目標:撤収

庭にハニワ

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説教タイム、最中。

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なし崩し的に始まった、vs. 目が節穴の連中。
とりあえず、1人使い物にならなくなったところでギルド長に質問。
まあ、今更だけどな。

「ギルド長、対戦方法と勝利条件、どーします? 1人終了~、でいーですかね?」

このまま俺が全員〆てもいいんだが。
銀竜にも1人くらいは……な。

「そうね……。あなたがぬるぬると逃げまくったおっさんは、疲れ果てて戦闘不能、ってことでいいのかしら?」

ギルド長、わざとらしくガキに聞く。
冷静な判断を下せる大人じゃなくて、頭に血がのぼってるガキに聞くあたり、ギルド長も良い性格してるよな。
と、思った瞬間、ギルド長から強い視線が飛んできた。
ホメてるんですよ?



「冗談じゃないぞ! まだ戦ってもいないじゃないか! ランス! お前、休めば行けるよな!」
「そうですね。ランスならば休憩を取って……そして侮ったりしなければ、少女の1人や2人、簡単にやっつけられるハズでございます」
「……お、う?」

冷静な大人は居なかった。
おっさんは、微妙にやる気が失せているっぽいけど、ガキとジーさんが滾っていた。

あー……。
じゃ、ガキかジーさん、どっちかが時間稼ぎに出てくるってコトでいーのか?

この場を仕切ってるギルド長に視線を向けると。

「ん~……。じゃ、仕切り直しで。お坊ちゃん達は3人。こちらも3人。お坊ちゃん達が勝てば、すべてお望み通りにしましょ。負けたら……それなりのコトはしてもらうわよ。それで、1対1で、相手が降参するまで……え? 足りないの? 仕方ないわねぇ。じゃ、戦闘不能になるまで、ね。殺すのは無しで。後始末が面倒だものね。……それでいいかしら?」
「ちょっと待ったーっ!」

ガキが大声で叫んだ。

「何でボクまで戦わなきゃならないんだ! そんなことは……」

……まあ、なんかごちゃごちゃ言ってたが、よーするに。
戦闘なんて危ないことは、使用人がやるべき事であって、主人たるモノがやる事ではない、とかナンとか……。
まあ、お貴族サマ的には、そーゆーのが正しい姿、なんだろーが。

俺、貴族じゃねーし。
お前はムカつくから〆る。
年下だって関係無いねっ!



しばしの休憩タイムの後。
始めにミヤさんvs. おっさん。
次に銀竜vs. ジーさん。
で、最後に俺とガキが対戦することになった。
ガキとジーさんが、なんかごちゃごちゃ言ってたけど、知らん。
ってゆーか、さっきまで息も絶え絶えだったおっさんをトップに持ってくるあたり、ナニげにヒデーな、おい。
勝ち抜き戦でもいいぞ、って言ったんだが。
それはイヤだったよーだ。

おっさんは、治癒やら回復やら付与魔法やら何やら、山のよーにジーさんにかけてもらって──ジーさん、魔法使いか──よし、とばかりに前に出てきた。
それに対してミヤさんは。
本っ当に面倒くさそーに。

「……死なない程度に瞬殺、で、いいかなぁ……」

そんなことを言いながら、前に出た。
ミヤさんを見たおっさんは、妙にイラっとしたよーだ。

「こんな色男が居ていいのかよ……」

けっ……と、やさぐれていた。



第1戦は。
ミヤさんの言った通り、一瞬で終わった。
突っ込んでいって逃げまくられるのを警戒したのか、おっさんはミヤさんの様子を伺いながら、ジリジリと右周りで近づいていった。
ミヤさんは、ため息ひとつ。

「僕はコウじゃないんだけどね……?」

そう言うと、ゆらり、とミヤさんの姿が揺らぎ。
瞬間、おっさんの目の前から姿を消したミヤさんは。

「……がっ」

おっさんの背後に立ち、その延髄のあたりに一撃。
いいカンジに脳を揺らされ、おっさんは失神した。

終~了~。

実にあっさりだった。

意識の無いおっさんは、速やかにその場からどかされて、ガキはワメき散らしている。
ジーさんは何か言いたそーだったが。
……次は自分の出番だからな。
ぶっちゃけそれどころじゃないんだろ。

ガキはワメき続けている。
よくもまあ、そこまでキャンキャン吠え続けられるモンだ。

そんなガキはスルーして。
第2戦。
銀竜vs. ジーさん、が始まった。

元影働きvs. 魔法使い(多分)。
開始早々、ジーさんは短い棒状のモノを銀竜に向けると、長々と詠唱を始めた。
銀竜は軽く首を傾げ、片刃剣を構えた。

「銀竜『殺すなよ』」
「……分かっております『はい』」

服音声が物騒だが気にするな。

その間も、ジーさんの詠唱は続く。
……長ぇな。
なぁ、もういいんじゃね?

銀竜は、ジーさんの詠唱が終わるまで待っていた。
ジーさんが誇らしげに、声高らかに最後の呪文を唱え終えると、自信満々に杖(多分)を銀竜に向けた。
杖(多分)の先端が、ポッと光り。
その光が大きくなっていって……。
杖の先からビーム出た。
が、銀竜はそのビームをするり、と避けると。
一気にジーさんとの距離を詰めて。

「そこまで、です」

片刃剣を、ジーさんの喉に突きつけていた。
ご丁寧に、刃の部分を。
……殺意満載じゃね?








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