目標:撤収

庭にハニワ

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がっかり過ぎる人魚の実態。

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討伐依頼をいくつか受けることにして。

さて、具体的に何をどの順番で、どーやって狩るか、という相談をしなけりゃな。
ついでに討伐対象についての情報も欲しい。
俺らは資料室に移動して、手分けして資料を漁った。
…よく考えたらさ…サメの集団って、全部狩るのとかムリじゃね?
あれかな?ドランク系統のサルの時と同じように、集団のトップ潰せば散り散りになるかな。

ミヤさん、ちょっとギルド長に質問して来るわ。
ミヤさんは、本を片手に。

「そう。…銀竜、付いてって」
「…は」

別に1人でも…。
まあ、変な方向に話をねじ曲げて、無いコト無いコト盛りまくって話を広げるヤツがいないとも限らない。

よし、行くぞ銀竜。

「御意」



で、Uターンして戻った部屋で、ギルド長に質問…というか、持論をぶちまけた。
どー考えてもすべてのサメを狩り尽くすなんてムリな話だし、生態系を崩すのはどーかと思うんだが、云々…と語ったらば。
ギルド長は。

「生態系なんて難しいコト知ってるのね~。ひょっとして、あなた学園生よりも優秀なんじゃないかしら?」

根本的に学んでるモノの種類が違うんじゃね?俺ら魔法はほぼ独学よ?魔素の使い方と想像力──妄想力とも言うか──で、なんとかしてるだけだぞ?
細かく詳しく理解してないから、思い込みだけでなんとかして…っつーか、なんとかなってるだけだぞ?

「確固たるイメージがあるってことでしょう?それが一番大事よ」

リーランさんも書類の束を持って、うん、うん、と頷いていた。



結果、サメ狩りは、ある程度数をこなせばOK、ということになった。
あと言い忘れていた、ということで、人魚についての諸注意があった。

「ワタシのハニーちゃんに絡んだ水妖族って、人魚なんだけどね…」

思い出して当時の怒りが再燃したのか、ギルド長は眉間にくっきりとシワを寄せている。
怒気が溢れて部屋に充満している。
…なんか息苦しい。
そして圧がスゴい。

リーランさんにぽふぽふと肩を叩かれて我に返ったギルド長。
部屋中に撒き散らしていた圧力も消えた。
落ち着きを取り戻したギルド長の話によると、水妖族の中でも人魚は面食い?で、人族や魔人族、妖精族など人型の見目の良い異性を誘惑して番いにしようとする、らしい。

…えー…見た目オンリー?
中身がとんだゲス野郎とか、精神破綻者とか、サイコパスとか、連続快楽殺人者とか、粘着質なストーカー野郎とかでも見た目さえ良けりゃいーワケ?

…ロクでもないな人魚…。

「相手が拒否したらだいたいは引き下がるんだけどね?中には妙に自信満々で、自分が拒絶されるハズはない。照れているだけ…って自分に都合良い思い込みで突っ込んでくる奴も居るのよ。リーが…うちの子が目を付けられたのが、その厄介なタイプでね~。あの時は人魚族の族長の所に竜体になって殴り込み掛けたわよ」

わ~…。何も知らない人魚族に取っちゃ、いきなり竜が襲撃してきたーってモンだわな~…怖っ。

「だいたい異種族と番いになったって、子供なんか出来やしないってのに、目を付けた人に既に決まった相手がいようと一切お構い無しってところが納得いかないわよ。あなた何サマのつもり?ってね」

…ギルド長の怒りが解けてないってことは、良く分かった。うん。

「族長締め上げて、うちの子にちょっかい出した人魚は隔離してもらって、ワタシの結界に人魚族は近付かないって誓約させたわ。だから家の周囲には、人魚族は来ないわね。近付いたら命は無いもの」

ふふふ…と笑っているギルド長。

…怖ぁ……。

「リドラ君への愛が、大暴走してるよね~」

リーランさんが、どこか遠くを見ながら言った。

…そーだね。本当に、ね…。



とりあえず、人魚族には気をつけろって話だよな。うん、分かった~。
と、話を切り上げて、とっととギルド長の部屋を後にした。

…あー、怖かった…。






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