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二十歳以下は飲酒禁止~。
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子供たちが楽しそうにキッチンでワイワイやっている間の大人組。
子供たちが移動した時点で、いそいそとアルコールを出してきたギルド長に異議を唱えるパンダ…つか、リーラン。
「支部長~?まだ昼前ですよ~。ごはん食べたら一旦ギルドに戻って書類仕事だ…って、言ってたじゃないですか~」
ギルド長は、思いっきりよく え~…という顔をして。
「や~ね~…このくらい、水みたいなモノでしょう?ねえ?」
そう言って、ミヤと銀竜に視線を投げるが、ミヤは。
「最近、酒の実採取の依頼を受けて…。そりゃあ大騒ぎになったからね…。ちょっと、ね…」
苦笑いしている。
銀竜はというと。
「自分は飲みませんので」
どこまでも、平然としている。
ギルド長はむぅ…として。
「つまらないわね~。これ、そんなに強い酒じゃないわよ?近頃はウチの方まで質の良い酒の実、流れてこないのよね~…あ」
ギルド長は目を輝かせて。
「あなた達、酒の実採取の依頼受けたって言ってたわよね?…いくつか余ってたりしないかしら?この食事の報酬に上乗せするわよ。何でも言ってちょうだい。…まあ、ワタシのハニーちゃんはあげないけど」
いらんがな。
そう思いながらも顔には出さずに、ミヤは。
「僕、人のモノには興味ないので」
銀竜は平然と、そして淡々と。
「自分はその方面は、至って普通ですので」
「…喜んでいいのか、残念がればいいのか…良く分からないわ…」
なんとなく面白くなさそうなギルド長。
何故。
そして、例によって両手でカップを持って果実水を飲んでいたリーランが。
「そこは素直に喜んでいいんじゃあないですか~?一時期大変な事になってたんでしょ~?」
そう言うと、ギルド長はくっきりと眉間にシワを寄せて。
「そうなのよね~…。あの子、ワタシと組んでギルド員やってた時期があるんだけど…。人化した姿だったからかしら…やたらと人族の女に絡まれて、ね~。…年齢的に結婚適齢期ギリギリの女達って…なんであんなに凄まじいのかしらね~…。ワタシがギルド長になって、ここに配属になったら今度は色ボケた水妖族に目を付けられて…。あの子、ギルドに良い印象無いわよ。ゼロよ、ゼロ」
それはそれでスゴいな。
ミヤはそー思ったが、とりあえず黙っていた。
しばし沈黙して。
ひと息ついて、ミヤは口を開いた。
「話戻しますけど、…酒の実はあります。保存しているのがコウなので、詳しくは後ほど。それで…この食事の報酬ですが…先ほど何でも、とおっしゃいましたので遠慮なく」
「あら…。何を言われるのかしらね?」
ギルド長は、ちょっと楽しそうだ。
「この近辺の討伐依頼の出ている魔物の情報下さい。依頼が出てなくてもコイツ邪魔だ…ってヤツの情報もついでに。狩りますので。…特級ランクとか良いですね。…どうでしょう?」
「あらん…。こちらとしては願ったり、なんだけど…そんなことでいいの?」
「ついでに素材の買い取りと、情報隠ぺいお願いします。素材はかなり貯め込んでいるので…。コレどうしようってくらいに…。情報隠ぺいの方は、特にガラン方面と魔法学園関係は念入りにお願いします。ガラン支部にはお世話になりましたが…さすがに半日で厄ネタ3連発とか…無いでしょ…」
思い出してウンザリ顔になったミヤに、ギルド長とリーランは心底納得した顔で。
「聞いたわよ…。見目が良いってだけで、迷惑ばかり寄ってくるのよね…」
「ぼくも今までに何回も誘拐されそうになったから、良く分かるよ~…」
身に覚えのある者達が、深々とため息を付き。
リーランはかわいいからしょうがないか、と満場一致だった。
…納得いかないのは、リーランだけだった。
子供たちが移動した時点で、いそいそとアルコールを出してきたギルド長に異議を唱えるパンダ…つか、リーラン。
「支部長~?まだ昼前ですよ~。ごはん食べたら一旦ギルドに戻って書類仕事だ…って、言ってたじゃないですか~」
ギルド長は、思いっきりよく え~…という顔をして。
「や~ね~…このくらい、水みたいなモノでしょう?ねえ?」
そう言って、ミヤと銀竜に視線を投げるが、ミヤは。
「最近、酒の実採取の依頼を受けて…。そりゃあ大騒ぎになったからね…。ちょっと、ね…」
苦笑いしている。
銀竜はというと。
「自分は飲みませんので」
どこまでも、平然としている。
ギルド長はむぅ…として。
「つまらないわね~。これ、そんなに強い酒じゃないわよ?近頃はウチの方まで質の良い酒の実、流れてこないのよね~…あ」
ギルド長は目を輝かせて。
「あなた達、酒の実採取の依頼受けたって言ってたわよね?…いくつか余ってたりしないかしら?この食事の報酬に上乗せするわよ。何でも言ってちょうだい。…まあ、ワタシのハニーちゃんはあげないけど」
いらんがな。
そう思いながらも顔には出さずに、ミヤは。
「僕、人のモノには興味ないので」
銀竜は平然と、そして淡々と。
「自分はその方面は、至って普通ですので」
「…喜んでいいのか、残念がればいいのか…良く分からないわ…」
なんとなく面白くなさそうなギルド長。
何故。
そして、例によって両手でカップを持って果実水を飲んでいたリーランが。
「そこは素直に喜んでいいんじゃあないですか~?一時期大変な事になってたんでしょ~?」
そう言うと、ギルド長はくっきりと眉間にシワを寄せて。
「そうなのよね~…。あの子、ワタシと組んでギルド員やってた時期があるんだけど…。人化した姿だったからかしら…やたらと人族の女に絡まれて、ね~。…年齢的に結婚適齢期ギリギリの女達って…なんであんなに凄まじいのかしらね~…。ワタシがギルド長になって、ここに配属になったら今度は色ボケた水妖族に目を付けられて…。あの子、ギルドに良い印象無いわよ。ゼロよ、ゼロ」
それはそれでスゴいな。
ミヤはそー思ったが、とりあえず黙っていた。
しばし沈黙して。
ひと息ついて、ミヤは口を開いた。
「話戻しますけど、…酒の実はあります。保存しているのがコウなので、詳しくは後ほど。それで…この食事の報酬ですが…先ほど何でも、とおっしゃいましたので遠慮なく」
「あら…。何を言われるのかしらね?」
ギルド長は、ちょっと楽しそうだ。
「この近辺の討伐依頼の出ている魔物の情報下さい。依頼が出てなくてもコイツ邪魔だ…ってヤツの情報もついでに。狩りますので。…特級ランクとか良いですね。…どうでしょう?」
「あらん…。こちらとしては願ったり、なんだけど…そんなことでいいの?」
「ついでに素材の買い取りと、情報隠ぺいお願いします。素材はかなり貯め込んでいるので…。コレどうしようってくらいに…。情報隠ぺいの方は、特にガラン方面と魔法学園関係は念入りにお願いします。ガラン支部にはお世話になりましたが…さすがに半日で厄ネタ3連発とか…無いでしょ…」
思い出してウンザリ顔になったミヤに、ギルド長とリーランは心底納得した顔で。
「聞いたわよ…。見目が良いってだけで、迷惑ばかり寄ってくるのよね…」
「ぼくも今までに何回も誘拐されそうになったから、良く分かるよ~…」
身に覚えのある者達が、深々とため息を付き。
リーランはかわいいからしょうがないか、と満場一致だった。
…納得いかないのは、リーランだけだった。
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