上 下
28 / 79

二月二十一日

しおりを挟む
二月二十一日・日曜日。前回と同様、セーラーワンピの制服を着て、丁寧にメイクをし、真っ赤な口紅を引いた奏とともにヘアカットに出かける。後に設けてもらった席に座り、奏の髪が揃えられていくのを見守った。切りしろはやはり三センチ。ビフォー・アフターの差はかなりある。襟足も、サイドも短くなり、当然耳たぶも八ミリ出てかわいらしくなる。最後は、固く目を閉じて前髪カット。眉上二センチ以上のところできれいに切り揃えた。パッと目を開けて新しい自分と対面する奏。嬉しそうな笑みを浮かべていた。これで、奏の切り立て耳たぶおかっぱを見るのは、出会ったときと一月下旬に続いて三回目になるが、毎度毎度本当にかわいくて嬉しくなる。美咲の耳たぶおかっぱも、それはそれでかわいいけれど、この髪型はやはり奏のスタイルだと心底思った。
「奏」
「お兄ちゃん」
美容室を出ると、俺たちは呼び合って、後ろ抱っこする。奏の、寸分のギザつきもない、精確に切り揃えられた襟足が、俺のちんこに熱すぎる血を満たす。
「奏、ちょっとうつむいて」
「ん」
ピッとうつむく奏。美容室で剃ったばかりの真っ白なうなじが広がる。その仕草が、いつものことながら本当にかわいらしい。そのうなじにキスをする。ふわりと唇が柔らかく沈み込むのが、いかにも奏らしくていい。
「奏。襟足きれいだぞ」
奏の胸を抱く腕に力を込める。
「ありがと」
奏も、腕に添える手に力を入れてくれる。
「カットライン、すごく揃ってるぞ」
「ありがと」
「その後ろ耳たぶおかっぱの中には誰がいる?」
ひいいっとブレス。上がる肩。
「お兄ちゃんしかいないよっ!」
いつもいつも、このやりとりが大好きだ。奏の、美しく切り整えられた耳たぶおかっぱの中には、俺しかいない。奏。そんな奏が愛しい!俺は激しく沸き立つ心とちんこを身に遊ばせつつ、奏をいつまでも抱いていた。

これも前回の例によって、ヘアカットの後はカラオケに行った。ビデオカメラとICレコーダーは当然常備。切り立て奏を、さまざまなアングルから撮影し、また録音する。これらのデータはすべて、後々俺のオナニーの「おかず」になるのだ。そして今回も「歌いながら立ちバック」をする。前回は「春に」だったが、今度は難易度を上げて「COSMOS」に挑戦させた。サビの部分の息継ぎがかなり苦しいこの曲で、果たして交歓会ができるかどうか興味深かったが、奏は必死に頑張り、最後のリフレインのあたりでイきながら、見事に歌い切った。そんな奏を後ろ抱っこして褒めてやる。帰りの快速急行の中では、また奏を前屈みにさせて襟足にキスし続けた。幸せな日曜日だった。
しおりを挟む

処理中です...