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第23話 伊吹、ブリュアと別れる
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レーオンたちと別れた後、俺たちはセランヌタワーへと戻っていた。
「何ともなかっただろ」
竜鬼は得意げな顔で、コリッツを見ていた。
「はいはい。竜鬼の勘はまた当たりましたね~」
「そろそろ、信用しろよな」
二人の会話を横目に俺はノジャを見た。まだ、居心地が悪そうにしていた。
「気にするなよ。あの道の入り組み様は迷う」
「そうかのう。伊吹は無事に着いたんじゃろ?」
「俺の方は簡単だったからな」
「ううむ」
あまり納得いってないようだ。
「それよりも!」
ブリュアさんが俺たちの会話に割って入ってきた。
「そろそろ火星に行くかい?」
色々あって少し忘れていたが、俺たちの目的はギルド長……ツトムに会うために火星に行くことだった。
「実は天界にもツトムがいる可能性もあったんだけど、ギルドに聞いたらここにはいないみたいだ」
「ツトムは一ヶ月前に天界に来たけどな」
話を聞いていたのか、コリッツが答えた。
「忙しそうにしていたから、色々と飛び回っているだろうな」
「入れ違いになる可能性もあるのか?」
コリッツにそう聞くと、コリッツは頷いた。
「うーん。ノジャ、どうする?」
「そうじゃの。天界にまた来たら、コリッツたちに足止めしてもらうのじゃ!」
「良い考えだな。ギルドを通じて、君たちに教えるようにするよ」
コリッツが言った。
「ありがとう」
お礼を言うと、コリッツと竜鬼は親指をグッと立てて、オッケーのサインを出した。
コリッツと竜鬼と別れて、天界に来た時に着いた魔法陣のある階層に来ていた。
「こっちの部屋だったと思うんだけどな」
ブリュアさんは頼りなさげな事を呟いた。
「正しい魔法陣にしてくださいね」
「わかってるさ」
ブリュアさんの後を着いて、部屋に入る。
赤い線で描かれた魔法陣が床に敷いてあった。
「そういえば」
ブリュアさんは思い出したかの様に話始めた。
「この魔法陣の部屋がある階層に行ける人は限られているから、次に遊びに来る時は誰かお供がいるからね」
「次に遊びに来るのか?」
「来ないのかい?」
「来れるなら来たいかも」
何度も異世界に行く勇気はそんなにないが、色々と世話になった人たちも多いし、お礼しに行くくらいなら良いかも。
俺たちは再び魔法陣に乗り、転移した。
転移した先はレンガと土の壁の部屋だった。天界やデクストラタウン……地球とは違う建築素材だ。
「ここは?」
転移した後、魔法陣から降りて、先に辿り着いていたブリュアさんに話しかけた。
ブリュアさんは上を見たまま、動かないし返事もなかった。
「ブリュアさん?」
次にノジャが転移してきて、俺の隣に立った。
「どうかしたのかの?」
「ブリュアさんが返事しなくて」
そう言うと、ノジャはブリュアさんのそばに立ち、大声を上げた。
「ブリュアー! 返事しろなのじゃー!」
「わあ!」
ブリュアさんは驚き、跳ねた。
「びっくりした」
「どうかしたのかの?」
ノジャは先ほどと同じ言葉を繰り返した。
「いや、何でもないよ。それよりも、上階に行こうか。ここは地下なんだ」
そう言われたので、それ以上は詮索しなかった。
部屋を出て、薄暗い通路と階段を行くと、明るいロビーに出た。今まで来たギルドと同じように受付と椅子が置いてあった。
「私は少しやることができたから、火星にいる間は他の人に護衛を頼んでおくよ」
ブリュアさんはそう言って、足早に受付へ行った。
「何ともなかっただろ」
竜鬼は得意げな顔で、コリッツを見ていた。
「はいはい。竜鬼の勘はまた当たりましたね~」
「そろそろ、信用しろよな」
二人の会話を横目に俺はノジャを見た。まだ、居心地が悪そうにしていた。
「気にするなよ。あの道の入り組み様は迷う」
「そうかのう。伊吹は無事に着いたんじゃろ?」
「俺の方は簡単だったからな」
「ううむ」
あまり納得いってないようだ。
「それよりも!」
ブリュアさんが俺たちの会話に割って入ってきた。
「そろそろ火星に行くかい?」
色々あって少し忘れていたが、俺たちの目的はギルド長……ツトムに会うために火星に行くことだった。
「実は天界にもツトムがいる可能性もあったんだけど、ギルドに聞いたらここにはいないみたいだ」
「ツトムは一ヶ月前に天界に来たけどな」
話を聞いていたのか、コリッツが答えた。
「忙しそうにしていたから、色々と飛び回っているだろうな」
「入れ違いになる可能性もあるのか?」
コリッツにそう聞くと、コリッツは頷いた。
「うーん。ノジャ、どうする?」
「そうじゃの。天界にまた来たら、コリッツたちに足止めしてもらうのじゃ!」
「良い考えだな。ギルドを通じて、君たちに教えるようにするよ」
コリッツが言った。
「ありがとう」
お礼を言うと、コリッツと竜鬼は親指をグッと立てて、オッケーのサインを出した。
コリッツと竜鬼と別れて、天界に来た時に着いた魔法陣のある階層に来ていた。
「こっちの部屋だったと思うんだけどな」
ブリュアさんは頼りなさげな事を呟いた。
「正しい魔法陣にしてくださいね」
「わかってるさ」
ブリュアさんの後を着いて、部屋に入る。
赤い線で描かれた魔法陣が床に敷いてあった。
「そういえば」
ブリュアさんは思い出したかの様に話始めた。
「この魔法陣の部屋がある階層に行ける人は限られているから、次に遊びに来る時は誰かお供がいるからね」
「次に遊びに来るのか?」
「来ないのかい?」
「来れるなら来たいかも」
何度も異世界に行く勇気はそんなにないが、色々と世話になった人たちも多いし、お礼しに行くくらいなら良いかも。
俺たちは再び魔法陣に乗り、転移した。
転移した先はレンガと土の壁の部屋だった。天界やデクストラタウン……地球とは違う建築素材だ。
「ここは?」
転移した後、魔法陣から降りて、先に辿り着いていたブリュアさんに話しかけた。
ブリュアさんは上を見たまま、動かないし返事もなかった。
「ブリュアさん?」
次にノジャが転移してきて、俺の隣に立った。
「どうかしたのかの?」
「ブリュアさんが返事しなくて」
そう言うと、ノジャはブリュアさんのそばに立ち、大声を上げた。
「ブリュアー! 返事しろなのじゃー!」
「わあ!」
ブリュアさんは驚き、跳ねた。
「びっくりした」
「どうかしたのかの?」
ノジャは先ほどと同じ言葉を繰り返した。
「いや、何でもないよ。それよりも、上階に行こうか。ここは地下なんだ」
そう言われたので、それ以上は詮索しなかった。
部屋を出て、薄暗い通路と階段を行くと、明るいロビーに出た。今まで来たギルドと同じように受付と椅子が置いてあった。
「私は少しやることができたから、火星にいる間は他の人に護衛を頼んでおくよ」
ブリュアさんはそう言って、足早に受付へ行った。
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