特技は有効利用しよう。

他人事であれ(願望)

あんだって？(耳はまだ遠くない)

義妹よ。
お前が茶会だー観劇だーパーティーだーって遊び歩くたんびに新調しやがるドレスや宝飾品の代金、どれだけかかってると思ってんだ!?
しかも、『無駄遣いしすぎだ！』って父に一喝されてから、お前……不愉快な仲間にタカってるよな？
タウンハウスの家宰が頭抱えながら報告してきたぞ。
挙げ句の果てに、こんな茶番劇開催しやがって……。

お前、いったいナニがしたいの？
ついでにその不愉快な仲間達の中の、誰が本命なの？

母御義理の母ですら、あの子はもう我が子では……などと言い出してる事だし。
アレ義妹とは縁切りって方向で、いいのかな？



そして今現在。
義妹の取り巻きな、ボンクラ王子と不愉快な仲間達は。
よってタカって１人のご令嬢にケンカ売ってる。
無いこと無いこと並べ立て。

「これ等の事を踏まえて、お前はこのボクに相応しくないと判断した！」

ボンクラ王子が何か叫んでいる。

誰が誰に相応しくないだって？

確かにボンクラ王子にあのご令嬢はもったいないよな？

社交界の華とうたわれるオリヴィア・ケーリッシュ公爵令嬢は、その美貌と才気で王の覚えもめでたい方だってのに。
ここ最近は、ボンクラ王子のやらかした諸々の後始末に忙しいって話だけど……。
本当に、本っ当にご苦労様です。



喚き散らすボンクラ王子を前に、ケーリッシュ嬢は、ため息を一つ。

その様すら美しいわ。
見とれる周囲の方々が、ケーリッシュ嬢に釣られてため息を漏らしてる。

……。
正直、なんでこの方よりもあの・・義妹の方を選んだんた？
無いわー。
ボンクラ王子、無いわー。




と。
まぁ完全に他人事として、阿呆な茶番劇を呆れきった目で眺めていたんだが。

義妹が、キョロキョロソワソワしてる。
と、思ったら、義妹のヤツ。
私を見つけて、にやぁ……、と笑い、ほざきやがった。

「毎日ツラいんです。ワタシ、公式の場ではケーリッシュ嬢に苛められ、家ではお姉さまに虐げられ……。ワタシ、何も悪いコトなんかしてないのに！」

お前の思考パターンが悪いわ。
っつーか、オカシいわ。