風雨のち、おかえり

manato

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魔法の手

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 朝、目が覚めると、頭に鈍い痛みが走る。

同時に、キッチンで小気味良い包丁のリズムを聴く。

「食べられる? 」

飛んできた温かい声に黙って首を振る。

しばらくして、キッチンの物音は止み、背中にぬくもりを感じた。

ベッドに入ってきた彼に抱きしめられる。

うーん

「無理しなくていいから 」

「そのままでいいから 」

あやすようなリズムで頭を撫でられる。

彼の手は魔法の手だ。 少しだけ、痛みが和らぐような気がする。
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