目標:撤収

庭にハニワ

文字の大きさ
131 / 374

なんか予想外の勧誘。

しおりを挟む
改めて、受注している討伐依頼の確認を。

今んとこキープしている依頼は…大タコ、大ウツボ、大ウミヘビ…。
それと、クラーケン。
クラーケンには、もれなく魔素がたっぷりと含まれているって可能性高いけど。
タコ、ウツボ、ウミヘビはどーだろ?
ただ単にデカい海洋生物ってだけなのか?

個人的には、ウツボかウミヘビのどっちかシーサーペントとか言わねーかな?って微妙に期待してる。
海の魔物討伐すりゃあ少しは…いや、かなり魔素回収出来るだろ。多分。
そーすりゃ、また一歩元の世界が近づく…ってことだからな。

ところで。
ひょっとしてだけど、大ダコって…実は水ダコとか言わねーか?
水ダコって、元の世界でも普通に全長5メートルとかだった気がする。
あれ?3メートルだったっけ?
…とにかく普通にデカかったハズなんだが。
確か、TVでたこ焼きか何かにして食い尽くしてたよーな覚えが…。
どっかの大食い女王が、な。
…すべては《鑑定》の結果によるかな。
食えるんなら、食ってしまおう。



さて。
海に狩りに行く前に、ギルドに──は、行かなくてもいーか。
依頼受注は既に完了してるし、資料もすべて集めてある。
後はカクジツに獲物を仕留めるだけだ。

…で。
どれから行く?
撒き餌にするサルの肉は、まだまだあるぞ。

「まあ…海に行ってからの流れでいいんじゃないかな?アレがいるかどーか…って問題もあるし」

と、朝食後の茶を楽しみながら、ミヤさんはゆったりと構えていた。

…あー…。
海面上の生首な…。
じゃなくて、人魚な。
…別に毎日同じところにいるわけじゃないでしょーよ。
もしいるんだとしたら…よっぽどヒマなんだな~…と、思う。

なー、ミヤさん?
こっちに…俺らに妙なちょっかい出してきたら…。
人魚、狩っちゃってもいいかな?
きっちりと証拠隠滅しちゃえば、カンペキになかったことに出来るよな?

「んー…」

ミヤさんは、しばし黙考。

「人魚族との問題になるかもしれないから、せめて捕獲程度にしておきなさい。その上で、ギルド長にお伺いたてるのが、一番無難だろうね」

それはひょっとして、責任転嫁…。

ミヤさんは、更に続けて。

「最初は追い払う程度にして、様子を見ることだね。伊達や酔狂で人の上半身してる訳じゃないでしょう。まずは話し合いから、ね」

…話の通じるヤツだと良いですよね…。

「…不安になるよーなこと、言わないようにね…」

ちなみにこの時、スズとリッカさんはさっさと朝メシ食い終えて、外で猫にまみれていた。
銀竜は静かに座って、茶をすすってた。
…気配消さなくてもいいと思うんだが。
これも職業病って言うのか?



なんやかんやあって、大ダコと大ウツボはサクッと討伐終了した。
そして両方とも、ただのムダにデカい海洋生物だった。
ギルドに討伐証明部位を提出した後、タコとウツボは美味しくいただいた。

タコはぶつ切りからカルパッチョから…。タコ焼きに、タコせんべい。
ウツボは外皮のヌルヌルを取っちまえば、単なる白身の魚だからな。焼いたり揚げたり蒸したりして食った。
美味しかったです。

次は大ウミヘビか、クラーケンか…。
そーいや、大ダコと大ウツボ、仕留めた時にはオカシな邪魔は入らなかったな。
あの時だけだったのかな?人魚がわいて出たのは。
もう出て来ないといーな…。
面倒事になるのが目に見えるようだ…。



美味しくいただいたタコとウツボだが。
さすがに俺らだけで消費出来るよーな量じゃなかったので、半分は食材としてギルドで買い取ってもらった。
…食材溜め込み過ぎてんだよマジで…。
売れるモンは売ってしまえ。
で。
その時にジンジャーシロップとアイオリソースの作り方も売らないか?と言われたので、心おきなく売っぱらった。
ついでにタコせんべい持ってって、リドラさんにお土産にどーぞ…ってやったら、ギルド長大喜びしてな~。

「あなた達…というか、コウ君。あなた、料理屋とか始めればいいのに」

とか言われた。
ギルド長の後ろで、さりげにリーランさんがめっちゃ賛成していた。
が。
その必要性を感じないんだよ。
ひねもすのたくたーっと料理ばっかりやってる場合じゃないんだよ。

暴れ足りない。
なんとなく。

とりあえず、大ウミヘビとクラーケン、やっつけなくちゃな。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

貴方のために

豆狸
ファンタジー
悔やんでいても仕方がありません。新米商人に失敗はつきものです。 後はどれだけ損をせずに、不良債権を切り捨てられるかなのです。 ※子どもに関するセンシティブな内容があります。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

【完結】ゲーム開始は自由の時! 乙女ゲーム? いいえ。ここは農業系ゲームの世界ですよ?

キーノ
ファンタジー
 私はゲームの世界に転生したようです。主人公なのですが、前世の記憶が戻ったら、なんという不遇な状況。これもゲームで語られなかった裏設定でしょうか。  ある日、我が家に勝手に住み着いた平民の少女が私に罵声を浴びせて来ました。乙女ゲーム? ヒロイン? 訳が解りません。ここはファーミングゲームの世界ですよ?  自称妹の事は無視していたら、今度は食事に毒を盛られる始末。これもゲームで語られなかった裏設定でしょうか?  私はどんな辛いことも頑張って乗り越えて、ゲーム開始を楽しみにいたしますわ! ※紹介文と本編は微妙に違います。 完結いたしました。 感想うけつけています。 4月4日、誤字修正しました。

処理中です...