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とにかく、スルーで。
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お坊ちゃんは、見たカンジ12~13歳くらいか。
ムダに育ちは良さそーだ。
なんつーの?
良いモン食って育ちました。
受けられる恩恵は全部受けて、甘やかされて育ちました、的な。
こげ茶の髪に青い目の、ついでに生っちろい肌のお子ちゃまだ。
護衛というか、お付きというか、世話係というか……そんなヤツらが5人。
お坊ちゃんのすぐ後ろに、妙に張りつめたカンジのジーさんと、力こそすべて! みたいな脳筋っぽいおっさん。
更にその後ろには、なんだか今イチやる気無さげな20代前半の兄ちゃんが3人……。
なんだコイツら、何しに来たん?
まあ、ね?
俺らにゃ関係無いよな?
さっさと昨日の続きを始めよーぜ。
なぁ? ミヤさんや。
「そう……だね。やるべき事を、ちゃんと済ませなきゃ……ね」
そう。
雑事は済ませて、俺らは帰るんだよ。
邪魔はさせないぞ。
とりあえず。
各自、遮音結界発動しろ。
銀竜には俺が掛ける。
「おー」
「了解」
「分かったわ~」
「御意」
…………。
ふむ。
良し。
んじゃ、リーランさん。
ギルド長の所に行きましょーか。
《壺中天(笑)》から出てきたと思ったら、いきなり結界発動した俺ら。
そんな俺らに、リーランさんはじめ、ギルド員達は目をシロクロさせていた。
が。
皆さんナニかを察してくれたよーで。
お坊ちゃん達から遠ざけるよーにして、地下訓練場から出してくれた。
……なんかお坊ちゃんが喚いてるっぽいけど、知らんなぁ?
俺には、俺らには関係無い話だ。
毎度お馴染み、ギルド長の部屋。
すでに猫科親子はスタンバってた。
昨日と同じよーに座って、話を始める。
今日の話は長くなりそーだからって、記録用の魔法具も多めに用意した、とさ。
……いや、そんなに長くならないと思うんだけど。
だって、俺らがやったコトってさ。
俺らに群がってくる肉人形とか謎生物、ついでに人獣どもを殲滅した後、跡形も無く処理。
あと、なんか湧いて出たガランの厄ネタの一つ。
色ボケウサギが更にヤバくなって、再登場したくらいか。
……ほら、リッカさん持ってった、誘拐婚の村の連中そそのかした……。
「「あーっ!」」
スズとリッカさん、2人揃って叫んだ。
「なんだよ! ジェイは変態のトコに、ナニを持ってってんだよ!」
「……あのウサギの人、とんでもない病原体になってたんじゃ……。2人とも、なんともない? 大丈夫なの?」
スズはジェイにいきどおり、俺らはリッカさんに心配された。
あー……ダイジョブダイジョブ。
あのウサギ、皮の下はものスゴいコトになってたけどさ。
粘膜感染ってトコだけ変わってなかったし。
手や武器を、一切あのウサギに触れさせる事無く始末したから。
髪や骨はおろか、細胞のひとっカケラも残さずに、キレイさっぱり焼却処分しといたからさ。
その場にいた、俺とミヤさん以外の連中が、えー……って顔してるけどさ。
実は一つだけ後悔してる。
そう言うと、ミヤさんが、あぁ……とナニか納得してた。
「ちょっとキレイに片付け過ぎたってことかな。……物証が足りなかったかな?」
「……ちょっとやり過ぎたカモですね」
「……いや、でもさ」
ミヤさんは、ちょっと考えてから言った。
「そのまま放置っていうのもね……。ただの地獄絵図でしょ、アレ。片付けてなかったら、あの玄関ホールは血と肉片と臓物が飛び散る、そしてあふれ返った悪夢以外のナニモノでもない場と化していたし。……ラクナのギルド員達のトラウマになっただけ、じゃないかな」
うっかり想像しちゃたらしく、スズとリッカさんの顔色がめっちゃ悪くなってた。
現場に居たジェイも、思い出したのか青い顔してる。
……まだざっくりとしか、話して無いのにな。
報告書として書面に残すっていうんなら、詳しく話さなきゃならないだろ。
これから具体的に、微に入り細に入り話すんだけど……。
ついでに変態錬金術師についても。
なあ、スズ、リッカさん。
耐えられそーか?
「……ちょっとムリかも……。あ、でもあの変態錬金術師の話は聞きたい……」
リッカさんも銀竜も、うんうん頷いている。
スズとリッカさんの顔色が悪いのは、まあしょーがねぇわな。
「じゃ、こうしましょ」
ギルド長が、ポン、と手を打って言った。
「スズ君とリッカちゃん、血にまみれた話が終わったら呼んであげるから、隣りの部屋でちょっと休んでなさいな。本当に、顔色悪いわよ」
お前らサメ狩りの時は平気だったのにな。
「デカいだけの魚と、一応人のカタチしたモンを同列に並べるなよ……」
スズにそう言われた。
えー。
ヤる事は同じじゃねぇ?
ムダに育ちは良さそーだ。
なんつーの?
良いモン食って育ちました。
受けられる恩恵は全部受けて、甘やかされて育ちました、的な。
こげ茶の髪に青い目の、ついでに生っちろい肌のお子ちゃまだ。
護衛というか、お付きというか、世話係というか……そんなヤツらが5人。
お坊ちゃんのすぐ後ろに、妙に張りつめたカンジのジーさんと、力こそすべて! みたいな脳筋っぽいおっさん。
更にその後ろには、なんだか今イチやる気無さげな20代前半の兄ちゃんが3人……。
なんだコイツら、何しに来たん?
まあ、ね?
俺らにゃ関係無いよな?
さっさと昨日の続きを始めよーぜ。
なぁ? ミヤさんや。
「そう……だね。やるべき事を、ちゃんと済ませなきゃ……ね」
そう。
雑事は済ませて、俺らは帰るんだよ。
邪魔はさせないぞ。
とりあえず。
各自、遮音結界発動しろ。
銀竜には俺が掛ける。
「おー」
「了解」
「分かったわ~」
「御意」
…………。
ふむ。
良し。
んじゃ、リーランさん。
ギルド長の所に行きましょーか。
《壺中天(笑)》から出てきたと思ったら、いきなり結界発動した俺ら。
そんな俺らに、リーランさんはじめ、ギルド員達は目をシロクロさせていた。
が。
皆さんナニかを察してくれたよーで。
お坊ちゃん達から遠ざけるよーにして、地下訓練場から出してくれた。
……なんかお坊ちゃんが喚いてるっぽいけど、知らんなぁ?
俺には、俺らには関係無い話だ。
毎度お馴染み、ギルド長の部屋。
すでに猫科親子はスタンバってた。
昨日と同じよーに座って、話を始める。
今日の話は長くなりそーだからって、記録用の魔法具も多めに用意した、とさ。
……いや、そんなに長くならないと思うんだけど。
だって、俺らがやったコトってさ。
俺らに群がってくる肉人形とか謎生物、ついでに人獣どもを殲滅した後、跡形も無く処理。
あと、なんか湧いて出たガランの厄ネタの一つ。
色ボケウサギが更にヤバくなって、再登場したくらいか。
……ほら、リッカさん持ってった、誘拐婚の村の連中そそのかした……。
「「あーっ!」」
スズとリッカさん、2人揃って叫んだ。
「なんだよ! ジェイは変態のトコに、ナニを持ってってんだよ!」
「……あのウサギの人、とんでもない病原体になってたんじゃ……。2人とも、なんともない? 大丈夫なの?」
スズはジェイにいきどおり、俺らはリッカさんに心配された。
あー……ダイジョブダイジョブ。
あのウサギ、皮の下はものスゴいコトになってたけどさ。
粘膜感染ってトコだけ変わってなかったし。
手や武器を、一切あのウサギに触れさせる事無く始末したから。
髪や骨はおろか、細胞のひとっカケラも残さずに、キレイさっぱり焼却処分しといたからさ。
その場にいた、俺とミヤさん以外の連中が、えー……って顔してるけどさ。
実は一つだけ後悔してる。
そう言うと、ミヤさんが、あぁ……とナニか納得してた。
「ちょっとキレイに片付け過ぎたってことかな。……物証が足りなかったかな?」
「……ちょっとやり過ぎたカモですね」
「……いや、でもさ」
ミヤさんは、ちょっと考えてから言った。
「そのまま放置っていうのもね……。ただの地獄絵図でしょ、アレ。片付けてなかったら、あの玄関ホールは血と肉片と臓物が飛び散る、そしてあふれ返った悪夢以外のナニモノでもない場と化していたし。……ラクナのギルド員達のトラウマになっただけ、じゃないかな」
うっかり想像しちゃたらしく、スズとリッカさんの顔色がめっちゃ悪くなってた。
現場に居たジェイも、思い出したのか青い顔してる。
……まだざっくりとしか、話して無いのにな。
報告書として書面に残すっていうんなら、詳しく話さなきゃならないだろ。
これから具体的に、微に入り細に入り話すんだけど……。
ついでに変態錬金術師についても。
なあ、スズ、リッカさん。
耐えられそーか?
「……ちょっとムリかも……。あ、でもあの変態錬金術師の話は聞きたい……」
リッカさんも銀竜も、うんうん頷いている。
スズとリッカさんの顔色が悪いのは、まあしょーがねぇわな。
「じゃ、こうしましょ」
ギルド長が、ポン、と手を打って言った。
「スズ君とリッカちゃん、血にまみれた話が終わったら呼んであげるから、隣りの部屋でちょっと休んでなさいな。本当に、顔色悪いわよ」
お前らサメ狩りの時は平気だったのにな。
「デカいだけの魚と、一応人のカタチしたモンを同列に並べるなよ……」
スズにそう言われた。
えー。
ヤる事は同じじゃねぇ?
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