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第18話 森の巨人
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体が大きすぎるのか、頭が小さすぎるのか、見上げても頭が少ししか見えない。
太った人のような者には、腹に木々が刺さり、肌には草が生い茂っている。体は土でできている。ボロボロと土が落ちている。
森は削り取られたように、大きなクレーターができている。
「確かに大きいね~」
「グゴゴゴゴゴゴ!」
巨体が、唸っている。巨体は俺がこの世界に来てから最初に出会ったモンスターの十倍以上ある。
「少しの間で良いから、足止めしてほしいの」
「できなくはないけれど」
「これでは森の巨人じゃのう。こんなモンスターもおるのか」
ノジャが感心したような声でそう言うと、ブリュアさんは浮いた。
ブリュアさんもノジャのように浮けるのか。異世界には浮ける人が多いのか。
飛び上がったブリュアさんは、巨人のへそ辺りまで行く。
「青い縛り!」
そう叫ぶと、ブリュアさんの体から、全身が真っ青の人が大量に出てきた。それらも空中に浮き、巨人の周りを囲う。
「後ろに倒すね」
その時、真っ青な人が全て、巨人に抱きついた。
「揺れるよ~」
ブリュアさんがそう言うと、真っ青な人たちに押さえつけられたまま、巨人は後ろに薙ぎ倒された。
ズシンと大きな音と振動が起きた。俺は体が一瞬浮いた気がした。
「ブリュア、ナイス!」
モモさんは浮くというより、高くジャンプした。数メートルは飛んでいる。
巨人の腹に生えている木の上に乗ったと思う。周りの森のせいで、もう巨人なのか森なのかわからない。
モモさんはどこからか出した剣を右手に握っていた。
「どこから出したんだ?」
「手のひらから出していたのじゃ」
ノジャが解説してくれた。
「森に乗り移るなんて思わないわよね」
モモさんがそう言ったのが、微かに聞こえた。
「いくわよ!」
モモさんは剣を構えて、またジャンプした。
そのまま剣を下にして、勢いよく下降した。巨人の腹を突き刺し、どこまで行ったのかは見えないが、潜っていってしまった。
「あれ、大丈夫なのか?」
俺がそう言うと、いつの間にか地面に降り立っていたブリュアさんが大丈夫だよと言ってくれた。
「色々な生物に寄生するモンスターみたいだね。森に寄生するなんて……進化しているな」
「進化したモンスター」
ノジャが呟くと、ブリュアさんは静かに頷いた。
「倒せる者が人間にいるとはな。この世界は、というかブリュアのいた世界は強い人間がいるのじゃな」
「この世界を中心として、倒せる人間は多いよ」
「そうなのか! なんと……世界は広いのう」
ノジャは感嘆の声を上げた。
「ノジャの世界にはいないのか?」
俺が聞くと、ノジャはハッとしてこちらを見た。
「いや、その。まあ、いないことはないのう」
言い淀んだ。ノジャはたまにこういう所があるのが気になる。
「気になる言い方だな」
「わしの世界のことはいいじゃろう! それよりも、見るのじゃ」
ノジャが指差した方向を見ると、動かなくなった巨人の腹からモモさんが現れた。いつの間にか真っ青な人たちもいなくなっていた。
モモさんが俺たちの所に戻ると、モモさんの剣に大きなミミズが刺さっていた。
「こんな小さいのが寄生していたのよ」
「森は元通りとはいかないけど、これで動かなくなったよ」
森は巨人の腹の盛り上がりを見せたままだった。クレーターの中に上手く収まらなかったのだろう。
モモさんはミミズを上に放り投げて、落ちてきた所を剣で粉々に切り裂いた。
太った人のような者には、腹に木々が刺さり、肌には草が生い茂っている。体は土でできている。ボロボロと土が落ちている。
森は削り取られたように、大きなクレーターができている。
「確かに大きいね~」
「グゴゴゴゴゴゴ!」
巨体が、唸っている。巨体は俺がこの世界に来てから最初に出会ったモンスターの十倍以上ある。
「少しの間で良いから、足止めしてほしいの」
「できなくはないけれど」
「これでは森の巨人じゃのう。こんなモンスターもおるのか」
ノジャが感心したような声でそう言うと、ブリュアさんは浮いた。
ブリュアさんもノジャのように浮けるのか。異世界には浮ける人が多いのか。
飛び上がったブリュアさんは、巨人のへそ辺りまで行く。
「青い縛り!」
そう叫ぶと、ブリュアさんの体から、全身が真っ青の人が大量に出てきた。それらも空中に浮き、巨人の周りを囲う。
「後ろに倒すね」
その時、真っ青な人が全て、巨人に抱きついた。
「揺れるよ~」
ブリュアさんがそう言うと、真っ青な人たちに押さえつけられたまま、巨人は後ろに薙ぎ倒された。
ズシンと大きな音と振動が起きた。俺は体が一瞬浮いた気がした。
「ブリュア、ナイス!」
モモさんは浮くというより、高くジャンプした。数メートルは飛んでいる。
巨人の腹に生えている木の上に乗ったと思う。周りの森のせいで、もう巨人なのか森なのかわからない。
モモさんはどこからか出した剣を右手に握っていた。
「どこから出したんだ?」
「手のひらから出していたのじゃ」
ノジャが解説してくれた。
「森に乗り移るなんて思わないわよね」
モモさんがそう言ったのが、微かに聞こえた。
「いくわよ!」
モモさんは剣を構えて、またジャンプした。
そのまま剣を下にして、勢いよく下降した。巨人の腹を突き刺し、どこまで行ったのかは見えないが、潜っていってしまった。
「あれ、大丈夫なのか?」
俺がそう言うと、いつの間にか地面に降り立っていたブリュアさんが大丈夫だよと言ってくれた。
「色々な生物に寄生するモンスターみたいだね。森に寄生するなんて……進化しているな」
「進化したモンスター」
ノジャが呟くと、ブリュアさんは静かに頷いた。
「倒せる者が人間にいるとはな。この世界は、というかブリュアのいた世界は強い人間がいるのじゃな」
「この世界を中心として、倒せる人間は多いよ」
「そうなのか! なんと……世界は広いのう」
ノジャは感嘆の声を上げた。
「ノジャの世界にはいないのか?」
俺が聞くと、ノジャはハッとしてこちらを見た。
「いや、その。まあ、いないことはないのう」
言い淀んだ。ノジャはたまにこういう所があるのが気になる。
「気になる言い方だな」
「わしの世界のことはいいじゃろう! それよりも、見るのじゃ」
ノジャが指差した方向を見ると、動かなくなった巨人の腹からモモさんが現れた。いつの間にか真っ青な人たちもいなくなっていた。
モモさんが俺たちの所に戻ると、モモさんの剣に大きなミミズが刺さっていた。
「こんな小さいのが寄生していたのよ」
「森は元通りとはいかないけど、これで動かなくなったよ」
森は巨人の腹の盛り上がりを見せたままだった。クレーターの中に上手く収まらなかったのだろう。
モモさんはミミズを上に放り投げて、落ちてきた所を剣で粉々に切り裂いた。
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