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ハーレム勇者って…。
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夜遅くにボロボロになって銀竜が戻って来た。
翌朝。
銀竜は思いっきり爆睡中。
ギルド側に朝イチで来い、と言われてたからな~…。
行くか。
ちゃちゃっと朝メシ食って、《壺中天(笑)》の外側から4人掛かりで結界を──防御・遮音・反射・認識障害──1人一つずつ展開した。
俺らが戻るまで誰にも見られず見つからず…なんかどっかの妖怪の家みたいだな、おい。
ギルドにて。
昨日精算していなかったギルド上層部の、酒の実採取の依頼料をきっちりと頂いて──。
せめて中級に上がらないか?というギルド側からの要請、というお願いを、のらりくらりとかわしていたら。
「…あれ?リッカさんは?」
「コウ…女には女の都合があるんだよ」
あー。
あまり追求はしない方向で。
…でも今は状況的に1人での行動は、ちょっとマズいかも知れないので。
「ちょっと見てきますね~」
「あ、オレも~」
スズと2人して、フロアに向かった。
一足遅かった。
フロアではちょっとした騒ぎが起きていた…。
騒ぎの見物人の中に潜り込んで、中心部を覗いてみると。
「リッカさん──」
スズがヤベって顔でポロッとこぼした。
黒髪黒目のそこそこイケメンが、リッカさんを口説いて…と言うよりも、何か大声で喚いていた。
隣には尼さん──方向的に、キリスト教っぽいかな──の格好した女がピッタリと張り付き、その2人の背後には5人の女が──。
あー。あれが…。
「ハーレム勇者に見つかったか~」
ぶっちゃけ、ミヤさんと比べる方が間違ってる…てなレベルだな。あの程度で勇者って…。
この世界のイケメンとか美人とか、微妙に残念だな。
しかしさぁ…。
なんでこの時間帯にいるの?
昨日聞いた話じゃ、ハーレム勇者の活動時間はお昼過ぎから。
間違っても、午前中はギルドに来ないハズじゃ?
「子供先生が来てんだよ」
えー。
何しに?
振り向くと、昨日賭けを引き継いだ傭兵部の人がいた。
で、のじゃロリババアが何だって?
「昨日のお前さんらへのチョッカイがきっかけで、今まで溜まりに溜まってたロクでもない学園生や子供先生のやらかしへの不満が、とうとう爆発してな~。朝イチからの支部長の説教だ。一応、仮にも護衛って名目で、自称勇者どもも付いて来やがった。…ってゆーか、子供先生がムリヤリ連れてきた。1人じゃコワい、とかなんとかホザいてな。200歳超えのババアが何抜かしてやがんだか」
あー。
そんでリッカさんがうっかり、ハーレム勇者の目にとまっちゃった、と。
「コウ…コウ……リッカさんが怒ってるよ」
スズが焦って言った。
ヤバい、かも?
「スズ…ミヤさん呼んでこい」
「おぅ…お前は?」
「なんとかする」
しかね~だろーなコレ…。
スズが絶賛オハナシ中のミヤさんと狩猟部長の所へ向かった。
俺がリッカさんのところに行こうとするのを、周囲のおっさんどもが。
「なんだよ。嬢ちゃんがケガでもするっての?」
「さすがに手は出さねーだろ?女には優しいって言い張ってるからな~」
「いや、周りの女どもはどうよ?」
「仲間が増えるって、喜ばしく見てんじゃね?」
「いや、自称聖女サマ(笑)はどーよ?」
やいのやいの言っている。
お前ら、また賭けてんな?
「…リッカさんがヤバい。主に、魔法的にブチ切れる方向で」
へ?
昨日の傭兵部のおっさんが。
「嬢ちゃんがやらかすってのか?」
「…あの人、宿の部屋にデカいクモが出たっつって町中の宿だってのに、火属性魔法のデカいヤツぶっ放そーとしたんだよ…」
止めたけど。
物理的に。
一瞬、周囲のざわめきが止まった。
正直、ハーレム勇者なんかどーでもいいんだが、なんとなくヤバい。
「ってぇことで、止めに行く」
むしろリッカさんを。
人混みをすり抜けて、なんとか声が聞こえる最前列近くまで行くと、ハーレム勇者のタワゴトが聞こえてきた。
「このぼくが、勇者たるぼくが、一緒に来い、と誘ってあげているんだよ?それなのに、さっきから何なのかなその態度は。本当ならばキミの方から、どうぞお側に置いて下さい、と、頭を地にこすりつけてお願いしてくるべき所を、わざわざこのぼくの方から直々にキミの元へ来てあげたんだよ?ありがたいとは思わないのかい?」
やっべ。
バカがいる。
翌朝。
銀竜は思いっきり爆睡中。
ギルド側に朝イチで来い、と言われてたからな~…。
行くか。
ちゃちゃっと朝メシ食って、《壺中天(笑)》の外側から4人掛かりで結界を──防御・遮音・反射・認識障害──1人一つずつ展開した。
俺らが戻るまで誰にも見られず見つからず…なんかどっかの妖怪の家みたいだな、おい。
ギルドにて。
昨日精算していなかったギルド上層部の、酒の実採取の依頼料をきっちりと頂いて──。
せめて中級に上がらないか?というギルド側からの要請、というお願いを、のらりくらりとかわしていたら。
「…あれ?リッカさんは?」
「コウ…女には女の都合があるんだよ」
あー。
あまり追求はしない方向で。
…でも今は状況的に1人での行動は、ちょっとマズいかも知れないので。
「ちょっと見てきますね~」
「あ、オレも~」
スズと2人して、フロアに向かった。
一足遅かった。
フロアではちょっとした騒ぎが起きていた…。
騒ぎの見物人の中に潜り込んで、中心部を覗いてみると。
「リッカさん──」
スズがヤベって顔でポロッとこぼした。
黒髪黒目のそこそこイケメンが、リッカさんを口説いて…と言うよりも、何か大声で喚いていた。
隣には尼さん──方向的に、キリスト教っぽいかな──の格好した女がピッタリと張り付き、その2人の背後には5人の女が──。
あー。あれが…。
「ハーレム勇者に見つかったか~」
ぶっちゃけ、ミヤさんと比べる方が間違ってる…てなレベルだな。あの程度で勇者って…。
この世界のイケメンとか美人とか、微妙に残念だな。
しかしさぁ…。
なんでこの時間帯にいるの?
昨日聞いた話じゃ、ハーレム勇者の活動時間はお昼過ぎから。
間違っても、午前中はギルドに来ないハズじゃ?
「子供先生が来てんだよ」
えー。
何しに?
振り向くと、昨日賭けを引き継いだ傭兵部の人がいた。
で、のじゃロリババアが何だって?
「昨日のお前さんらへのチョッカイがきっかけで、今まで溜まりに溜まってたロクでもない学園生や子供先生のやらかしへの不満が、とうとう爆発してな~。朝イチからの支部長の説教だ。一応、仮にも護衛って名目で、自称勇者どもも付いて来やがった。…ってゆーか、子供先生がムリヤリ連れてきた。1人じゃコワい、とかなんとかホザいてな。200歳超えのババアが何抜かしてやがんだか」
あー。
そんでリッカさんがうっかり、ハーレム勇者の目にとまっちゃった、と。
「コウ…コウ……リッカさんが怒ってるよ」
スズが焦って言った。
ヤバい、かも?
「スズ…ミヤさん呼んでこい」
「おぅ…お前は?」
「なんとかする」
しかね~だろーなコレ…。
スズが絶賛オハナシ中のミヤさんと狩猟部長の所へ向かった。
俺がリッカさんのところに行こうとするのを、周囲のおっさんどもが。
「なんだよ。嬢ちゃんがケガでもするっての?」
「さすがに手は出さねーだろ?女には優しいって言い張ってるからな~」
「いや、周りの女どもはどうよ?」
「仲間が増えるって、喜ばしく見てんじゃね?」
「いや、自称聖女サマ(笑)はどーよ?」
やいのやいの言っている。
お前ら、また賭けてんな?
「…リッカさんがヤバい。主に、魔法的にブチ切れる方向で」
へ?
昨日の傭兵部のおっさんが。
「嬢ちゃんがやらかすってのか?」
「…あの人、宿の部屋にデカいクモが出たっつって町中の宿だってのに、火属性魔法のデカいヤツぶっ放そーとしたんだよ…」
止めたけど。
物理的に。
一瞬、周囲のざわめきが止まった。
正直、ハーレム勇者なんかどーでもいいんだが、なんとなくヤバい。
「ってぇことで、止めに行く」
むしろリッカさんを。
人混みをすり抜けて、なんとか声が聞こえる最前列近くまで行くと、ハーレム勇者のタワゴトが聞こえてきた。
「このぼくが、勇者たるぼくが、一緒に来い、と誘ってあげているんだよ?それなのに、さっきから何なのかなその態度は。本当ならばキミの方から、どうぞお側に置いて下さい、と、頭を地にこすりつけてお願いしてくるべき所を、わざわざこのぼくの方から直々にキミの元へ来てあげたんだよ?ありがたいとは思わないのかい?」
やっべ。
バカがいる。
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