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第18話 ジャンヌ杯
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なんで――なんでこんなことになったんだべ!
心の声が今にも聞こえて来そうな顔でガクガクブルブル震えるゴブゾウを、俺はコロッセオの客席から見下ろしていた。
思い出すのは昨夜の酒場でのこと。
ジャンヌが奴隷を使ったコロッセオの賭け試合、その景品になることをクレアから聞かされた俺は、取り返すべくゴブゾウに隷属紋を施して出場させることを思いつく。
「やっぱりこんなの無茶よ! 無駄死にさせるだけよ!」
クレアはそういうけど、これしか取り返す方法がないのだから仕方ない。
俺は頑張れよと客席から手を振る。
「神様ッ、だずげでぇえええええええええええええええええ!!」
許せゴブゾウ。
兜やら鎧やらで武装したゴブゾウに静かに合掌。
「神様、ゴブゾウが死んだらあの腹巻きは小生が貰ってもいいんだじょ?」
「ああ、好きにしろ」
「あっ、その時はわてとじゃんけんだがぁ!」
「よーし、負けないじょ!」
「ゴブゾウ! 腹巻きがおめぇの血で汚れねぇように脱いどぐだがぁ!」
「何を言ってるべぇッ!! オラを勝手に殺すなだべぇッ!!!」
必死に叫ぶゴブゾウの声は、観客の声にかき消されてよく聞こえない。
『オール・パッセンジャーズ――会場にお集まりの皆様方! 今宵も奴隷による奴隷の殺し合いショーの開幕です! まずはあちらをご覧ください!』
ビキニにショートパンツという露出狂みたいな恰好をした魚人族の少女が、闘技場の中央で手振り身振り大げさに口上。拡声魔法によって響き渡る司会者の声に、観客たちが注視をそそぐ。
司会の少女が示した方角には、豪勢な椅子に腰掛ける夜の妖精王の姿がある。彼女の両脇には歴戦の英雄を彷彿とさせる端正な顔のダークエルフが二人、その更に傍らには鎖に繋がれたドエロい恰好をしたジャンヌがいる。
踊り子のような、下着姿のジャンヌである。
「ジャンヌッ!」
彼女を認めたアーサーは居てもたっても居られず、立ち上がっては声を振りしぼる。
その声は歓声にかき消されて聞こえない――が、ジャンヌもどうやらこちらに気がついたようだ。
「アーサー……アーサーッ!! ――ゔぅ……」
立ち上がってはこちらに身体を向けるジャンヌの鎖を、ダークエルフは無表情で引っ張った。
「くそっ、くそっ! あいつが僕のジャンヌに、わんわんプレ……クソ―――ッ!!」
ひどく混乱している様子のアーサーは、昨日のゴブトリオたちのデタラメな話を現実と混同している。
『今宵の景品は人間の少女! それも極上の一品! 身長165cm、スラリと長い手足は性奴隷にするも良し、剥製にするも良し! ちなみにスリーサイズは上から84-58-79のEカップ! 15歳という年齢を考えれば満点ではないでしょうか!』
雄弁とジャンヌを紹介する司会者に、会場の男たちは指笛を鳴らしたりと大興奮。
『続きまして、こちらをご覧ください!』
少女が真上に手をかざすと、そこに映像が浮かび上がる。
「ほぉ~、これは……エロいな」
映像にはあられもない姿のジャンヌのプロマイドが、スライドショーとして表示されていく。
バニーガールにビキニアーマー、果てはスライムでヌルヌルになった姿まで。バラエティにとんだエロスが、そこにはある。
「うわぁああああああああああああああああああああああああ!!!!」
それを目にしたアーサーは、心臓に杭を打たれた吸血鬼のように断末魔の叫びをあげている。
「あちゃ~」
つい最近まで童貞だったアーサーには刺激が強過ぎた。ましてや恋人のあのような姿を大衆の面前で晒されたなら……まあ無理もない。
「ゴブヘイ、ゴブスケ。気を失ったアーサーを回収しておくのだ」
「んっだぁ!」
「映像だけで絶頂に達してしまうなんて、たまげたじょ」
気を失ったアーサーを客席に寝かせ、俺たちは映像を食い入るように見る。
『続いて対戦カードとオッズです!』
ミノタウロスVSゴブリン。
オッズはミノタウロスが1.3に対し、ゴブゾウは99.9。
コロッセオ側はやる前から勝負ありという判断らしい。
ま、妥当だな。
と、俺も思う。
もちろん、俺はアーサーから預かった全財産をゴブゾウに賭けている。
これでゴブゾウが勝てば大儲けだ。
『初戦は美しき肉体美を有する怪力の持ち主、ミノタウロスのミノタロウ選手!! と……ただの貧弱なゴブリン……ゴブゾウ選手? です、ね。こんなの出してくるなんて……飼い主のウゥルカーヌスって人は、一体何を考えているのでしょうか? アホなんでしょうか?』
一瞬にして会場が爆笑に包まれた。
神を嘲笑うとは、天罰でも下ってしまえ!
「勝っても1.3倍……チッ。全然儲からないじゃない」
どうやらロキはミノタウロスに賭けたらしい。
この薄情者ッ!
「なによ! 言っとくけどね、鍛冶師としてのあんたの実力は神なら誰でも知ってるわよ。実際、鍛冶師としてのあんたはあちしも認めてるのよ? でもね、あちしたち神が愛せるのは人間だけ。あんたの武具を扱えるのは神か天使か人間だけよ。魔物であるゴブリンには扱えない。あんな鉄屑身にまとったって、ゴブリンがミノタウロスに勝つことは120%ありえないってこと! 残念ね」
「……うるせぇ」
ふんっと鼻を鳴らして金勘定を再開するロキ。
それでも俺はゴブゾウに賭けたい。
ミノタウロスと対峙するゴブゾウを見つめる俺に、クレアも懐疑的な目を向けてくる。
「ちょっ、ちょっと」
「ん?」
「もう一度聞くけど、本気であれとゴブリンを戦わせるつもりなの? 今ならまだ棄権できるわよ?」
「しつこいッ! こっちはなけなしの金で出場枠を買ったんだ。戦う前から棄権なんてするわけないだろ」
「でも――」
俺を見てゴブゾウを見るクレア。散々ゴブリンたちを軽んじる発言をしていた彼女だが、やはり本心は心優しいダークエルフのようだ。
「心配するな。ゴブゾウはばっちり重装備だ」
「あれは昨日たたき売りしていたやつをあんたが値切って値切ってゴミ屑みたいな値段で買ったやつじゃない。あんなのミノタウロスの戦斧が当たったらひとたまりもないわよ!」
「やってみなければわからんだろ!」
どいつもこいつもやる前からうるさいッ!
「やらなくたって分かるわよ……」
威嚇するように戦斧を振りまわすミノタウロスに、ゴブゾウは完全に萎縮していた。
「し、死にたくねぇべ……。オラ、まだ嫁といっぱいセックスしたいべ」
泣きそうな顔で俺を見つめるゴブゾウに、サムズアップ。俺の期待に答えてみろと熱視線をくれてやる。
「ああ、神様はオラが強いと勘違いしてるべ……」
この世の終わりみたいな顔したゴブゾウに、その時はやって来る。
中々なパイオツを持つ少女が「ファイッ!」鋭い声を響かせると、ミノタウロスはその剛力を持って戦斧を振り抜いた。
「一瞬で終わらせてやるよッ」
ぶんっ。
「うわぁッ!?」
凄まじい風切り音とともにゴブゾウの真上を戦斧が通過。間一髪地面に伏せて回避する。
『避けたァッ! ミノタロウ選手の会心の一撃を、ゴブゾウ選手は地面にキスをするでまぐれ回避! しかし、それは恐怖を長引かせるだけに過ぎないぞゴブゾウ! 次の一撃を持ってゴブゾウ選手の小さな体躯は塵と化すでしょう!』
ひどい言われようだな。途中個人的な感想入ってるし……。
「へへ、運のいい野郎だ。だが次はねぇッ!」
「こ、殺されるべぇッ!」
「死ねやこりぁあああああああ!!」
次は伏せて避けられないようにと、ミノタウロスは低い位置から足払いの要領で横薙ぎに振り払う。
「バッ、バカなッ!?」
だが―――
『と、跳んだぁあああああああ!! な、なんということでしょう! 非力なはずのゴブリンとは思えないほどの跳躍を見せるゴブゾウ選手! 30mは跳んでいます!』
蛙のように跳びはねたゴブゾウを、会場の誰もがびっくり仰天と見上げる。
「なっ、なななななんだべこれぇっ!?」
本人も自分の脚力に驚いている。
「……ちょっ、ちょっと、あんたあれはどういうことよ!?」
ゴブゾウのずば抜けた身体能力を目にしたロキから異議が唱えられる。
「あのゴブリン一体何なのよ!?」
「ただのゴブリンだが?」
「すっとぼけんじゃないわよ! あんたのインチキ装備無しで、なんであんなに能力値が跳ね上がってんのかって聞いてんのよ!」
「ああ、そりゃ、ゴブゾウはずっと能力付与の装備を身につけているからな」
「ずっと……? ええっ!? だって、あんたの装備は魔物には……効かないはずよね?」
たしかにその通りなのだが、ゴブゾウは別に俺の装備を身につけてなどいない。
だがしかし、ゴブゾウはアーサーの村を出る時からずっとあの能力値だった。
「これは、どうなってるべ?」
見事な着地を決めたゴブゾウは未だ信じられないといった様子で、自身の身体に目を向けていた。
『これは一体どういうことでしょうか! ゴブゾウ選手はただのゴブリンではなく、新種の蛙ゴブリンだったということなのでしょうか!』
思いがけないゴブゾウの活躍により、会場のボルテージは跳ねあがる。
「ちょっと! ちゃんとあちしにも分かるように説明しなさいよ!」
「ゴブゾウは俺の装備を身につけられないし、事実つけちゃいない」
「嘘おっしゃい! なら、あれは一体何なのよッ!」
ゴブゾウを指差すロキの眼が妖しく光っていた。神の鑑定でゴブゾウのステータスを看破しているのだろう。
名前 ゴブゾウ
年齢 5
種族 ゴブリン
性別 男
レベル 7
HP 18/18 → 270/270
MP 11/11 → 165/165
筋力 14 → 210
防御 14 → 210
魔防 8 → 120
敏捷 11 → 165
器用 6 → 90
知力 3 → 45
幸運 1 → 15
「あいつは不格好なアーサーの手作りペンダントを身につけているからな」
「……アーサー? ペンダント……?」
隣で伸びている少年に視線を落としたロキは、じっとアーサーの顔をみつめる。
「まさかッ――」
ロキは口許を押さえ、ある一つの可能性に思考を巡らせているのだろう。
神様の一番の信者には、その神の力の一部が与えられる。
これ即ち、神の恩恵。
あの村で唯一俺を祀り続けてきたペンドラゴン一族に、その唯一の生き残りであるアーサーに、神の恩恵が与えられるのは至極当然。
俺が信者に与える恩恵は当然、鍛冶師としての才――完璧な鍛冶師!
「つまり、あれは神ではなく、人の王が作り出した武具だ」
「でも、なんで……そうか!」
どうやらロキも気がついたようだ。
俺たち神の力は人を幸せにするためのものであり、魔を幸せにすることはない。
しかれども、魔物であるゴブゾウには俺の作った武具は扱えないが、人が作り出した武具ならば扱える。
もちろん、能力付与も与えられる。
アーサーが友好の証に差し出したペンダントには、全ステータス15倍のボーナスが付与されているのだ。
いくらミノタウロスが初期ステータスに優れた種族であったとしても、所詮は奴隷。レベルが低ければ意味がない。
「神様……? ――そうか! これは神様がオラに力をお与えになっているんだべ! 大天使ミカエルが言ってたべ、慈悲深き神様はオラたちにも慈悲の心をお与えになると!」
何かに気がついたゴブゾウが身体ごとこちらに向き直る。
「あの、ばか……」
『これは一体全体どういうことだ! ゴブゾウ選手が突然観客席に向かって跪いた! 自らの死を悟り、サタンに祈りを捧げているのでしょうか!」
「神様……ほんの少しでも神様を疑ってしまったオラを赦してほしいべ」
縋るような眼差しを向けてくるゴブゾウに、俺は鷹揚とうなずいた。
「赦す! だからさっさとやってしまえ!」
嬉しそうな顔のゴブゾウの背後では、恥をかかさたミノタウロスが憤怒に燃える。
「くたばれぇッ! ゴブリン風情がァッ!!」
『今度こそ終わりかゴブゾウ選手! ミノタロウ選手の戦斧が直撃ッ――――』
――がちっ!
『と、止めたああああああああああああああああああああああああああッ!!!!』
剛腕を持って振り抜かれた戦斧の刃を、ゴブゾウは素手で、片手で、指先だけで止めていた。
「「「「す、すげぇええええええええええええええええええええええッ」」」」
これには観客は大興奮。
どよめく会場が大きく揺れた。
特別席から観戦していた夜の妖精王も思わず尻を浮かす。
祈るように見守るジャンヌも、大きく目を見開いていた。
「なっ、何なのよあのゴブリンッ!?」
「ゴゴゴゴゴブゾウが怪力になったじょ!?」
「どっ、どどどうなってるだがぁッ!?」
クレアもゴブスケもゴブヘイも、驚愕に開いた口が塞がらない。
「オラをそこらへんにいる普通のゴブリンと同じにしてもらっては困るべ」
『ど、どういうことでしょうか!』
「オラはゴッドゴブリンッ! 神に愛されしゴブリンだべぇッ!!」
意味不明な発言に司会の少女も観客も鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。
「ゴッドゴブリンだと!? デタラメ吐かすなッ!」
ゴブゾウに掴まれた戦斧を力任せに引き抜こうとするミノタウロスだが、うんともすんとも言わない。
「ありえん!? こんなチビにッ、あって堪るかァッ!!」
そんなミノタウロスの願いも虚しく、彼は戦斧ごと宙に舞い上がる。ゴブゾウに投げ飛ばされたのだ。
「ウギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?」
『何ということでしょう! 前代未聞! 巨体を有するミノタウロスが小さく非力なはずのゴブリンに軽々と投げ飛ばされたぁああああああああああああ』
うおおおおおおおお――と白熱する観客たちの雄叫びがコロッセオに響き渡る。
『―――勝負あり!』
地面に激突したミノタウロスは完全に意識を失っていた。
コロッセオのジャンヌ杯、トーナメント一回戦をゴブゾウは難なく突破した。
心の声が今にも聞こえて来そうな顔でガクガクブルブル震えるゴブゾウを、俺はコロッセオの客席から見下ろしていた。
思い出すのは昨夜の酒場でのこと。
ジャンヌが奴隷を使ったコロッセオの賭け試合、その景品になることをクレアから聞かされた俺は、取り返すべくゴブゾウに隷属紋を施して出場させることを思いつく。
「やっぱりこんなの無茶よ! 無駄死にさせるだけよ!」
クレアはそういうけど、これしか取り返す方法がないのだから仕方ない。
俺は頑張れよと客席から手を振る。
「神様ッ、だずげでぇえええええええええええええええええ!!」
許せゴブゾウ。
兜やら鎧やらで武装したゴブゾウに静かに合掌。
「神様、ゴブゾウが死んだらあの腹巻きは小生が貰ってもいいんだじょ?」
「ああ、好きにしろ」
「あっ、その時はわてとじゃんけんだがぁ!」
「よーし、負けないじょ!」
「ゴブゾウ! 腹巻きがおめぇの血で汚れねぇように脱いどぐだがぁ!」
「何を言ってるべぇッ!! オラを勝手に殺すなだべぇッ!!!」
必死に叫ぶゴブゾウの声は、観客の声にかき消されてよく聞こえない。
『オール・パッセンジャーズ――会場にお集まりの皆様方! 今宵も奴隷による奴隷の殺し合いショーの開幕です! まずはあちらをご覧ください!』
ビキニにショートパンツという露出狂みたいな恰好をした魚人族の少女が、闘技場の中央で手振り身振り大げさに口上。拡声魔法によって響き渡る司会者の声に、観客たちが注視をそそぐ。
司会の少女が示した方角には、豪勢な椅子に腰掛ける夜の妖精王の姿がある。彼女の両脇には歴戦の英雄を彷彿とさせる端正な顔のダークエルフが二人、その更に傍らには鎖に繋がれたドエロい恰好をしたジャンヌがいる。
踊り子のような、下着姿のジャンヌである。
「ジャンヌッ!」
彼女を認めたアーサーは居てもたっても居られず、立ち上がっては声を振りしぼる。
その声は歓声にかき消されて聞こえない――が、ジャンヌもどうやらこちらに気がついたようだ。
「アーサー……アーサーッ!! ――ゔぅ……」
立ち上がってはこちらに身体を向けるジャンヌの鎖を、ダークエルフは無表情で引っ張った。
「くそっ、くそっ! あいつが僕のジャンヌに、わんわんプレ……クソ―――ッ!!」
ひどく混乱している様子のアーサーは、昨日のゴブトリオたちのデタラメな話を現実と混同している。
『今宵の景品は人間の少女! それも極上の一品! 身長165cm、スラリと長い手足は性奴隷にするも良し、剥製にするも良し! ちなみにスリーサイズは上から84-58-79のEカップ! 15歳という年齢を考えれば満点ではないでしょうか!』
雄弁とジャンヌを紹介する司会者に、会場の男たちは指笛を鳴らしたりと大興奮。
『続きまして、こちらをご覧ください!』
少女が真上に手をかざすと、そこに映像が浮かび上がる。
「ほぉ~、これは……エロいな」
映像にはあられもない姿のジャンヌのプロマイドが、スライドショーとして表示されていく。
バニーガールにビキニアーマー、果てはスライムでヌルヌルになった姿まで。バラエティにとんだエロスが、そこにはある。
「うわぁああああああああああああああああああああああああ!!!!」
それを目にしたアーサーは、心臓に杭を打たれた吸血鬼のように断末魔の叫びをあげている。
「あちゃ~」
つい最近まで童貞だったアーサーには刺激が強過ぎた。ましてや恋人のあのような姿を大衆の面前で晒されたなら……まあ無理もない。
「ゴブヘイ、ゴブスケ。気を失ったアーサーを回収しておくのだ」
「んっだぁ!」
「映像だけで絶頂に達してしまうなんて、たまげたじょ」
気を失ったアーサーを客席に寝かせ、俺たちは映像を食い入るように見る。
『続いて対戦カードとオッズです!』
ミノタウロスVSゴブリン。
オッズはミノタウロスが1.3に対し、ゴブゾウは99.9。
コロッセオ側はやる前から勝負ありという判断らしい。
ま、妥当だな。
と、俺も思う。
もちろん、俺はアーサーから預かった全財産をゴブゾウに賭けている。
これでゴブゾウが勝てば大儲けだ。
『初戦は美しき肉体美を有する怪力の持ち主、ミノタウロスのミノタロウ選手!! と……ただの貧弱なゴブリン……ゴブゾウ選手? です、ね。こんなの出してくるなんて……飼い主のウゥルカーヌスって人は、一体何を考えているのでしょうか? アホなんでしょうか?』
一瞬にして会場が爆笑に包まれた。
神を嘲笑うとは、天罰でも下ってしまえ!
「勝っても1.3倍……チッ。全然儲からないじゃない」
どうやらロキはミノタウロスに賭けたらしい。
この薄情者ッ!
「なによ! 言っとくけどね、鍛冶師としてのあんたの実力は神なら誰でも知ってるわよ。実際、鍛冶師としてのあんたはあちしも認めてるのよ? でもね、あちしたち神が愛せるのは人間だけ。あんたの武具を扱えるのは神か天使か人間だけよ。魔物であるゴブリンには扱えない。あんな鉄屑身にまとったって、ゴブリンがミノタウロスに勝つことは120%ありえないってこと! 残念ね」
「……うるせぇ」
ふんっと鼻を鳴らして金勘定を再開するロキ。
それでも俺はゴブゾウに賭けたい。
ミノタウロスと対峙するゴブゾウを見つめる俺に、クレアも懐疑的な目を向けてくる。
「ちょっ、ちょっと」
「ん?」
「もう一度聞くけど、本気であれとゴブリンを戦わせるつもりなの? 今ならまだ棄権できるわよ?」
「しつこいッ! こっちはなけなしの金で出場枠を買ったんだ。戦う前から棄権なんてするわけないだろ」
「でも――」
俺を見てゴブゾウを見るクレア。散々ゴブリンたちを軽んじる発言をしていた彼女だが、やはり本心は心優しいダークエルフのようだ。
「心配するな。ゴブゾウはばっちり重装備だ」
「あれは昨日たたき売りしていたやつをあんたが値切って値切ってゴミ屑みたいな値段で買ったやつじゃない。あんなのミノタウロスの戦斧が当たったらひとたまりもないわよ!」
「やってみなければわからんだろ!」
どいつもこいつもやる前からうるさいッ!
「やらなくたって分かるわよ……」
威嚇するように戦斧を振りまわすミノタウロスに、ゴブゾウは完全に萎縮していた。
「し、死にたくねぇべ……。オラ、まだ嫁といっぱいセックスしたいべ」
泣きそうな顔で俺を見つめるゴブゾウに、サムズアップ。俺の期待に答えてみろと熱視線をくれてやる。
「ああ、神様はオラが強いと勘違いしてるべ……」
この世の終わりみたいな顔したゴブゾウに、その時はやって来る。
中々なパイオツを持つ少女が「ファイッ!」鋭い声を響かせると、ミノタウロスはその剛力を持って戦斧を振り抜いた。
「一瞬で終わらせてやるよッ」
ぶんっ。
「うわぁッ!?」
凄まじい風切り音とともにゴブゾウの真上を戦斧が通過。間一髪地面に伏せて回避する。
『避けたァッ! ミノタロウ選手の会心の一撃を、ゴブゾウ選手は地面にキスをするでまぐれ回避! しかし、それは恐怖を長引かせるだけに過ぎないぞゴブゾウ! 次の一撃を持ってゴブゾウ選手の小さな体躯は塵と化すでしょう!』
ひどい言われようだな。途中個人的な感想入ってるし……。
「へへ、運のいい野郎だ。だが次はねぇッ!」
「こ、殺されるべぇッ!」
「死ねやこりぁあああああああ!!」
次は伏せて避けられないようにと、ミノタウロスは低い位置から足払いの要領で横薙ぎに振り払う。
「バッ、バカなッ!?」
だが―――
『と、跳んだぁあああああああ!! な、なんということでしょう! 非力なはずのゴブリンとは思えないほどの跳躍を見せるゴブゾウ選手! 30mは跳んでいます!』
蛙のように跳びはねたゴブゾウを、会場の誰もがびっくり仰天と見上げる。
「なっ、なななななんだべこれぇっ!?」
本人も自分の脚力に驚いている。
「……ちょっ、ちょっと、あんたあれはどういうことよ!?」
ゴブゾウのずば抜けた身体能力を目にしたロキから異議が唱えられる。
「あのゴブリン一体何なのよ!?」
「ただのゴブリンだが?」
「すっとぼけんじゃないわよ! あんたのインチキ装備無しで、なんであんなに能力値が跳ね上がってんのかって聞いてんのよ!」
「ああ、そりゃ、ゴブゾウはずっと能力付与の装備を身につけているからな」
「ずっと……? ええっ!? だって、あんたの装備は魔物には……効かないはずよね?」
たしかにその通りなのだが、ゴブゾウは別に俺の装備を身につけてなどいない。
だがしかし、ゴブゾウはアーサーの村を出る時からずっとあの能力値だった。
「これは、どうなってるべ?」
見事な着地を決めたゴブゾウは未だ信じられないといった様子で、自身の身体に目を向けていた。
『これは一体どういうことでしょうか! ゴブゾウ選手はただのゴブリンではなく、新種の蛙ゴブリンだったということなのでしょうか!』
思いがけないゴブゾウの活躍により、会場のボルテージは跳ねあがる。
「ちょっと! ちゃんとあちしにも分かるように説明しなさいよ!」
「ゴブゾウは俺の装備を身につけられないし、事実つけちゃいない」
「嘘おっしゃい! なら、あれは一体何なのよッ!」
ゴブゾウを指差すロキの眼が妖しく光っていた。神の鑑定でゴブゾウのステータスを看破しているのだろう。
名前 ゴブゾウ
年齢 5
種族 ゴブリン
性別 男
レベル 7
HP 18/18 → 270/270
MP 11/11 → 165/165
筋力 14 → 210
防御 14 → 210
魔防 8 → 120
敏捷 11 → 165
器用 6 → 90
知力 3 → 45
幸運 1 → 15
「あいつは不格好なアーサーの手作りペンダントを身につけているからな」
「……アーサー? ペンダント……?」
隣で伸びている少年に視線を落としたロキは、じっとアーサーの顔をみつめる。
「まさかッ――」
ロキは口許を押さえ、ある一つの可能性に思考を巡らせているのだろう。
神様の一番の信者には、その神の力の一部が与えられる。
これ即ち、神の恩恵。
あの村で唯一俺を祀り続けてきたペンドラゴン一族に、その唯一の生き残りであるアーサーに、神の恩恵が与えられるのは至極当然。
俺が信者に与える恩恵は当然、鍛冶師としての才――完璧な鍛冶師!
「つまり、あれは神ではなく、人の王が作り出した武具だ」
「でも、なんで……そうか!」
どうやらロキも気がついたようだ。
俺たち神の力は人を幸せにするためのものであり、魔を幸せにすることはない。
しかれども、魔物であるゴブゾウには俺の作った武具は扱えないが、人が作り出した武具ならば扱える。
もちろん、能力付与も与えられる。
アーサーが友好の証に差し出したペンダントには、全ステータス15倍のボーナスが付与されているのだ。
いくらミノタウロスが初期ステータスに優れた種族であったとしても、所詮は奴隷。レベルが低ければ意味がない。
「神様……? ――そうか! これは神様がオラに力をお与えになっているんだべ! 大天使ミカエルが言ってたべ、慈悲深き神様はオラたちにも慈悲の心をお与えになると!」
何かに気がついたゴブゾウが身体ごとこちらに向き直る。
「あの、ばか……」
『これは一体全体どういうことだ! ゴブゾウ選手が突然観客席に向かって跪いた! 自らの死を悟り、サタンに祈りを捧げているのでしょうか!」
「神様……ほんの少しでも神様を疑ってしまったオラを赦してほしいべ」
縋るような眼差しを向けてくるゴブゾウに、俺は鷹揚とうなずいた。
「赦す! だからさっさとやってしまえ!」
嬉しそうな顔のゴブゾウの背後では、恥をかかさたミノタウロスが憤怒に燃える。
「くたばれぇッ! ゴブリン風情がァッ!!」
『今度こそ終わりかゴブゾウ選手! ミノタロウ選手の戦斧が直撃ッ――――』
――がちっ!
『と、止めたああああああああああああああああああああああああああッ!!!!』
剛腕を持って振り抜かれた戦斧の刃を、ゴブゾウは素手で、片手で、指先だけで止めていた。
「「「「す、すげぇええええええええええええええええええええええッ」」」」
これには観客は大興奮。
どよめく会場が大きく揺れた。
特別席から観戦していた夜の妖精王も思わず尻を浮かす。
祈るように見守るジャンヌも、大きく目を見開いていた。
「なっ、何なのよあのゴブリンッ!?」
「ゴゴゴゴゴブゾウが怪力になったじょ!?」
「どっ、どどどうなってるだがぁッ!?」
クレアもゴブスケもゴブヘイも、驚愕に開いた口が塞がらない。
「オラをそこらへんにいる普通のゴブリンと同じにしてもらっては困るべ」
『ど、どういうことでしょうか!』
「オラはゴッドゴブリンッ! 神に愛されしゴブリンだべぇッ!!」
意味不明な発言に司会の少女も観客も鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。
「ゴッドゴブリンだと!? デタラメ吐かすなッ!」
ゴブゾウに掴まれた戦斧を力任せに引き抜こうとするミノタウロスだが、うんともすんとも言わない。
「ありえん!? こんなチビにッ、あって堪るかァッ!!」
そんなミノタウロスの願いも虚しく、彼は戦斧ごと宙に舞い上がる。ゴブゾウに投げ飛ばされたのだ。
「ウギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?」
『何ということでしょう! 前代未聞! 巨体を有するミノタウロスが小さく非力なはずのゴブリンに軽々と投げ飛ばされたぁああああああああああああ』
うおおおおおおおお――と白熱する観客たちの雄叫びがコロッセオに響き渡る。
『―――勝負あり!』
地面に激突したミノタウロスは完全に意識を失っていた。
コロッセオのジャンヌ杯、トーナメント一回戦をゴブゾウは難なく突破した。
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理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
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「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
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【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
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役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
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そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
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貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
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『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
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