考えて。見て。聴いて。

ゆきちゃん

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雨降り

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雨の香りが鼻をくすぐる。

透き通るような微かな香りが人を魅了する。

お気に入りの傘をさして、外を歩いてみると、道端に小さな紫陽花を見つけた。

淡い紫や、桃色の鮮やかな紫陽花が雨を浴びている、

花にのった雨の粒が宝石のように透明で、それでいて、何だか白々しい。

透明で汚れを知らないような姿でいるけれど、

きっと地球の排気ガスや汚いものが詰まっているのに違いないのだ。

それなのに、美しく。透明であろうというなりに

綺麗だと、思ってしまったのだ。

それから、雨が降った時はお気に入りの傘を持って、雨を見に来ていた。

小さなカエルが顔をだすところを偶然発見してしまったり、雨は私に外に出る機会を与えてくれたのだ。

紫陽花が好き。

いつから好きだったのかなんて、覚えていないけれど

小さな花が集まって、それでも美しくあろうという姿にいつのまに、

魅了されていたのかもしれない。

傘が雨を跳ね返して、微かに綺麗な音色ができる。

水たまりに映る世界ですら美しく見える。

虹がかかった空や、微かな花の香り。

それだけで、私の沈んでいた心は晴れるのだ。









もう一度言おう。







雨が好き。










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