財団 -飛んだ世界で財団結成-

紅凜

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財団サイト

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背中に強い衝撃が加わり、痛みと共に目を覚ます。
「痛っ…」
私は体を起こし、髪を掻き上げると一つ舌打ちをする。
辺りは静寂に包まれ、私と九条以外誰もいない。
周りには工事で使うような重機が放置され、更には侵入できないように柵が張り巡らされている。
そして一際目を引く,一瞬で設置されたとは思えない量の土や岩。
どれも一瞬で設置されたとは思えない物ばかりだが、この場所は少し特殊なため理由には察しがつく。
SCP-1437。通称、「ここではないどこかに続く穴」。
この穴は並行世界に繋がると考えられており、今まで並行世界の財団が送り込んだと思われるDクラス職員や、SCP-1437を埋めようして投入した土などが飛び出てきた事がある。
しかし、SCP-1437にはもう一つ異常性がある。
SCP-1437を通過した生物は、その異常性により生命活動を停止する。
そう、死亡してしまうのだ。
しかし、私達は生きている。
...何故だろう。
私達が穴に入ってしまったのは襲撃者が原因だろう。
吹き飛んだのは現実改変によって風を起こしたか、直接九条を宙に浮かし投げた。
私もそういう攻撃が可能だとは知っている。
しかし、わざわざ現実改変を使って生き返らせるとは思えない。
状況を確認しながら九条に近づき、息を確認する。
息はある。大丈夫だ。
何度か呼びかけると九条は目を覚ました。
意識もはっきりしている。
体に異変が無い事を確認すると今度は所持品を確認する。
しかしそこでいくつかの物が消えている事に気が付いた。
「拳銃が無い...」
消えた物は主にボールペン等だったが機動部隊として1人一丁ずつ配られている拳銃が消えている。
「どうする?とりあえずこの世界の財団に接触するか?」
SCP-1437を通ってきたと言う事はここは並行世界のはずだ。九条の言う通り、下手に動き回るよりもこちらの財団に話を付ける方が早いだろう。
「うん。一番近いサイトはすぐそこだし、サイトに向かいながら財団データベースにアクセスしてみる?」
「ああ。」
九条に言った通りスマホを取り出し、財団データベースにアクセスする。
しかしそれを見て普段とは違う事に気が付く。
「セキュリティクリアランスが上がってる...?」
私は今まで緑の線が二つに黄色の線が一つの”high”だった筈だ。
しかし、何故かそれにオレンジの線が一本と赤の線が一本追加され、”guru”になっている。
言ってしまえば3から5になっているのだ。
意味が分からないがクリアランスレベルは高い方がアクセスできる量が増えるし。
有り難いとでも思っておこう。
その後にも何か変化が無いかを確認しながら歩いていたが、私達はようやく目的のサイトに辿り着いた。
──しかし。
「……は?」
到着した建物の入り口に書いてあった名前は─世界オカルト協会─。
そう。敵対組織の名前が入った建物だった。
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みんなの感想(1件)

浮島龍美
2023.03.23 浮島龍美

SCP財団の物語面白かったです!
私の小説にもSCP財団を土台にした財団が登場します。

こちらが私の小説です。良かったら、感想もお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/196305501/697734411

紅凜
2023.03.23 紅凜

有り難う御座います!頑張って話を進めていきたいと思いますのでよろしくお願い致します!

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