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第五章
第十五話〜新年〜
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「新年、あけましておめでとう!」
気付けばもうこの言葉も過ぎた時期。いつにも増して実のある年だったと、我ながらにレナは思った。
いつもどおりに見えて、イベントが詰まった年だ。
たい焼きを買った帰りに、ヤエという少年と出会ったり、黒蛇のような大人の暗殺者と接触したり。任務がやけに楽しく思えたのは初めてだと思う。
先を見れば長く、後を見れば短い。時間なんてそんなものだろう。そこに感慨深いものがあればなお良し。
「今年で十二、か」
「あ? レナって早生まれなのか?」
意味深そうに呟いた言葉を、向かいでスマホを弄っていたリクが拾う。
何年も一緒にいる仲ではあるが、誕生日を祝うなんてことは一度もなかった。故に、誕生日をお互いに知らない。
「正確には分からないけど、グリムからは一月三十一日って聞いた」
誕生日に固執などしていなかったが、改めて思うと、本当にそうなのかと疑う。
孤児で、親の顔も知らない、拾われたレナの誕生日をなぜ知っているのだろうか。あるいは、勝手にグリムがその日を誕生日としたのか。だがそうなると、その日がなにかグリムにとって大切な日なのだろうか。
――余計な詮索はやめたほうがいいか。
深入りしそうだった思考を捨て、逆に問う。
「リクはいつが誕生日なんだ?」
「俺か? 5月9日······らしい」
曖昧に濁したリクの顔に陰が落ちる。どうやら何かあるようだ。
「そうか。······そう言えば、リクはいつまで冬休みなんだ?」
レナは気にしていないように別の話題を振る。
話が変わったからか、リクの表情にはもう陰が落ちていなかった。
「明後日までだな。三学期の準備しねぇといけねぇのか」
今思い出したらしく、リクはスマホで準備のリストを引っ張り出す。
リクは、暗殺者であるレナの弟子でありながらも、ただ力をつけるためだけに訓練をしているのであって、レナのように裏世界を生き抜くためではない。本職は学生だ。将来は裏世界に身を置かないだろう。
むしろ、レナはそっちを望んでいる。なにせ、裏世界にいていいことなど、無いからだ。まだ表世界で生きられる糸があるならば、それを迷わず手繰り寄せてもらいたい。
「必要なものがあるなら、グリムをパシるなりして買えばいい。あれは私たちの保護者なんだしな」
「そんな言い方するとグリムたぶん泣くぞ」
「冗談だよ」
だが、頼めば本当にやってくれるだろう。グリムはなんだかんだ言って、保護者の役割を暗殺者でありながらこなしている。きっと快く受けてくれる。
付き合いが長いと扱いも雑になってくるものだが、師匠であるグリムを嫌いになろうなどと、世界の最強になるよりも難しい。
「ちょっと今から買ってくる。あ、くれぐれもリミに言うんじゃねぇぞ」
立ち上がって、玄関先に向かおうとしたリクは、その数秒後、告げられた言葉で項垂れることとなる。
軽快な着信音がリクの携帯から発せられる。2コール目にしてリクは電話を取り、その内容を聞こうとした。だが、リク自ら携帯を取る必要はなく、スピーカーの状態で電話が勝手に取られた。
『リークー、みたらし団子もよろしく♪』
その声はリミだ。施設のハッキングをしていたであろうリミは、リクのスマホまでもハッキングして用件を伝えていた。
盗聴器でも仕掛けていたのだろうか。おそらく、まずリクのスマホに電話をして、電話をとるようハッキングしたのだろう。
簡易的な防止装置を施していたリクのスマホは、レナの作ったウイルスに負けたようだ。流したのはリミであるが。
ウイルスの乱用は些か見苦しいものなのだが、叱るのも面倒なので、レナは特に口出ししないようにした。リクの視線は感じるが、それも無視だ。
「行ってきます」
気分が落ちたらしいリクは家を出た。だが、嫌な気はしていないようだった。していたら、その時点で断っていただろう。
こちらもまたなんだかんだ言って優しいものだ。
「リミ、聞こえてる? みたらし団子って三本頼んだ?」
『もちろん! 三人で食べる予定だよ』
テレビからリミの声が聞こえる。ほとんどの電化製品をハッキングしているのだろうか。緊急事態に備えてならいいのだが、これを日常的に使われるのはなんだか釈然としない。
どっちも用意周到なことこの上ない。リミだけならともかく、三人分となると、リクも断る気は無いのだろう。
微笑ましく思いながらも、レナは席を立った。その足取りは軽い。上機嫌で鼻歌でも歌い出しそうだ。
キッチンで急須と茶葉をだし、茶を作る。団子といえば茶であろう。麦茶などではなく緑茶だ。和菓子を存分に引き立ててくれる。
ただの茶に気合を入れることは、恐らく和菓子以外にありえないだろう。生粋の和菓子好きであるために、その緑茶の腕が自然と比例して上がったのだろう。
「大和撫子の本気を見せてやろう」
などと、何か分からぬものに対抗しようとしているのは、見苦しいものだが、スルーが適切だろう。きっと脳内に最強の茶道部主将が描かれている。厨二病とは無縁だと思われそうだがやはり年頃なのは、苦笑を零すしかあるまい。
「んで、なにグリムは盗み見ているのかな」
「あ、バレた?」
ひょこっと、悪気もなく笑顔を貼り付けてグリムはレナに近寄る。
「苦笑してただろ。それは何に対してだ?」
一瞥をくれることなく看破したレナは、顔色を変えることなく茶を点てる。グリムが邪魔をしようと後ろから手を出してみるも、レナは集中力は並のものではなかった。
お椀を持ちながらグリムの手をすり抜けるように避けていく。その間ももちろん茶を点てる。隙のないものだ。
「抹茶に手を出したら殺すからな······?」
また、剣幕がすごいのも然り。
「年頃の女子がそんな言葉言うかねぇ」
茶を点てたお椀を置き、なにをするのやら、自室に戻るレナ。
その背中を目で追いつつ、グリムは過去の失態に結果論を出していた。
(抹茶でこんなに歪んだ人格になるとは······。人間はすごいものだな)
その思考も歪んでいるのは当たり前の範疇になっているのだろう。レナの思考の大半はグリムによる特訓で身につけられたものだが、二割ほど抹茶、或いは和菓子に囚われている。
逆にどう囚われるのかが疑問なのだが、当時から現在に至るまで、レナを惚れさせる魅力を持っているらしい。
「ただいまー。······げっ、グリム来てんのかよ」
「やぁやぁ、元気にしてたかい?」
「あぁ、元気だ、帰れ」
これまた嫌われたものだと、グリムは思う。リクの師匠はレナであるのだから別に好いてもらわなくてもいいのだが、保護者という立場からすれば、年中反抗期の対応は些か心にくる。
そんなグリムの繊細な心も知らず、リクはグリムをスルーし、リミの部屋を尋ねて言った。
「よし、リミ。やれ」
(どの″やれ″だろうか)
疑問を張り巡らせるも、その時間を貰えなかった。
「とぅりゃっ!」
快活な掛け声とともに、リミの開け放たれた扉の奥から机やら椅子やらが飛び出てくる。
それは与えられた力の向きにより、どれも外へと放り出されていった。
「窓、開けといてよかったなぁ」
レナが自室から帰ってきたのか、他人事のように呟いてキッチンに戻る。無論、その最中も外に物は放り出されているのだが、どれも躱していた。
「あれ、戻ってきたの」
もう戻ってこないと思ったのか、グリムはなにやら客観的な声音で呟く。
その雰囲気は、レナからしてみれば引っかかるものがあった。ただ、ごく僅か、気にするのもやめる程度。
保護者といえど、所詮は他人であって、踏みいらぬべき場所があるのだろう。なんとなく、勘違いで済ませた。
「さて、お茶会を始めようか」
キッチンから四つのお椀とみたらし団子四本を一つの皿に盛り付け、それらを乗せたトレーを外に運ぶ。
外に出てみれば、江戸時代風茶屋(外)が出来上がっていた。
長椅子に紅蓮の布が敷かれ、それが雪の中には映えていた。
「この四人でまた、一年を過ごすとしよう」
その後、仲睦まじい声が辺りに響き渡った。
――同時刻。
闇の中、形となりつつあるものがあった。
気付けばもうこの言葉も過ぎた時期。いつにも増して実のある年だったと、我ながらにレナは思った。
いつもどおりに見えて、イベントが詰まった年だ。
たい焼きを買った帰りに、ヤエという少年と出会ったり、黒蛇のような大人の暗殺者と接触したり。任務がやけに楽しく思えたのは初めてだと思う。
先を見れば長く、後を見れば短い。時間なんてそんなものだろう。そこに感慨深いものがあればなお良し。
「今年で十二、か」
「あ? レナって早生まれなのか?」
意味深そうに呟いた言葉を、向かいでスマホを弄っていたリクが拾う。
何年も一緒にいる仲ではあるが、誕生日を祝うなんてことは一度もなかった。故に、誕生日をお互いに知らない。
「正確には分からないけど、グリムからは一月三十一日って聞いた」
誕生日に固執などしていなかったが、改めて思うと、本当にそうなのかと疑う。
孤児で、親の顔も知らない、拾われたレナの誕生日をなぜ知っているのだろうか。あるいは、勝手にグリムがその日を誕生日としたのか。だがそうなると、その日がなにかグリムにとって大切な日なのだろうか。
――余計な詮索はやめたほうがいいか。
深入りしそうだった思考を捨て、逆に問う。
「リクはいつが誕生日なんだ?」
「俺か? 5月9日······らしい」
曖昧に濁したリクの顔に陰が落ちる。どうやら何かあるようだ。
「そうか。······そう言えば、リクはいつまで冬休みなんだ?」
レナは気にしていないように別の話題を振る。
話が変わったからか、リクの表情にはもう陰が落ちていなかった。
「明後日までだな。三学期の準備しねぇといけねぇのか」
今思い出したらしく、リクはスマホで準備のリストを引っ張り出す。
リクは、暗殺者であるレナの弟子でありながらも、ただ力をつけるためだけに訓練をしているのであって、レナのように裏世界を生き抜くためではない。本職は学生だ。将来は裏世界に身を置かないだろう。
むしろ、レナはそっちを望んでいる。なにせ、裏世界にいていいことなど、無いからだ。まだ表世界で生きられる糸があるならば、それを迷わず手繰り寄せてもらいたい。
「必要なものがあるなら、グリムをパシるなりして買えばいい。あれは私たちの保護者なんだしな」
「そんな言い方するとグリムたぶん泣くぞ」
「冗談だよ」
だが、頼めば本当にやってくれるだろう。グリムはなんだかんだ言って、保護者の役割を暗殺者でありながらこなしている。きっと快く受けてくれる。
付き合いが長いと扱いも雑になってくるものだが、師匠であるグリムを嫌いになろうなどと、世界の最強になるよりも難しい。
「ちょっと今から買ってくる。あ、くれぐれもリミに言うんじゃねぇぞ」
立ち上がって、玄関先に向かおうとしたリクは、その数秒後、告げられた言葉で項垂れることとなる。
軽快な着信音がリクの携帯から発せられる。2コール目にしてリクは電話を取り、その内容を聞こうとした。だが、リク自ら携帯を取る必要はなく、スピーカーの状態で電話が勝手に取られた。
『リークー、みたらし団子もよろしく♪』
その声はリミだ。施設のハッキングをしていたであろうリミは、リクのスマホまでもハッキングして用件を伝えていた。
盗聴器でも仕掛けていたのだろうか。おそらく、まずリクのスマホに電話をして、電話をとるようハッキングしたのだろう。
簡易的な防止装置を施していたリクのスマホは、レナの作ったウイルスに負けたようだ。流したのはリミであるが。
ウイルスの乱用は些か見苦しいものなのだが、叱るのも面倒なので、レナは特に口出ししないようにした。リクの視線は感じるが、それも無視だ。
「行ってきます」
気分が落ちたらしいリクは家を出た。だが、嫌な気はしていないようだった。していたら、その時点で断っていただろう。
こちらもまたなんだかんだ言って優しいものだ。
「リミ、聞こえてる? みたらし団子って三本頼んだ?」
『もちろん! 三人で食べる予定だよ』
テレビからリミの声が聞こえる。ほとんどの電化製品をハッキングしているのだろうか。緊急事態に備えてならいいのだが、これを日常的に使われるのはなんだか釈然としない。
どっちも用意周到なことこの上ない。リミだけならともかく、三人分となると、リクも断る気は無いのだろう。
微笑ましく思いながらも、レナは席を立った。その足取りは軽い。上機嫌で鼻歌でも歌い出しそうだ。
キッチンで急須と茶葉をだし、茶を作る。団子といえば茶であろう。麦茶などではなく緑茶だ。和菓子を存分に引き立ててくれる。
ただの茶に気合を入れることは、恐らく和菓子以外にありえないだろう。生粋の和菓子好きであるために、その緑茶の腕が自然と比例して上がったのだろう。
「大和撫子の本気を見せてやろう」
などと、何か分からぬものに対抗しようとしているのは、見苦しいものだが、スルーが適切だろう。きっと脳内に最強の茶道部主将が描かれている。厨二病とは無縁だと思われそうだがやはり年頃なのは、苦笑を零すしかあるまい。
「んで、なにグリムは盗み見ているのかな」
「あ、バレた?」
ひょこっと、悪気もなく笑顔を貼り付けてグリムはレナに近寄る。
「苦笑してただろ。それは何に対してだ?」
一瞥をくれることなく看破したレナは、顔色を変えることなく茶を点てる。グリムが邪魔をしようと後ろから手を出してみるも、レナは集中力は並のものではなかった。
お椀を持ちながらグリムの手をすり抜けるように避けていく。その間ももちろん茶を点てる。隙のないものだ。
「抹茶に手を出したら殺すからな······?」
また、剣幕がすごいのも然り。
「年頃の女子がそんな言葉言うかねぇ」
茶を点てたお椀を置き、なにをするのやら、自室に戻るレナ。
その背中を目で追いつつ、グリムは過去の失態に結果論を出していた。
(抹茶でこんなに歪んだ人格になるとは······。人間はすごいものだな)
その思考も歪んでいるのは当たり前の範疇になっているのだろう。レナの思考の大半はグリムによる特訓で身につけられたものだが、二割ほど抹茶、或いは和菓子に囚われている。
逆にどう囚われるのかが疑問なのだが、当時から現在に至るまで、レナを惚れさせる魅力を持っているらしい。
「ただいまー。······げっ、グリム来てんのかよ」
「やぁやぁ、元気にしてたかい?」
「あぁ、元気だ、帰れ」
これまた嫌われたものだと、グリムは思う。リクの師匠はレナであるのだから別に好いてもらわなくてもいいのだが、保護者という立場からすれば、年中反抗期の対応は些か心にくる。
そんなグリムの繊細な心も知らず、リクはグリムをスルーし、リミの部屋を尋ねて言った。
「よし、リミ。やれ」
(どの″やれ″だろうか)
疑問を張り巡らせるも、その時間を貰えなかった。
「とぅりゃっ!」
快活な掛け声とともに、リミの開け放たれた扉の奥から机やら椅子やらが飛び出てくる。
それは与えられた力の向きにより、どれも外へと放り出されていった。
「窓、開けといてよかったなぁ」
レナが自室から帰ってきたのか、他人事のように呟いてキッチンに戻る。無論、その最中も外に物は放り出されているのだが、どれも躱していた。
「あれ、戻ってきたの」
もう戻ってこないと思ったのか、グリムはなにやら客観的な声音で呟く。
その雰囲気は、レナからしてみれば引っかかるものがあった。ただ、ごく僅か、気にするのもやめる程度。
保護者といえど、所詮は他人であって、踏みいらぬべき場所があるのだろう。なんとなく、勘違いで済ませた。
「さて、お茶会を始めようか」
キッチンから四つのお椀とみたらし団子四本を一つの皿に盛り付け、それらを乗せたトレーを外に運ぶ。
外に出てみれば、江戸時代風茶屋(外)が出来上がっていた。
長椅子に紅蓮の布が敷かれ、それが雪の中には映えていた。
「この四人でまた、一年を過ごすとしよう」
その後、仲睦まじい声が辺りに響き渡った。
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