華の新撰組

ばくだん

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二話 幼い日の出会い

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 「見つけた... 」
これは後の新選組斎藤一である『浪井杏』の話。
 
 私、浪井杏はある人達を探して京の都に来た。
 
 それはまだ私が小さい頃だった。
私の家は道場をやっていて、男兄弟で唯一の女の子だった。それに末っ子だった。
兄達、全員剣士としての腕はよかった。
そのせいか、よく近所の子供達にいじめられていた。

 「お前の家、道場なのにお前弱いな」
 「しかも泣き虫だしな」
 「お前、あの家の子供じゃないんじゃね?」
 「そうだよ。だから弱虫なんだ~」
 「悔しかったら、剣で勝ってみろよ!」
 
 返すことばがない。
家族からも、女だからと避けられていたし
自分でもこの家の子供じゃないんじゃないのかと思うときがあった。
 今にも泣きそうになり、『もう嫌だ!』
と思ったそのとき... 
 
 「君たち!弱いものいじめは、するもんじゃないぞ~」
 「近藤さん、待てって!」
 「あぁ~、近藤さんがまた面倒なのに首突っ込んじゃった」
 
 「えっ... 」
 
 ここら辺にいじめを止めにはいるような良い人はいないと思っていた。
 よく見ると服装から旅の人らしい。

 「なんだ、お前ら。邪魔すんなよ!」
 「俺たち道場行ってるから、強いんだぜ」
 「はっはっ!それはすごいなぁ」
 「バカにしやがって、やっちまえ」
 「よし、いざ勝負!」
 
 瞬殺だった。素人の私でもわかった。
剣の腕前はここいらでは、ぐんを抜いている。
 
 「おい、お嬢ちゃん。大丈夫か?」
 
 そのとき、声をかけてくれたのが
 近藤勇と土方歳三、沖田総司だった。
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