパカパーン!
虹色キタコレ!レジェンドがまた出るとは、俺の運はどうなってるんだよ!いい意味で批判してるからな。
そして出てきたのは…………
「……………………………………………………」
「……………………なぁ、ハピ」
「何でしょうか?」
「……………………これはアウト?セーフ?」
「性別によって微妙なところです」
これは黙るしかなかった。だって、出てきたのはメジェドだもん。見たまんまメジェドだもん。その目でじっとこっちを見ないでくれよ!
ハピもメジェドの目でこっち見ないで!ダブルでそんな目をされたら怖いからー!
魔王が遊びに来るわ、勇者ボルトが来るわ、メジェドが出るわ、この後ハピが一日中メジェドの目をするわでこの日は散々な1日になってしまった。
勇者なんて炎で消えたらいいのに(八つ当たり)
「暇な魔王がどこにいらっしゃるんですか!」
「ここにおるぞ!」
「対応に困るからキメ顔で答えないで!」
魔王来訪から早1週間、毎日のように俺のダンジョンを攻略しに来るアホがここに1人いる。もう魔王『様』なんて呼ばない。普通に魔王って心の中で呼ぶ事に決めたのが昨日だ。
何であなたは毎日来るんですか?一応、人間と戦争してる筈ですよね?少なくとも、戦争に一番関わってる為政者が暇なんて時があるんですかね!?
「よし、アルよ。来い!」
「シュコー…………シュコー…………」
アルの呼吸音にも元気が無い。アルも毎日このチート魔王を相手に手合わせしてたら疲れるもんな。その分、レベルもメキメキ上がってるし、魔王に傷が入ったらボーナスで10000ポイント貰えるからありがたいと言えばありがたいから断り辛い。
魔王来訪ボーナスと撃退ボーナスは1回しか入らなかったけど、魔王負傷ボーナスは手合わせ1回ごとに貰えるからもうポイントが84300ポイントも貯まってる。
こうなったら対魔王用に一部改造しておこうかと考えてます。どうしたらいいんでしょうか?
つーか身内のお方、いつも思ってますが約3時間後に来るのやめてください。もっと早く来てください。思った以上に酒を出せとかつまみを出せとかお菓子を出せとか要求が多くてうるさいんです。
「はっはっはっ、まだまだイケるだろう!」
「シュ、コー…………」
「ヌシはまだまだ磨けば強くなる!ヌシからもケンゴに言ってやれ、妾の方に来たら利益があると」
「シュコー…………シュコー…………」
いい加減帰ってくれよ。アルも困ってるからさ。あんたも大人だろう?
「むぅ、頑固者よのぅ?やはり堕とした方がいいのかのぅ?」
「墜とすって何を!?」
「恋心!」
この人は何言ってるんだ。
「人は一度恋をするとなかなか忘れられんものだと聞いた。なら、妾直々にヌシを恋に堕としてやろうではないか!」
「すいません、それはノーセンキューで」
「照れるでない照れるでない。恥ずかしがらんと素直にならんか?」
ダメ、俺の家庭は俺が恋したらいけないんです。見てくださいよ、あのハピの目を。メジェドみたいな目をしてこっちを見てるんですよ?
メジェドって分かるか?こっちの神話で出てくるオシリス神を守る神(?)です。初めて見た時、目が怖かったな。
そんな目をハピがこっち向けてるんですよ。やめてくれよ本当に。
騒がしくなってもアルは呼吸してるだけだし、てか、早くいなくなるまで待ってる感じだし、ハピはメジェドの目をしてるし、魔王はさっきからずっと俺にくっついてるし。
「ヌシの事よ、一度親しくなるとどんな人物であろうとなかなか縁が切れなちお人好しになるのだろぅ?」
「ぐっ…………」
残念な事に否定できない。今は亡くなったけど、とある殺人鬼と仲良くしたもんだ。根はいい奴だったんだけどな…………
テロロンテロテロテロロン♪
おっ、侵入者が来たか。前回の盗賊以来、誰1人来なかったから暇だったんだよ。いや、毎日魔王が来るから暇じゃなかったけど。
『危険!勇者が侵入しました!警戒度中~高』
…………………………………………?
「なぁ、魔王様」
「どうした?デートの誘いか?」
何故そうなる。そうじゃないんだよ。
「勇者っているの?」
「いるともいるとも、妾らを滅ぼさんと人間がたまに遣わしてくる奴らだ。まぁまぁ強いと言えば強いが、四天王最弱の爺に完敗どころの完敗で負けていったがな」
「へー、その話には続きがありそうだな」
「分かるか。勇者が攻めてくる度に下級の奴らが虐殺されるからのぅ。毎回、報復で国3つ分は滅ぼしてるわ」
報復で国3つ分滅ぼしてるって規模が違うな。そりゃ人間もやられたままじゃ黙ってない。でも、なーんか勇者って嫌な予感しかしない。
「まぁ、その勇者がダンジョンに来たから俺達は隠れよう。アル、勇者が来たら一応死なない程度に心をバッキバキにしてやってくれ」
「シュコー…………シュコー…………」
俺と魔王、ハピはボス部屋の隣、俺達の部屋に入った。魔王は何が不服なのか知らんが俺にくっついたまま頬を膨らましていた。
魔王がくっついている間、ハピはずっとメジェドの目をしていた。
さて、勇者の様子を観察してみよう。ダンジョンは侵入者をいつでも端末の監視アプリで見る事が出来る。つまり、相手の特徴を把握してアルに伝え、こちらの方が有利に戦えるという事だ。
さて、勇者とやらを見てみようかな。映像は動画を見てる感覚だけどリアルタイムだよ。ただし、音は拾えないけどね。
お、もう2階に居るのか。流石に1階は誰にでもクリアできるような仕様だからな。前衛は勇者と女騎士1人、後衛は魔法使い1人と姫様(?)が1人だ。
アルの所まで来てボコられて酷い目に合え。顔面と髪を焼かれろ。
2階にはウルフスポーンを設置してあったな。時間が経ってるから結構な数になってる筈だけど、勇者はどう突破するんだろうか。
あ、姫様(?)の姫様が後ろから近寄ってきたウルフに噛まれた。血を流してるから痛そうだな。
噛み付いたウルフを勇者が斬り刻んで姫様(?)の傷を回復魔法で治してた。へぇ、回復魔法ってこんな感じで使われるのか。
周りの女がきゃーきゃーと黄色い声援を飛ばしてるのが分かった。音が無くてもそれくらい分かる。
ん?勇者が何か小声で言ったな。一応、俺は読唇術を使えるから何を言ったか分かった。
「ふむ、やはり勇者は好かんわ。いつもいつも男の勇者は女に囲まれてるのぅ」
「その言い方だと勇者の傾向を知ってるようだな。女の勇者はどうなんだ?」
「イケメンばっかりのパーティーを作っておったわ」
「見た目からしても夢が溢れるような奴らだな。で、殆どが内面クズだと」
「よく知っとるのぅ。彼奴がさっきの小声で言ってた事が分かったんだのぅ?」
さっき、勇者が小声で言ったのは『フッ、ちょろすぎるぜ』、だ。女を道具としか見ていない奴の台詞だ。
俺は老若男女平等に接待しますよ?ちゃーんと敵はどんな奴だろうと、どんな立場にいたとしても敵としてぶっ飛ばしますから。
「よし、妾が出て消し炭にしてみせよう」
「面倒臭い事をしないでくれ。連中の軍が攻めてきたら…………いや、アルに楽しませてやってくれ」
「何故に思考を変えたのかは分からんが、妾も大人だ。獲物を彼奴に歳下に譲ってやろう」
「何歳年下なんだが」
「聞こえとるぞ!」
何か言ってる魔王は無視の方向で、勇者を監視監視っと。あ、宝箱見つけた所か。開けようとしたけど鍵がかかってて開かないと。
女騎士が宝箱を叩き壊したけど、中身はポーションの類いだったから瓶が全部割れてて顔を真っ青にしてた。そこに勇者が慰めの言葉をかけてるが、心の中じゃボロクソに罵ってるんだろうな。
あ、順調にウルフを狩りながらボス部屋の前まで来たか。ここまで観察してて約40分だな。これはちょっとダンジョン的に簡単すぎやしないか?俺の設定ミスか、それともこれが普通なんだろうか?
勇者一行はボス部屋に行く為の通路の前で何かキスしてる。
「…………………毎回これを見るのはキツイのぅ」
「独身だからか?それともあいつらがリア充だからか?そうじゃなかったらただ見飽きたか?」
「どうしてヌシは妾の心を抉りに来るのだ?妾は泣いちゃうぞ。あと、互いに独身なので付き合ってみるか?」
「さりげなく告白するんじゃねぇよ」
まったく、この魔王は抜け目ないな。どこまで俺を引き込みたいんだか。
そういや、アメリカの特殊組織や中国の秘密結社、とあるテロ組織からも勧誘を受けた事もあったけど、流石にそれはちょっとと思ってやめた。
そんな話は置いといて、勇者一行がボス部屋に直撃してい…………
あっれぇ?ボス部屋に入る前に炎を撒くトラップなんて仕掛けたっけ?通路を通っている勇者一行が炎で丸焼けになろうとしてる。
まさか、アルは入り口に待機していて火炎放射器を使ってる?
ナイス不意打ち!そのまま焼き殺してしまえ!
「おおっ!いいぞいいぞ!どんどん汚物を消毒せよ!妾が許す!」
「アル、もっと火力が出ないんですか!何かあの人達ウザいのでもっも燃やしちゃって!」
身内からも好評な不意打ち火炎放射。勇者ならこのくらい何とかしろよ。
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勇者ボルト一行負傷ボーナスで100ポイント手に入りました
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現在のポイントは86400ポイントです』
あぁん!?撃退だと!いつ逃げたんだよ、全滅じゃねぇのかよ!勇者が脱出アイテム使ってんじゃねぇぞコラァ!
「チッ、どうやら逃げられたようだのぅ。まぁ、面白いものを見られたし、妾は帰るとするかのぅ」
「かえれかえれー!」
「そこのハイピクシーは口を慎め!」
そう怒りつつ魔王ウェーンはダンジョンから出て行った。そのまま勇者に会って勇者を殺せばいいのに。
遊びに来る魔王と来訪した勇者ボルトの嵐は過ぎ去ったところで、一週間ぶりのレアガチャを引いてみるか。
「ご主人様、また女の子を引くんですか?」
「またって何だ。うちの女の子はお前だけだぞ」
「また魔王様みたいな女の子を引くんですか?」
一体この子は何を見てるんだろうか?実はこのメジェドの目で未来を見ているんじゃないのだろうか。
まぁ、仲間を増やすのは得だし、そう簡単に女の子を引くもんか。
さて、ダンジョン購入からレアガチャをタップ。
ガチャガチャ、パンパカパーン!
虹色キタコレ!レジェンドがまた出るとは、俺の運はどうなってるんだよ!いい意味で批判してるからな。
そして出てきたのは…………
「……………………………………………………」
「……………………なぁ、ハピ」
「何でしょうか?」
「……………………これはアウト?セーフ?」
「性別によって微妙なところです」
これは黙るしかなかった。だって、出てきたのはメジェドだもん。見たまんまメジェドだもん。その目でじっとこっちを見ないでくれよ!
ハピもメジェドの目でこっち見ないで!ダブルでそんな目をされたら怖いからー!
魔王が遊びに来るわ、勇者ボルトが来るわ、メジェドが出るわ、この後ハピが一日中メジェドの目をするわでこの日は散々な1日になってしまった。
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