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恥ずかし気もなく自分で言った。
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のじゃロリババアこと、イサドラ嬢が結婚したくない理由。
……婚約者の侯爵が、筋骨隆々な逞しい男性だから、だそーで。
つまり、ロリババアはマッチョが嫌い、と。
……くっだらねーっ!
んで、しょーもねー!
なんてことは無い。
単なるワガママじゃん。
お貴族サマのクセに、そんな理由がまかり通ると本気で思ってるわけ?
バカなの?
バカなんだな?
呆れかえった俺とミヤさんの様子に、アレックスさんは。
「……正直なところ、バカなのか? と言われても否定出来ません。何故逞しい男性が苦手なのか、訳をお聞きしましても大した理由は無いようなのです。ただ、暑苦しいから嫌だ、自分には爽やかで華奢な美少年、美青年が相応しいとかなんとか抜かしやがってあの小娘……」
アレックスさん、またヤミが漏れてるぞ。
「しかも、当初は結婚したくないが為に少年達を虜にしていたようですが。100年程前からは完全に趣味全開で、しかも魔法まで使って彼らを自由にしていたらしく……」
怒りの波動が駄々漏れになってる。
あ~……、アレックスさん?
とりあえず、カップから手を離そーか。
今にも握力任せにパキッと握り潰しそーだからな……。
「……っ! ……失礼致しました」
まあ、落ち着け。
甘いモノでも食うか?
焼き菓子盛り合わせを出して、アレックスさんにオススメしてみた。
甘味を口にして、一旦落ち着きを取り戻したアレックスさんに、菓子のレシピを教えて欲しいと頼まれたりして。
ちょっとゴチャゴチャしたが、話を元に戻すぞ。
のじゃロリババアはマッチョが嫌いだから、婚約者を拒否って逃げ回るついでに思いっ切り好き放題に男漁りしてた……ってことか。
で、通りすがりに俺らも目ぇ付けられた、と。
「華奢な美少年、ねぇ……。ここには可愛い系の小動物っぽい少年は居るけど、残りの野郎……男どもは、みんな筋肉質だよね?」
ミヤさんが言うのに、頷いて。
「スズ以外の野郎は……そーですね。儚げ美青年のリドラさんだって、地味にしっかり筋肉質ですよね」
ギルド長はマッチョオネェ(偽)だし。
俺らも……なあ。
アレックスさんはキョトンとした。
ミヤさんが言う。
「ギルドでそれなりに活動して、美味しくごはんが食べられるって時点で、華奢な身体してるハズはないよね?」
「後衛っつーか、魔法メインですってんならともかくなー。魔法以外役立たずってヤツは、長生き出来るかぶっちゃけ不安だし」
「まあ、いつもこちらに都合良く立ち回れる訳じゃないからね。乱戦になった時には、せめて自分の身は自分で守れないとね」
「……だから、非戦闘組にはまず結界術を叩き込んだんですけどね」
あとは当人達のイメージっつーか、想像力……いや、妄想力の成果ですかね?
口々にそー言ったあと、ミヤさんと2人して、結界内で楽しくお茶会真っ最中のスズ達を眺めた。
アレックスさんは、結界の方を見たあと、俺らに視線を戻して言った。
「えーと……。あなた方は、見掛け通りではない、と?」
俺とミヤさんは、頷いて各々言った。
「僕は必要以上には筋肉付けないようにしてるけど。身体が重くなったら動きが鈍るし。まあ着痩せするタイプかな? 対人戦闘で、初見の相手の油断を誘えるから良いよね。細っこいって見た目で勝手にコイツは弱いと決めつけて、ケンカ売ってくるヤツらをボッコボコにするのって、結構楽しいしね」
……あんたも十分Sっ気ありますよ……。
「……俺の場合、こー……モリモリに筋肉が付くって感じじゃなくて、ギュッと絞り上げるみたいに付く体質らしくて。なんか、ゴリゴリのゴリマッチョには絶対ならないって言われました」
「……と、いうことは」
アレックスさんは、しみじみと俺らを見ながら。
「お2人のその服の下は……」
ミヤさんが、苦笑しながら言った。
「まあ、想像とはまったく違っているでしょうね。僕らを分類するんなら、細マッチョって言うらしいですから」
自分で言っちゃうのかよ。
恥ずかしげもなく、さ?
「ちなみにあのロリババアは、出会い頭に俺らの外見をパッと見ただけでいきなり魅了魔法ぶっ込んできたから」
俺がそう言うと、アレックスさんは。
「……聞いております。自分の魔法がまったく効果無しだったから、今までに出会ったどんな少年達よりも魅力的だったから。あんな筋肉ダルマと結婚しろと言うんなら、せめて彼らを自分のお付きの小姓として連れて行かせろ、などとフザケたことを抜かしやがりまして……」
アレックスさん。
ヤミ、漏れてる。
「伯爵にはふざけるのも大概にしろ、と却下されてましたが、それを聞いていたレンフィールドが暴走した結果が今回の騒ぎの元、でございます……」
あー……。
何つーの?
……しょ~もな……。
「以前、ガランギルドの支部長も言ってたけどさ。子供の姿を最大限に有効利用して、小首かしげて“お願い聞いて”なんてやったんじゃないのかな。ロリコン相手なら一発だろうしね」
……どーやらミヤさんの予想通りだったらしい。
アレックスさんは。
「おっしゃる通りです……」
と、うなだれて……。
でもコメカミの辺りの血管は、ぴきってなっていた。
そーとーお怒りだな。
あれだ、うん。
……御愁傷様。
……婚約者の侯爵が、筋骨隆々な逞しい男性だから、だそーで。
つまり、ロリババアはマッチョが嫌い、と。
……くっだらねーっ!
んで、しょーもねー!
なんてことは無い。
単なるワガママじゃん。
お貴族サマのクセに、そんな理由がまかり通ると本気で思ってるわけ?
バカなの?
バカなんだな?
呆れかえった俺とミヤさんの様子に、アレックスさんは。
「……正直なところ、バカなのか? と言われても否定出来ません。何故逞しい男性が苦手なのか、訳をお聞きしましても大した理由は無いようなのです。ただ、暑苦しいから嫌だ、自分には爽やかで華奢な美少年、美青年が相応しいとかなんとか抜かしやがってあの小娘……」
アレックスさん、またヤミが漏れてるぞ。
「しかも、当初は結婚したくないが為に少年達を虜にしていたようですが。100年程前からは完全に趣味全開で、しかも魔法まで使って彼らを自由にしていたらしく……」
怒りの波動が駄々漏れになってる。
あ~……、アレックスさん?
とりあえず、カップから手を離そーか。
今にも握力任せにパキッと握り潰しそーだからな……。
「……っ! ……失礼致しました」
まあ、落ち着け。
甘いモノでも食うか?
焼き菓子盛り合わせを出して、アレックスさんにオススメしてみた。
甘味を口にして、一旦落ち着きを取り戻したアレックスさんに、菓子のレシピを教えて欲しいと頼まれたりして。
ちょっとゴチャゴチャしたが、話を元に戻すぞ。
のじゃロリババアはマッチョが嫌いだから、婚約者を拒否って逃げ回るついでに思いっ切り好き放題に男漁りしてた……ってことか。
で、通りすがりに俺らも目ぇ付けられた、と。
「華奢な美少年、ねぇ……。ここには可愛い系の小動物っぽい少年は居るけど、残りの野郎……男どもは、みんな筋肉質だよね?」
ミヤさんが言うのに、頷いて。
「スズ以外の野郎は……そーですね。儚げ美青年のリドラさんだって、地味にしっかり筋肉質ですよね」
ギルド長はマッチョオネェ(偽)だし。
俺らも……なあ。
アレックスさんはキョトンとした。
ミヤさんが言う。
「ギルドでそれなりに活動して、美味しくごはんが食べられるって時点で、華奢な身体してるハズはないよね?」
「後衛っつーか、魔法メインですってんならともかくなー。魔法以外役立たずってヤツは、長生き出来るかぶっちゃけ不安だし」
「まあ、いつもこちらに都合良く立ち回れる訳じゃないからね。乱戦になった時には、せめて自分の身は自分で守れないとね」
「……だから、非戦闘組にはまず結界術を叩き込んだんですけどね」
あとは当人達のイメージっつーか、想像力……いや、妄想力の成果ですかね?
口々にそー言ったあと、ミヤさんと2人して、結界内で楽しくお茶会真っ最中のスズ達を眺めた。
アレックスさんは、結界の方を見たあと、俺らに視線を戻して言った。
「えーと……。あなた方は、見掛け通りではない、と?」
俺とミヤさんは、頷いて各々言った。
「僕は必要以上には筋肉付けないようにしてるけど。身体が重くなったら動きが鈍るし。まあ着痩せするタイプかな? 対人戦闘で、初見の相手の油断を誘えるから良いよね。細っこいって見た目で勝手にコイツは弱いと決めつけて、ケンカ売ってくるヤツらをボッコボコにするのって、結構楽しいしね」
……あんたも十分Sっ気ありますよ……。
「……俺の場合、こー……モリモリに筋肉が付くって感じじゃなくて、ギュッと絞り上げるみたいに付く体質らしくて。なんか、ゴリゴリのゴリマッチョには絶対ならないって言われました」
「……と、いうことは」
アレックスさんは、しみじみと俺らを見ながら。
「お2人のその服の下は……」
ミヤさんが、苦笑しながら言った。
「まあ、想像とはまったく違っているでしょうね。僕らを分類するんなら、細マッチョって言うらしいですから」
自分で言っちゃうのかよ。
恥ずかしげもなく、さ?
「ちなみにあのロリババアは、出会い頭に俺らの外見をパッと見ただけでいきなり魅了魔法ぶっ込んできたから」
俺がそう言うと、アレックスさんは。
「……聞いております。自分の魔法がまったく効果無しだったから、今までに出会ったどんな少年達よりも魅力的だったから。あんな筋肉ダルマと結婚しろと言うんなら、せめて彼らを自分のお付きの小姓として連れて行かせろ、などとフザケたことを抜かしやがりまして……」
アレックスさん。
ヤミ、漏れてる。
「伯爵にはふざけるのも大概にしろ、と却下されてましたが、それを聞いていたレンフィールドが暴走した結果が今回の騒ぎの元、でございます……」
あー……。
何つーの?
……しょ~もな……。
「以前、ガランギルドの支部長も言ってたけどさ。子供の姿を最大限に有効利用して、小首かしげて“お願い聞いて”なんてやったんじゃないのかな。ロリコン相手なら一発だろうしね」
……どーやらミヤさんの予想通りだったらしい。
アレックスさんは。
「おっしゃる通りです……」
と、うなだれて……。
でもコメカミの辺りの血管は、ぴきってなっていた。
そーとーお怒りだな。
あれだ、うん。
……御愁傷様。
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