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余計なコトを言ったのは、誰だ?
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地味にいろんなことがありつつも、料理ファイトはいまだに続いているんだが。
……なあ?
リドラさんとイチャっとしてるギルド長?
「あら。何かしら?」
邪魔すんな、と言わんばかりに軽く睨んできたギルド長に質問です。
参加人数、予定より多くない?
ってか、増え続けてない?
「……なんだかね? 浜辺でお祭り騒ぎしてるって噂が町中に広まっちゃったみたいでね。……ちょうど夕食時だし、ね?」
何せタダだし、食べ放題だしね~……と言いながら、リドラさんの口に揚げイモを入れて、むぐむぐと食ってる様を、愛おしげに見ているギルド長。
……誰だ言いふらしたのは。
一回シメる。
こう、物理的に、キュっと。
「……やっべ、コウの目が座ってる。具体的に言うと正座してる」
「あら、どっかりとアグラかいて座り込んでなきゃ大丈夫よ。ねぇ、ミヤさん?」
「……どーかな? この子結構沸点低いよね? スズ君」
「あ~……」
うるせーぞ外野。
ちなみにしゃべった順番は、スズ、リッカさん、ミヤさん、スズだ。
銀竜は、こーゆー時基本無言だ。
やっぱお前が一番賢いわ、銀竜。
余計なことは言わないって点でな。
「銀竜以外、今夜のデザート抜き」
「「「ごめんなさい、おかあさん」」」
3人で、声を揃えて言いやがった。
だから、誰がお母さんか。
「で、具体的には誰が言い出しっぺですかねぇ?」
ギルド長に質問するとギルド長は仕方ない、と言わんばかりに一際大騒ぎしてる一団に目を向けて。
「衛兵達が交代する時に洩らしたらしいわよ」
……そーか、兵隊どもか。
じゃ、あの集団にロシアン餃子投入してやる。
激辛で、逆パターンで。
「……ちょっと待ってよ、コウ? 逆パターンってことは、当たりが……」
ミヤさんが、ギョっとした顔で言うのに、にっこり笑顔で答えてやった。
「当たりの無事な1つ以外、全部激辛です♪」
ゑ、という顔のギルド長と、知らないからこそ興味津々なリドラさんと、ロシアンギョーザ? と疑問顔の銀竜。
召喚組がうへぇ、って顔しているが、知らん。
「わさびとからしととんがらし~」
「わーっ! コウが具体的に何を入れるか考え出したーっ!」
スズが叫んでいるが、それも知らん。
「ちょっ、材料並べ始めた? コウ、やめなさい!」
なんかミヤさんが慌てるが、知らんモンは知らん。
「……コウ君、玉ねぎは?」
「焼き餃子だから~、火、通すでしょ? その分甘くなるんじゃ? ……代わりに粒胡椒……」
「あ、山椒は?」
リッカさんがノってきた。
ので、楽しく餃子の中に入れる辛いモノの相談をしていたら。
「……なあ、マスタードは?」
スズもノってきた。
いいね~マスタード。
やっぱ粒マスタードか?
あ~、でも手持ちに無いわー。
残念。
「マスタードダメか~。……んじゃ大根の辛いトコは?」
スズ……ノリノリだな。
だかな、大根の辛いトコは、煮たらなんかちょっとニガい? で終わるからダメだ。
あー、ハバネロとかジョロキアとか欲しい。
今、欲しい。
「君達ねぇ……」
何かを諦めたような顔をして、ミヤさんが言った。
「……逆パターンだと何の言い訳も通じなくなるから、通常パターンのロシアン餃子で我慢しなさい」
え~。
……じゃ、代わりに餃子包むの手伝って下さい。
スズはブタ系の肉を切り刻み始め、リッカさんはキャベツや白菜の代わりに玉ねぎのみじん切りを始めている。
……葉物野菜、出回ってないからな~……。
しょーがない。
俺は小麦粉を練って餃子の皮を作り始めた。
バーベキュー及び串焼き、揚げ物関係は、料理人達にお任せだ。
ふ、と見ると、料理人達は串揚げも作り始めていた。
うん、そーゆージャンルもあるよな。
ミヤさんは仕方ない、とばかりに首を何度か振った後、餃子を包み始めた。
刻み終えたスズとリッカさんも餃子包みに入った。
……これ、何人でやっても無心になる作業だよな。
とにかく、余計な細工をしない普通の餃子を包む。
包む。
包む。
気付いたら、なかなかの量になってしまっていた……。
では最後に1つだけ。わさびとからしをひき肉に練り込んで、とんがらし1本まるっと包み込んでから餃子に仕立てた。
ん、パッと見違いとか分かんねーな?
「……パッと見た感じ、赤いモノが入ってるって分からないようにするなんて……。コウ君、恐ろしい子……!」
なんかリッカさんが白目むいて遊んでるが、そっとしとこう。
楽しそーだしな。
……なあ?
リドラさんとイチャっとしてるギルド長?
「あら。何かしら?」
邪魔すんな、と言わんばかりに軽く睨んできたギルド長に質問です。
参加人数、予定より多くない?
ってか、増え続けてない?
「……なんだかね? 浜辺でお祭り騒ぎしてるって噂が町中に広まっちゃったみたいでね。……ちょうど夕食時だし、ね?」
何せタダだし、食べ放題だしね~……と言いながら、リドラさんの口に揚げイモを入れて、むぐむぐと食ってる様を、愛おしげに見ているギルド長。
……誰だ言いふらしたのは。
一回シメる。
こう、物理的に、キュっと。
「……やっべ、コウの目が座ってる。具体的に言うと正座してる」
「あら、どっかりとアグラかいて座り込んでなきゃ大丈夫よ。ねぇ、ミヤさん?」
「……どーかな? この子結構沸点低いよね? スズ君」
「あ~……」
うるせーぞ外野。
ちなみにしゃべった順番は、スズ、リッカさん、ミヤさん、スズだ。
銀竜は、こーゆー時基本無言だ。
やっぱお前が一番賢いわ、銀竜。
余計なことは言わないって点でな。
「銀竜以外、今夜のデザート抜き」
「「「ごめんなさい、おかあさん」」」
3人で、声を揃えて言いやがった。
だから、誰がお母さんか。
「で、具体的には誰が言い出しっぺですかねぇ?」
ギルド長に質問するとギルド長は仕方ない、と言わんばかりに一際大騒ぎしてる一団に目を向けて。
「衛兵達が交代する時に洩らしたらしいわよ」
……そーか、兵隊どもか。
じゃ、あの集団にロシアン餃子投入してやる。
激辛で、逆パターンで。
「……ちょっと待ってよ、コウ? 逆パターンってことは、当たりが……」
ミヤさんが、ギョっとした顔で言うのに、にっこり笑顔で答えてやった。
「当たりの無事な1つ以外、全部激辛です♪」
ゑ、という顔のギルド長と、知らないからこそ興味津々なリドラさんと、ロシアンギョーザ? と疑問顔の銀竜。
召喚組がうへぇ、って顔しているが、知らん。
「わさびとからしととんがらし~」
「わーっ! コウが具体的に何を入れるか考え出したーっ!」
スズが叫んでいるが、それも知らん。
「ちょっ、材料並べ始めた? コウ、やめなさい!」
なんかミヤさんが慌てるが、知らんモンは知らん。
「……コウ君、玉ねぎは?」
「焼き餃子だから~、火、通すでしょ? その分甘くなるんじゃ? ……代わりに粒胡椒……」
「あ、山椒は?」
リッカさんがノってきた。
ので、楽しく餃子の中に入れる辛いモノの相談をしていたら。
「……なあ、マスタードは?」
スズもノってきた。
いいね~マスタード。
やっぱ粒マスタードか?
あ~、でも手持ちに無いわー。
残念。
「マスタードダメか~。……んじゃ大根の辛いトコは?」
スズ……ノリノリだな。
だかな、大根の辛いトコは、煮たらなんかちょっとニガい? で終わるからダメだ。
あー、ハバネロとかジョロキアとか欲しい。
今、欲しい。
「君達ねぇ……」
何かを諦めたような顔をして、ミヤさんが言った。
「……逆パターンだと何の言い訳も通じなくなるから、通常パターンのロシアン餃子で我慢しなさい」
え~。
……じゃ、代わりに餃子包むの手伝って下さい。
スズはブタ系の肉を切り刻み始め、リッカさんはキャベツや白菜の代わりに玉ねぎのみじん切りを始めている。
……葉物野菜、出回ってないからな~……。
しょーがない。
俺は小麦粉を練って餃子の皮を作り始めた。
バーベキュー及び串焼き、揚げ物関係は、料理人達にお任せだ。
ふ、と見ると、料理人達は串揚げも作り始めていた。
うん、そーゆージャンルもあるよな。
ミヤさんは仕方ない、とばかりに首を何度か振った後、餃子を包み始めた。
刻み終えたスズとリッカさんも餃子包みに入った。
……これ、何人でやっても無心になる作業だよな。
とにかく、余計な細工をしない普通の餃子を包む。
包む。
包む。
気付いたら、なかなかの量になってしまっていた……。
では最後に1つだけ。わさびとからしをひき肉に練り込んで、とんがらし1本まるっと包み込んでから餃子に仕立てた。
ん、パッと見違いとか分かんねーな?
「……パッと見た感じ、赤いモノが入ってるって分からないようにするなんて……。コウ君、恐ろしい子……!」
なんかリッカさんが白目むいて遊んでるが、そっとしとこう。
楽しそーだしな。
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