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四話 男になれ
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そして私の新選組との一週間が始まった。
一日目は正午に近くのお寺で稽古をした。
「まず、何をすればいいでしょうか!
私、早く強い剣士になりたいんです!」
そうすると、近藤さんがにっこり笑ってこう言った。
「まずひとつ、女は剣士にはなれないんだ。
だから男になりなさい、自分は男だと言い聞かせなさい。
そしていつでも強気でいること。」
優しい顔とは真逆のキツイ口調だった。
『男になりなさい』という言葉に気持ちがついていかなかった。
そんな私の気持ちを透かすように後ろにいた土方さんが
「近藤さん、そんな覚悟もない奴に剣を教える必要はねぇ。
さっさと先を急ごう。
俺たちにはまだやることがたくさんある。」
「トシ待ってって。」
『剣を教える必要はない』
この言葉が頭から離れない。
今にも帰りそうな土方さんを止めようとしてる近藤さんのことをぼんやりと眺めながら
ずっと頭にキツイ言葉が流れる。
甘く考えすぎていた。そうだ。
教えてくれるというから喜んでいた自分が馬鹿馬鹿しくなった。
そして、自分の小刀を抜き私は女であることを捨てた。
「わかった。」
バサッ(髪の毛が落ちる音)
「俺、男になる」
すると、土方さんが腹を抱えるほど笑ったあと
「近藤さんこいつは俺が稽古をつける。いいか?」
「わかった、トシに任せる。」
私の前に近づいてきて上から目線に言った。
「お前の根性はよくわかった。
俺がお前を剣士にしてやる、ありがたく思え。」
一日目は正午に近くのお寺で稽古をした。
「まず、何をすればいいでしょうか!
私、早く強い剣士になりたいんです!」
そうすると、近藤さんがにっこり笑ってこう言った。
「まずひとつ、女は剣士にはなれないんだ。
だから男になりなさい、自分は男だと言い聞かせなさい。
そしていつでも強気でいること。」
優しい顔とは真逆のキツイ口調だった。
『男になりなさい』という言葉に気持ちがついていかなかった。
そんな私の気持ちを透かすように後ろにいた土方さんが
「近藤さん、そんな覚悟もない奴に剣を教える必要はねぇ。
さっさと先を急ごう。
俺たちにはまだやることがたくさんある。」
「トシ待ってって。」
『剣を教える必要はない』
この言葉が頭から離れない。
今にも帰りそうな土方さんを止めようとしてる近藤さんのことをぼんやりと眺めながら
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甘く考えすぎていた。そうだ。
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俺がお前を剣士にしてやる、ありがたく思え。」
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