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四十五、訃報

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それから二、三日は、何事もなく過ぎた。エレンくんは日本語力の伸びを論理先生に認められて、みんなと同じ古文の授業を受けるようになる。エレンくん、ミュージカルがんばったもんね。そしてそんなある日の古文の授業前。いつものように論理先生を待っていると、教室に別の先生が入ってきた。理科の末次先生だ。
「はあい、みんな静かにしなさあい」
先生の声が響く。
「先生、論理はぁ?」
クラスの子に尋ねられた末次先生は、ちょっと顔を曇らせた。
「論理先生、今日は早退されたの。お母さまのお具合が悪いみたいね。だから今日は自習よ。静かにしてなさいね」
えっ…。論理先生…。今朝職員室で会ったときは全然普通だったのに。お母さんの具合、早退するほど悪いの?ど、どうしよう…。とりあえずスマホを出して、ラインを開ける。
『論理先生、お母さんの具合が悪いって聞きましたけど、今どうですか?心配です』
既読はすぐに付いた。そして…、こんなリプライが返ってきた…。
『十一時五十四分、母が息を引き取った。今、各地の親戚に連絡している』
え…⁉︎先生のお母さん、死んじゃったのっ⁉︎そんな…、そんなっ…。先生、論理先生っ!私は、よろよろと席を立つと、智世のところに行った。
「智世ぉ…」
「どうしたの文香」
振り向いた智世に、私はラインの画面を見せる。智世の顔色も変わった。
「えっ、何これ!本当なの⁉︎」
「智世、どうしよう…」
「とりあえず、何か言葉かけてあげないと」
「う、うん…」
智世と二人で画面を見ながら、私は震える指を運ぶ。
『先生…。何と言ったらいいかわかりません…。今日、授業終わったら、先生のお家行きます。いいですか?』
既読はすぐについて、リプライも返ってくる。こんなときなのに、先生…。
『そうか、来てくれるか。ありがとう。バタバタしているが、それでよければ』
『はい。それでは授業後に。先生、どうか無理しないでくださいね。倒れ込みたかったら、いつでも休んでいいと思います』
『ありがとう。いろいろやることはあるが、がんばるよ。それじゃまた後で』
私は画面から目を離すと、智世の胸に両手を回し、肩に寄りかかった。
「智世…、今日、一緒に来てくれる?」
「ええ。もちろん」
私の腕の中で、智世がこくりとうなずく。
「文香、今日たまたまお互い制服でよかったわね。制服って、喪服としても使えるから」
「え、そうだったんだ」
それは初めて知った。
「今日はこの姿で、論理のとこ行ってあげましょう。あ、遥にも知らせないと」
私たちは遥の席に行く。論理のことを告げると、遥は両手を口に当て、「えー…」と言葉もない。
「そんな…。論理…。そんな…ことって…」
二重瞼の大きな黒い瞳が潤む。
「論理まだ二十九だろ…。お袋亡くすような歳じゃねぇのに…」
「遥、今日授業後に、私たち先生のお家行くけど、一緒に来る?」
「うーん、そうだなぁ」
遥はしばらく考え込んだ。
「今はまだ、亡くなったばっかでバタバタしてるだろ。そんなとこに三人もぞろぞろ行ってもなぁ。あたしはお通夜とお葬式に行く。今日は文香、智世、行って論理を少しでも支えてやれ」
「わかったわ。詳しいことがわかったらまたラインする」
智世がそう言うと、遥は深いため息をついた。
「論理も…、踏んだり蹴ったりじゃねぇか。学校からはクビ言い渡されて、続いてお袋さん亡くして…。もたねぇぞ」
「智世…、遥…、私たち、どうしてあげられるだろう…」
途方に暮れる思いだった。私、近親者を亡くした経験なんてない。先生の今の気持ち、どう推し測っていいか…。
「とりあえずは、そばにいてあげましょう。どんなことになっても、あたしたちは味方だって、論理に伝えるの。それで少しでも論理の力になれればいいわ」
「うん…、そう、だね…」
先生…。私に何ができるかわからないけど、先生のそばにいます。そして先生を支えます。悲しかったら、私にもたれて泣いてください。先生…。

論理先生の家の表具屋さん。まだ先生に出会う前から、位置はわかっていた。高洲駅で智世と二人地下鉄を降り、十五分くらい歩く。十一月の木枯らしが容赦なく吹いて、歩きながら私たちは身を縮こまらせた。耳たぶおかっぱも吹き乱されてしまう。やがて表具屋さんの前に来る。船東商店街の中程に構えられた、大きなお店だ。でも今はシャッターが下ろされている。その面に「忌中」の張り紙があるのが悲しい。私は勝手口の呼び鈴を押した。
「はい」
女の人の声が答える。
「あ、あの…私…」
「はい?」
いけない。しっかりしなきゃ。
「私たち、北海国際の池田と徳永です」
「あ、はいはい、ちょっと待ってください」
女の人がそう答えると、まもなく勝手口の扉が開く。そして論理先生がそこにいた。
「おお…、文香に智世。来てくれたか」
「先生…」
「論理…」
言葉を失って立ち尽くす私たちを、論理先生は中に招き入れた。
「まあまあ、そんなところに立っていてもなんだ。中に入れよ。お袋に…」
先生の顔が、少し歪んだように見えた。
「…会ってやってくれ」
「はい」
私たちは返事をして、勝手口から先生の家に入る。上がったばかりのところが台所、そしてその奥が居間だった。ストーブがたかれて暖まった部屋に、すでに親戚の人が何人も来ている。さっき呼び鈴の応対をしたであろう四十歳過ぎくらいの女の人がいる。私たちと年があまり変わらなさそうな高校生風の女の子と、小学生くらいの女の子もいる。そんな中に布団が敷かれ、お母さんが横たえられていた。顔には白い布がかかっている。
「お袋」
もの言わぬお母さんに、それでも呼びかける先生。
「俺の自慢の教え子が来てくれたぞ」
私たちはお母さんの枕元に座った。先生が、白い布をゆっくりと取る。智世と二人、目を閉じて両手を合わせた。
「俺、お袋似だとよく言われるんだが、どうだ」
目を開けて、お母さんを見る。確か七十歳手前だと聞いたけど、ずっとやつれてしまって、もう八十歳くらいに見える。でも、丁寧に死に化粧がされていて、安らかな顔だった。
「そうね。似てると思う。目鼻立ちとか、確かに」
智世がそういうと、論理先生は小さくうなずいた。
「お袋に似ていると言われるのが、好きだった」
先生が唇を噛んでうつむく。親戚の人たちの中から、すすり泣きが漏れた。
「先生、お母さん、最期はどうだったんですか」
どもらないように言う私。先生のそばでは、しっかりするんだ。
「意識は三日前から無くなっていた。そこからは眠り続けて、最期は自然に息がなくなった感じだ。リューマチで苦しんだ一生だったから、せめては安らかな最期でよかったと思う」
淡々とそう語る論理先生。でもその口調の向こうに、大きな悲しみが宿るのが見えた。
「先生…」
「正直な、文香、智世」
お母さんの死に顔を眺めつつ、論理先生が言う。
「まだ、何が起こっているのか、俺自身よくわかっていない」
「そうよね」
そう智世が答えたとき、勝手口の扉が開いて、「こんにちは」と聞き慣れない声がした。先生が応対に出る。
「あ、これは法光寺(ほうこうじ)のお上人様。このたびはお世話になります」
リビングに、少し背の高い、六十歳くらいのお坊さんが入ってきた。
「ああ、これはよくないです。お部屋が暖かすぎます」
お坊さんは挨拶もしないで、いきなりそんなことを言った。
「お布団も厚いからいかんです。暖まるのはよくありません。ストーブも消してください」
突然そんなことを言われた論理先生、戸惑いを隠せずに言う。
「今日はちょっと冷えますから、母も寒かろうと思いまして」
でもお坊さんは遠慮がない。
「それはお母さまが生きておられるときのお話です。すでにご遺体になってしまわれたのですから、暖めるのは禁物です。掛け布団はタオルケットで。窓も開けてください」
「う…」
先生が小さく声を漏らしてうつむく。遺体になってしまったんだから、冷える日なのに冷やさなきゃいけないなんて…。確かにそうかもしれないんだろうけど、先生、お坊さんに面と向かって「お前の母は死んだんだ」って言われてるみたいだよね。
「論理、タオルケット出すよ。窓も開けて」
四十歳過ぎくらいの女の人が、ストーブを消しながら先生にそう言う。この人、先生のお姉さんだろうか。先生は、唇を固く引き結んだまま、押し入れからタオルケットを出すと、お母さんの掛け布団を替えた。そして窓も開ける。寒い風が居間の中に入ってきた。
「寒いだろうに…」
低い声で、論理先生がつぶやく。
「しかたないでしょ。暖めておくと腐っちゃうから」
と、お姉さんらしき女の人。
「腐っ…ちゃう?」
先生の目が、とても悲しげな色を帯びた。そうやって、お母さんが亡くなったことを、嫌でも実感させられていくのかもしれない。
「先生…」
私は思わず、先生の腕を取った。先生の胸の内に、寄り添いきれない私がもどかしかった。
「論理。外に行って、当座のお金の用意と、役所の手続きをしてきてくれない?」
女の人に言われて、先生が聞き返す。
「いくらくらいあればいい?」
「三十万くらいでいいよ」
「わかった」
鞄を手に取り、外へ出ようとする先生。
「あ、先生」
「論理」
智世と二人して先生を呼び止める。
「あの、私たちついていってもいいですか」
私のその言葉を聞くと、先生は微笑んだ。
「おぉ、一緒に来てくれるか。ありがとう。それじゃ行こう」
家の前の駐車場に止めてある、論理先生のパジェロミニに乗る。二人して後部座席に乗った。ほんとは助手席に乗りたかったけど、こんなときだからね…。
「まずは、銀行のATMだ」
そう言って先生は、シフトレバーを操作し、エンジンをかける。
「ねえ論理、お金の用意をするように言った女の人って、論理のお姉さんなの?」
智世がそう尋ねる。
「ああ。あれが俺の姉だ。高三と小六の娘がいる。居間にいただろう。覚えてるか」
「はい、覚えてます」
「母にとっては孫、俺にとっては姪っ子にあたるな」
「他にも親戚の人たち来てたみたいだけど」
「ああ、あれは母の兄妹だ」
と、論理先生が智世に答えた。
「母は六人兄妹でな。みんな尾風周辺にばらばらに住んでいたんだが、久しぶりに集結したよ。『清(きよ)ちゃんが会わせてくれた』ってみんな言ってた」
「清ちゃん?」
私がそう聞くと、先生は「言ってなかったっけ?」と、こう言った。
「母は清子(きよこ)って言うんだ。兄妹からは『清ちゃん』と呼ばれている。みんなお袋に取り縋って、『清ちゃん清ちゃん』って大泣きしてたな」
悲しい情景を思い出しているのに、先生の口調はやっぱり淡々としている。「まだ、何が起こっているのか、俺自身よくわかっていない」という、さっきの論理先生の言葉が思い出された。
「ご兄妹の中で、お母さんの最期に間に合った人はいたの?」
「末の妹の伯母さんが立ち会えたな。俺と、親父と、姉と、伯母さんの四人で見送った」
そう話している間に、車は銀行に着いた。
「よし、金を下ろそう」
三人でATMの前に行く。キャッシュカードを差し込み、先生は言われた通りの額を下ろした。
「先生、次はどうするんですか?」
「医者のところに行って、死亡診断書をもらってこないといけない。それを持って、区役所で死亡届を出す」
「論理…。なんか、こう言っちゃなんだけど、しっかりしてるわね」
「そうかな」
少しうつむいて智世に答える先生。今日、こんな時でさえ、そのおかっぱの襟足は、きれいな内巻きで、まったくのギザつきもなく美しく揃っている。
「あたし、今もしお母さんかお兄ちゃんにもしものことがあったら、泣き崩れちゃって何もできないわよ」
それはこの前の公雅先輩のインフル騒ぎを思い返せば、よくわかる。
「それに先生、今日もおかっぱきれいですよね」
「そうだな」
先生は車に乗り込んだ。続いて私たちも乗る。車が発進した。
「さっきも言った通り、何が起こっているのかよくわかっていないということはある。だが、それよりも、母を万事抜かりなく送ってやりたいという気持ちがある。だから今朝父に『いよいよだから起きろ』と言われた時、おかっぱもいつも以上に丁寧に作った。きれいな姿で、そのときに臨みたかった」
「でも先生、疲れてませんか?それに…泣きたく、ありませんか?」
「疲れたり泣いたりするのは、いつでもできる。でも、母を送ることは今しかできない。だから俺は今、やれるだけのことはやろうと思う」
論理先生…。立派だな。私、両親とは仲のいいほうじゃないけど、そんな両親だって、もしものことがあったら、智世と一緒で気が動転しちゃうと思う。だけど論理先生…、言葉にいつもの張りが全然ないよ。真美に「あー忘れてたぁ」と言われたときさえ、今と比べればまだマシだった。先生…、すごく大きなショックに包まれてるよね。私ずっと、先生のそばにいるからね…。そう思ううち、車は「船東内科」という小さな診療所の駐車場に入った。車を降り、三人で中に入る。受付の看護師さんに先生が用件を伝えた。
「すみません、太田ですが、死亡診断書は書いていただけましたでしょうか」
「はい、できています。診察室へどうぞ」
奥に通される私たち。診察室には、七十歳くらいのお爺ちゃん先生が座っていた。
「このたびは母がお世話になりました」
「いえいえ、こちらこそお力になれませんで」
頭を下げあう論理先生とお爺ちゃん先生。
「はい、こちらが死亡診断書になります」
お爺ちゃん先生はそう言って、一通の封書を手渡した。
「先生…。それで、母の死因は結局何だったんでしょうか」
「そうだねぇ…。この夏くらいから、どんどん身体が小さくなってちゃったよね。それで弱っていったし。原因は…、まだお若かったけど、老衰に近いかもしれない。書類上は一応肺炎とはしてあるけどね」
「老衰ですか…。まだ六十八でしたが」
「リューマチで身体に負担がかかってたかもしれんねぇ」
私たちはお爺ちゃん先生に頭を下げて、医院を後にした。そして車に乗る。
「リューマチで弱って、六十八で老衰か…。かわいそうなことをした」
論理先生は、ぽつりとそうつぶやいて、車を発進させた。そのつぶやきの中に、先生の重い気持ちが込められている気がした。
「論理、リューマチってそんなきつい病気なの?」
「全身が侵される病気だからな。使われる薬剤も強いし、身体には相当の負担がかかるだろう」
何を言ってあげていいのかわからなくなる私たち。車内はしばし沈黙に包まれた。
「あ、あの…」
何か言おうと思って話題を必死に探す私。
「先生がミュージカルの台本書いたこと、お母さん、ご存知だったんですか?」
「ああ。そのときにはまだ意識はあったからな。『北国祭の企画でミュージカルの脚本書くことになった。これから忙しくなるぞ』と枕元で言ったら、にっこり笑って…」
先生は言葉を詰まらせた。
「…『それは大変ね、がんばりなさいね』って、言ってくれた」
運転をする先生の目に、涙が盛り上がる。「ぐずっ」と鼻をすする先生。
「どんなときにも、俺を…応援してくれて、優しく…励ましてくれた人だった。給与明細を持って…帰ると、いつも『お疲れさまでした』と言ってくれた。大した…額でもないのに…」
私は言葉を失った。先生…、先生…。
「泣いていちゃいけないな。さあ区役所着いた」
車が、東区役所の駐車場に入る。三人で車を降りた。駐車場を横切る。と、先生が急に顔をしかめた。
「あ、肩が重い」
「え?論理、どうしたの?」
「んー、なんだか知らないが、急に肩が重くなった」
見るからに歩きづらそうな先生を心配しつつ、区役所の入り口をくぐる。
「お疲れさまです。ご用件はなんでしょうか」
出迎えた案内係の人に、先生は用件を言う。
「母が亡くなりましたので、死亡届を出しにまいりました」
「それはご愁傷さまでした…。では用紙を持ってきますのでご記入の上、窓口にお出しください」
まもなく案内係が死亡届を持ってきた。それを持って記入台に向かう先生。でも、少し書いては肩を押さえ、また少し書いては肩を押さえている。すごくつらそうだ。
「先生、大丈夫ですか?肩、そんなに重いんですか?」
「あ、ああ…。重い。なんか、誰かにのしかかられているような気がする」
それでも論理先生は、死亡届に「太田清子」と、大きな濃い字でお母さんの名前を書いていく。
「論理、書くのつらかったら、代わるわよ」
「いや、書かせてくれ…。これを書くのは…、俺の務めだ」
苦しげに息をつきながら、お母さんの住所や本籍地などを記していく先生。身体が本当に重そうだ。時間をかけて、ようやく届けが出来上がる。よろめくように窓口に行き、先生は用紙を提出する。
「お願いします…」
「それではこれから火葬許可証を発行しますので、しばらく掛けてお待ちください」
先生は、待合のソファに崩れ落ちた。
「先生っ」
「論理っ」
先生を抱きかかえる私たち。目を閉じ、苦しげに顔を歪める先生。
「…乗りかかれれて…いる」
細く開いた先生の口から、声が漏れた。
「先生、大丈夫ですかっ」
「もういい…もういいんだ…お袋…」
閉じた先生の目尻から、涙が一筋流れ落ちる。
「後のことは…俺が…全部やる。だから…落ち着いて…いてくれ…頼む」
先生が一体何を言っているのかわからなくて、その場に呆然とする私たち。でも、やがて先生が目を開けて起き上がった。
「先生…」
「ああ…。もう大丈夫だ」
「お母さん、乗りかかってたの?」
そう聞く智世に、先生はうなずいた。
「泣きそうな顔をしておろおろしながら『論理くん論理くん』と言ってるお袋が心に浮かんだ。大方、本人は死ぬつもりなんて全然なかったんだろう」
「お母さん、心残りだったのかもしれませんね」
「そうだな文香。優しい…人だったからな…」
再び言葉を詰まらせる論理先生。そこに、窓口から声がかかった。火葬許可証という悲しい書類を受け取り、私たちは論理先生の家に戻った。

それから、さまざまなことが実にあわただしく決まっていった。お通夜は明日の夜七時から、葬儀は明後日午後一時からになる。場所は法光寺。先生の家から歩いて五分くらいにあるお寺だそうだ。先生が北海国際に電話していた。私も、グループラインで日程を連絡する。誰が参列するか相談したけど、結局、お通夜と葬儀に智世と遥と私が出るということで落ち着いた。この日は夜遅くまで、先生のそばについている。先生、お坊さんに「こういうことは、お年を召したお父さまよりも、お若いご長男さまがやるべきです」と言われて、喪主になった。時折、顔を悲しみで歪めながらも、「しっかりやらないとな」と表情を引きしめる先生が痛ましい。先生…、私、先生に何をしてあげられるだろう…。
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