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第16話 伊吹、転移した
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魔法陣に乗った後、目をつむってから体ごと回転させらているような浮遊感を受けた。
正直言って、酔いそうだった。
浮遊感がおさまり、足が地面に付いたと思ったので、目を開けた。
目の前にはノジャが立っていた。俺は魔法陣から出て、辺りを見渡した。白い壁なのだが、ツルッとしていて、デクストラタウンで見たようなモルタルの壁ではなさそうだ。ノジャの後ろには両開きの扉がある。
見渡していると、ブリュアさんが転移してきた。
「どうだい?」
「ちょっと酔っています」
「最初はそうだろうね。慣れるよ」
ブリュアさんは扉を開けて、外に出たので、それに続いた。
部屋の外も白い壁で、唯一違うのは窓がたくさんあるところだ。床にスレスレから天井近くまでの大きな窓だ。
ここは上層の階なのか、すごく下に建物が見える。小さい。
下の方にはドーム状の建物がたくさん並んでいる街並みだった。街、だよな?
「デクストラタウンとは全然違うのう」
「文明が全く違うからねえ。火星に行く魔法陣はこの階にあるんだけど、その前に街中を見に行くかい?」
俺とノジャは顔を見合わせてから、ブリュアさんの方を向き、頷いた。
かなり高い階だと思ったので、階段を降りるのが億劫だなと、思っていた。しかし、魔法が使える異世界なのにエレベーターがあった。
世界観は無視なのか?
「異世界にエレベーターがあるなんて……」
「これは移動魔法で動いているんだよ」
俺たちはエレベーターで下に行きながら、窓が付いていたので外を眺めていた。
「魔法が切れたら、真っ逆さまだろう」
ブリュアさんが恐ろしいことを言ったが、聞かなかったことにした。
数分乗っていただろうか、やっと一階まで降りてきた。
ここはロビーらしく、とても広かった。人がまばらながらにいて、受付のような場所で話している人や、ベンチに座っている人などがいた。エレベーターを待っていた人もいたので、さっと譲って、外への扉に向かった。
扉は自動ドアだった。ここ、魔法の世界だよな? 近代的すぎる気もする。
「勝手に扉が開いたぞ! すごいのじゃ!」
「俺の世界では普通だよ。だから、逆に異世界で同じ物を見ると不思議な気持ちになるな」
「ほう。似たような装置があるんだな」
「俺の世界では電気や機械で動くけど、ここは魔法ですよね?」
「そうだな。自動化されているものは、魔法が込められている」
外に出ると、上から見ていたドーム状の建物が並んでいた。
少し進んでから、後ろを振り返ると、五十階はありそうなタワーが建っていた。俺たちがいたところ、こんなに大きかったのか。
「大きいのじゃ~」
「俺の世界より文明が進んでないか……」
「建物に使われているのは、魔法素材だ。詳しくは、他のやつに聞ける機会があればいいな」
「ブリュアさんは他の世界から来たんですよね」
「そう言った」
「この世界にはあまり詳しくない、とか?」
「詳しくないな。しかし、案内役としては問題なく動ける」
「そうなんですね。いや、心配していたわけではないんですけど」
「心配だったんだな」
ブリュアさんはニヤリと笑った。
「まあ……」
「わしは元より安心しておるぞ! 頼りにしておるぞ、ブリュア」
「うん。任せて良い」
正直言って、酔いそうだった。
浮遊感がおさまり、足が地面に付いたと思ったので、目を開けた。
目の前にはノジャが立っていた。俺は魔法陣から出て、辺りを見渡した。白い壁なのだが、ツルッとしていて、デクストラタウンで見たようなモルタルの壁ではなさそうだ。ノジャの後ろには両開きの扉がある。
見渡していると、ブリュアさんが転移してきた。
「どうだい?」
「ちょっと酔っています」
「最初はそうだろうね。慣れるよ」
ブリュアさんは扉を開けて、外に出たので、それに続いた。
部屋の外も白い壁で、唯一違うのは窓がたくさんあるところだ。床にスレスレから天井近くまでの大きな窓だ。
ここは上層の階なのか、すごく下に建物が見える。小さい。
下の方にはドーム状の建物がたくさん並んでいる街並みだった。街、だよな?
「デクストラタウンとは全然違うのう」
「文明が全く違うからねえ。火星に行く魔法陣はこの階にあるんだけど、その前に街中を見に行くかい?」
俺とノジャは顔を見合わせてから、ブリュアさんの方を向き、頷いた。
かなり高い階だと思ったので、階段を降りるのが億劫だなと、思っていた。しかし、魔法が使える異世界なのにエレベーターがあった。
世界観は無視なのか?
「異世界にエレベーターがあるなんて……」
「これは移動魔法で動いているんだよ」
俺たちはエレベーターで下に行きながら、窓が付いていたので外を眺めていた。
「魔法が切れたら、真っ逆さまだろう」
ブリュアさんが恐ろしいことを言ったが、聞かなかったことにした。
数分乗っていただろうか、やっと一階まで降りてきた。
ここはロビーらしく、とても広かった。人がまばらながらにいて、受付のような場所で話している人や、ベンチに座っている人などがいた。エレベーターを待っていた人もいたので、さっと譲って、外への扉に向かった。
扉は自動ドアだった。ここ、魔法の世界だよな? 近代的すぎる気もする。
「勝手に扉が開いたぞ! すごいのじゃ!」
「俺の世界では普通だよ。だから、逆に異世界で同じ物を見ると不思議な気持ちになるな」
「ほう。似たような装置があるんだな」
「俺の世界では電気や機械で動くけど、ここは魔法ですよね?」
「そうだな。自動化されているものは、魔法が込められている」
外に出ると、上から見ていたドーム状の建物が並んでいた。
少し進んでから、後ろを振り返ると、五十階はありそうなタワーが建っていた。俺たちがいたところ、こんなに大きかったのか。
「大きいのじゃ~」
「俺の世界より文明が進んでないか……」
「建物に使われているのは、魔法素材だ。詳しくは、他のやつに聞ける機会があればいいな」
「ブリュアさんは他の世界から来たんですよね」
「そう言った」
「この世界にはあまり詳しくない、とか?」
「詳しくないな。しかし、案内役としては問題なく動ける」
「そうなんですね。いや、心配していたわけではないんですけど」
「心配だったんだな」
ブリュアさんはニヤリと笑った。
「まあ……」
「わしは元より安心しておるぞ! 頼りにしておるぞ、ブリュア」
「うん。任せて良い」
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