114 / 374
がっかり過ぎる人魚の実態。
しおりを挟む
討伐依頼をいくつか受けることにして。
さて、具体的に何をどの順番で、どーやって狩るか、という相談をしなけりゃな。
ついでに討伐対象についての情報も欲しい。
俺らは資料室に移動して、手分けして資料を漁った。
…よく考えたらさ…サメの集団って、全部狩るのとかムリじゃね?
あれかな?ドランク系統のサルの時と同じように、集団のトップ潰せば散り散りになるかな。
ミヤさん、ちょっとギルド長に質問して来るわ。
ミヤさんは、本を片手に。
「そう。…銀竜、付いてって」
「…は」
別に1人でも…。
まあ、変な方向に話をねじ曲げて、無いコト無いコト盛りまくって話を広げるヤツがいないとも限らない。
よし、行くぞ銀竜。
「御意」
で、Uターンして戻った部屋で、ギルド長に質問…というか、持論をぶちまけた。
どー考えてもすべてのサメを狩り尽くすなんてムリな話だし、生態系を崩すのはどーかと思うんだが、云々…と語ったらば。
ギルド長は。
「生態系なんて難しいコト知ってるのね~。ひょっとして、あなた学園生よりも優秀なんじゃないかしら?」
根本的に学んでるモノの種類が違うんじゃね?俺ら魔法はほぼ独学よ?魔素の使い方と想像力──妄想力とも言うか──で、なんとかしてるだけだぞ?
細かく詳しく理解してないから、思い込みだけでなんとかして…っつーか、なんとかなってるだけだぞ?
「確固たるイメージがあるってことでしょう?それが一番大事よ」
リーランさんも書類の束を持って、うん、うん、と頷いていた。
結果、サメ狩りは、ある程度数をこなせばOK、ということになった。
あと言い忘れていた、ということで、人魚についての諸注意があった。
「ワタシのハニーちゃんに絡んだ水妖族って、人魚なんだけどね…」
思い出して当時の怒りが再燃したのか、ギルド長は眉間にくっきりとシワを寄せている。
怒気が溢れて部屋に充満している。
…なんか息苦しい。
そして圧がスゴい。
リーランさんにぽふぽふと肩を叩かれて我に返ったギルド長。
部屋中に撒き散らしていた圧力も消えた。
落ち着きを取り戻したギルド長の話によると、水妖族の中でも人魚は面食い?で、人族や魔人族、妖精族など人型の見目の良い異性を誘惑して番いにしようとする、らしい。
…えー…見た目オンリー?
中身がとんだゲス野郎とか、精神破綻者とか、サイコパスとか、連続快楽殺人者とか、粘着質なストーカー野郎とかでも見た目さえ良けりゃいーワケ?
…ロクでもないな人魚…。
「相手が拒否したらだいたいは引き下がるんだけどね?中には妙に自信満々で、自分が拒絶されるハズはない。照れているだけ…って自分に都合良い思い込みで突っ込んでくる奴も居るのよ。リーが…うちの子が目を付けられたのが、その厄介なタイプでね~。あの時は人魚族の族長の所に竜体になって殴り込み掛けたわよ」
わ~…。何も知らない人魚族に取っちゃ、いきなり竜が襲撃してきたーってモンだわな~…怖っ。
「だいたい異種族と番いになったって、子供なんか出来やしないってのに、目を付けた人に既に決まった相手がいようと一切お構い無しってところが納得いかないわよ。あなた何サマのつもり?ってね」
…ギルド長の怒りが解けてないってことは、良く分かった。うん。
「族長締め上げて、うちの子にちょっかい出した人魚は隔離してもらって、ワタシの結界に人魚族は近付かないって誓約させたわ。だから家の周囲には、人魚族は来ないわね。近付いたら命は無いもの」
ふふふ…と笑っているギルド長。
…怖ぁ……。
「リドラ君への愛が、大暴走してるよね~」
リーランさんが、どこか遠くを見ながら言った。
…そーだね。本当に、ね…。
とりあえず、人魚族には気をつけろって話だよな。うん、分かった~。
と、話を切り上げて、とっととギルド長の部屋を後にした。
…あー、怖かった…。
さて、具体的に何をどの順番で、どーやって狩るか、という相談をしなけりゃな。
ついでに討伐対象についての情報も欲しい。
俺らは資料室に移動して、手分けして資料を漁った。
…よく考えたらさ…サメの集団って、全部狩るのとかムリじゃね?
あれかな?ドランク系統のサルの時と同じように、集団のトップ潰せば散り散りになるかな。
ミヤさん、ちょっとギルド長に質問して来るわ。
ミヤさんは、本を片手に。
「そう。…銀竜、付いてって」
「…は」
別に1人でも…。
まあ、変な方向に話をねじ曲げて、無いコト無いコト盛りまくって話を広げるヤツがいないとも限らない。
よし、行くぞ銀竜。
「御意」
で、Uターンして戻った部屋で、ギルド長に質問…というか、持論をぶちまけた。
どー考えてもすべてのサメを狩り尽くすなんてムリな話だし、生態系を崩すのはどーかと思うんだが、云々…と語ったらば。
ギルド長は。
「生態系なんて難しいコト知ってるのね~。ひょっとして、あなた学園生よりも優秀なんじゃないかしら?」
根本的に学んでるモノの種類が違うんじゃね?俺ら魔法はほぼ独学よ?魔素の使い方と想像力──妄想力とも言うか──で、なんとかしてるだけだぞ?
細かく詳しく理解してないから、思い込みだけでなんとかして…っつーか、なんとかなってるだけだぞ?
「確固たるイメージがあるってことでしょう?それが一番大事よ」
リーランさんも書類の束を持って、うん、うん、と頷いていた。
結果、サメ狩りは、ある程度数をこなせばOK、ということになった。
あと言い忘れていた、ということで、人魚についての諸注意があった。
「ワタシのハニーちゃんに絡んだ水妖族って、人魚なんだけどね…」
思い出して当時の怒りが再燃したのか、ギルド長は眉間にくっきりとシワを寄せている。
怒気が溢れて部屋に充満している。
…なんか息苦しい。
そして圧がスゴい。
リーランさんにぽふぽふと肩を叩かれて我に返ったギルド長。
部屋中に撒き散らしていた圧力も消えた。
落ち着きを取り戻したギルド長の話によると、水妖族の中でも人魚は面食い?で、人族や魔人族、妖精族など人型の見目の良い異性を誘惑して番いにしようとする、らしい。
…えー…見た目オンリー?
中身がとんだゲス野郎とか、精神破綻者とか、サイコパスとか、連続快楽殺人者とか、粘着質なストーカー野郎とかでも見た目さえ良けりゃいーワケ?
…ロクでもないな人魚…。
「相手が拒否したらだいたいは引き下がるんだけどね?中には妙に自信満々で、自分が拒絶されるハズはない。照れているだけ…って自分に都合良い思い込みで突っ込んでくる奴も居るのよ。リーが…うちの子が目を付けられたのが、その厄介なタイプでね~。あの時は人魚族の族長の所に竜体になって殴り込み掛けたわよ」
わ~…。何も知らない人魚族に取っちゃ、いきなり竜が襲撃してきたーってモンだわな~…怖っ。
「だいたい異種族と番いになったって、子供なんか出来やしないってのに、目を付けた人に既に決まった相手がいようと一切お構い無しってところが納得いかないわよ。あなた何サマのつもり?ってね」
…ギルド長の怒りが解けてないってことは、良く分かった。うん。
「族長締め上げて、うちの子にちょっかい出した人魚は隔離してもらって、ワタシの結界に人魚族は近付かないって誓約させたわ。だから家の周囲には、人魚族は来ないわね。近付いたら命は無いもの」
ふふふ…と笑っているギルド長。
…怖ぁ……。
「リドラ君への愛が、大暴走してるよね~」
リーランさんが、どこか遠くを見ながら言った。
…そーだね。本当に、ね…。
とりあえず、人魚族には気をつけろって話だよな。うん、分かった~。
と、話を切り上げて、とっととギルド長の部屋を後にした。
…あー、怖かった…。
32
あなたにおすすめの小説
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
貴方のために
豆狸
ファンタジー
悔やんでいても仕方がありません。新米商人に失敗はつきものです。
後はどれだけ損をせずに、不良債権を切り捨てられるかなのです。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
義妹がピンク色の髪をしています
ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる