214 / 374
なんかスマン。
しおりを挟む
それから小一時間、ギルド長からのお説教。
と、いうかお小言が続いた。
暗黒魔法について、と魔人族の魔法知識を教わったことについて。
「確かにギルドに登録してる魔人族の人達は居るわよ。でも魔人族特有の術式についてとか、魔法具についてとか……。そんな簡単には教えてくれないはずよ。……それをあなた達は……」
や、ギブ&テイク?
アレックスさんはマジでお怒りだったし。
俺もちょ~っと……かなりムカついたし。
利害の一致ってヤツ?
「……人格改変術と引き換えって……」
ギルド長は、とうとう頭を抱え込んだ。
しばらくして。
ギルド長は深く息を吐いて言った。
「……いいわ。あなた達が根本的に規格外だって、イヤってほど理解したわ……。実際に人をチリにして消し飛ばしたりは……して、いないのよね?」
俺、魔素のムダ遣いする気無いですよ。
軽く嘯いた俺をナナメに見ながら、ミヤさんも言った。
「僕達の目的はご存じでしょう? あの肉食系姉妹の人格、なんとかならないか? って聞いた僕に対しても、この子は魔素のムダ遣いする気は無いって言ったんですよ。そんなホイホイお気軽に暗黒魔法を使ったりはしないでしょう。……僕も、ですけど」
一言、余計だ。
が、ギルド長は華麗にスルーした。
もう面倒になったらしい。
なんかスマン。
「……あなたの仕掛けた結界、使い方次第ではギルドの役に立つのかも? と思ったんだけど……。いろいろと面倒なことになりそうだから、もういいわ……」
あ~……ギルド長?
暗黒魔法の魔導書、一冊持ってきましょーか?
カンタンな……つか、ヤバくないヤツ。
何らかの目眩ましにはなるんじゃないですか?
失なわれた魔法らしいし、現物があれば……どうとでも誤魔化しはきくでしょ。
……一番ヤバい“秘色”は、既に俺のモノだが、な。
ギルド長は、更にぐったりした。
「簡単に言ってくれるわ……」
ギルド長は冷めた茶を一口飲んで、続けた。
「ええ、そうね。ギルドの買い取りって形にしてくれるかしら? 失なわれた魔導書……出所聞かれたりしたら、どうしましょうねぇ……」
ギルド長の目がウツロになっている。
そこら辺は、ゆっくり悩んで下さい。
んじゃ、明日持ってきますわ。
そんなにヤバくないヤツを。
あ。
「今度は、何……」
ギルド長、ツッコむ気力も薄れたらしい。
ちなみにですけど、ウチの周辺の結界は、暗黒魔法と影魔法の併用っつーか、混合っつーか……。
そんなカンジのモノですよ。
「……本当に、ナニやらかしてくれてるのよ……」
えー。
とりあえず、心をバッキリ折るタイプのイタズラですけど。
身体の方には一切キズ一つ無くお帰りいただくってシロモノですが何か。
「……うん、君やっぱり祈りさんの子供だよ……」
ミヤさんに半笑いで言われた。
……あんたも類友だってこと、忘れないで下さい。
うっとーしいヤカラの人格改変、望んどいてしれっとしてんじゃないっての。
なんとなくお疲れ、のギルド長に挨拶して部屋を後にする。
とりあえず、依頼の掲示板をチェックしに行く。
なんか申し訳ないから、メンドーそうな依頼でも受けておくか。
討伐系は無かった。
なんか残念だ。
「またカニ狩りでもするかい?」
ミヤさんが、掲示板を上から順番にチェックしながら言った。
カニか~……。
この間、乱獲一歩手前まで狩りまくったでしょーが。
異次元倉庫にわさっと入ってますよ。
「そう言えば……って、あれ?」
何か見つけた?
ミヤさんは一つの依頼を見ながら、首をかしげている。
「“酒の実、清酒の実希望。3個以上”って……」
なんだろう……。
俺ら、酒の実も山盛り持ってますよね。
……妙にピンポイントなんだけど……。
ミヤさんは受注日を見て。
「僕らがマドゥーニーに来る前から出しっぱなしになってる依頼だね。……たいして難しい依頼じゃないだろうに」
まあいいか。
カニと酒の実の依頼を受注。
異次元倉庫から出すだけなので、速攻終了。
ほんの少しだけ、異次元倉庫に空きが出来た。
……まあ、すぐにナニかで埋まるんだけどな。
さて、と。
《壺中天(笑)》に戻るか~。
無難な暗黒魔法の魔導書、物色しなきゃなー。
“秘色”、頼んだ。
俺の中から了承の意が返ってきた。
んじゃ、ミヤさん。
行きますよー。
と、いうかお小言が続いた。
暗黒魔法について、と魔人族の魔法知識を教わったことについて。
「確かにギルドに登録してる魔人族の人達は居るわよ。でも魔人族特有の術式についてとか、魔法具についてとか……。そんな簡単には教えてくれないはずよ。……それをあなた達は……」
や、ギブ&テイク?
アレックスさんはマジでお怒りだったし。
俺もちょ~っと……かなりムカついたし。
利害の一致ってヤツ?
「……人格改変術と引き換えって……」
ギルド長は、とうとう頭を抱え込んだ。
しばらくして。
ギルド長は深く息を吐いて言った。
「……いいわ。あなた達が根本的に規格外だって、イヤってほど理解したわ……。実際に人をチリにして消し飛ばしたりは……して、いないのよね?」
俺、魔素のムダ遣いする気無いですよ。
軽く嘯いた俺をナナメに見ながら、ミヤさんも言った。
「僕達の目的はご存じでしょう? あの肉食系姉妹の人格、なんとかならないか? って聞いた僕に対しても、この子は魔素のムダ遣いする気は無いって言ったんですよ。そんなホイホイお気軽に暗黒魔法を使ったりはしないでしょう。……僕も、ですけど」
一言、余計だ。
が、ギルド長は華麗にスルーした。
もう面倒になったらしい。
なんかスマン。
「……あなたの仕掛けた結界、使い方次第ではギルドの役に立つのかも? と思ったんだけど……。いろいろと面倒なことになりそうだから、もういいわ……」
あ~……ギルド長?
暗黒魔法の魔導書、一冊持ってきましょーか?
カンタンな……つか、ヤバくないヤツ。
何らかの目眩ましにはなるんじゃないですか?
失なわれた魔法らしいし、現物があれば……どうとでも誤魔化しはきくでしょ。
……一番ヤバい“秘色”は、既に俺のモノだが、な。
ギルド長は、更にぐったりした。
「簡単に言ってくれるわ……」
ギルド長は冷めた茶を一口飲んで、続けた。
「ええ、そうね。ギルドの買い取りって形にしてくれるかしら? 失なわれた魔導書……出所聞かれたりしたら、どうしましょうねぇ……」
ギルド長の目がウツロになっている。
そこら辺は、ゆっくり悩んで下さい。
んじゃ、明日持ってきますわ。
そんなにヤバくないヤツを。
あ。
「今度は、何……」
ギルド長、ツッコむ気力も薄れたらしい。
ちなみにですけど、ウチの周辺の結界は、暗黒魔法と影魔法の併用っつーか、混合っつーか……。
そんなカンジのモノですよ。
「……本当に、ナニやらかしてくれてるのよ……」
えー。
とりあえず、心をバッキリ折るタイプのイタズラですけど。
身体の方には一切キズ一つ無くお帰りいただくってシロモノですが何か。
「……うん、君やっぱり祈りさんの子供だよ……」
ミヤさんに半笑いで言われた。
……あんたも類友だってこと、忘れないで下さい。
うっとーしいヤカラの人格改変、望んどいてしれっとしてんじゃないっての。
なんとなくお疲れ、のギルド長に挨拶して部屋を後にする。
とりあえず、依頼の掲示板をチェックしに行く。
なんか申し訳ないから、メンドーそうな依頼でも受けておくか。
討伐系は無かった。
なんか残念だ。
「またカニ狩りでもするかい?」
ミヤさんが、掲示板を上から順番にチェックしながら言った。
カニか~……。
この間、乱獲一歩手前まで狩りまくったでしょーが。
異次元倉庫にわさっと入ってますよ。
「そう言えば……って、あれ?」
何か見つけた?
ミヤさんは一つの依頼を見ながら、首をかしげている。
「“酒の実、清酒の実希望。3個以上”って……」
なんだろう……。
俺ら、酒の実も山盛り持ってますよね。
……妙にピンポイントなんだけど……。
ミヤさんは受注日を見て。
「僕らがマドゥーニーに来る前から出しっぱなしになってる依頼だね。……たいして難しい依頼じゃないだろうに」
まあいいか。
カニと酒の実の依頼を受注。
異次元倉庫から出すだけなので、速攻終了。
ほんの少しだけ、異次元倉庫に空きが出来た。
……まあ、すぐにナニかで埋まるんだけどな。
さて、と。
《壺中天(笑)》に戻るか~。
無難な暗黒魔法の魔導書、物色しなきゃなー。
“秘色”、頼んだ。
俺の中から了承の意が返ってきた。
んじゃ、ミヤさん。
行きますよー。
33
あなたにおすすめの小説
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
貴方のために
豆狸
ファンタジー
悔やんでいても仕方がありません。新米商人に失敗はつきものです。
後はどれだけ損をせずに、不良債権を切り捨てられるかなのです。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
義妹がピンク色の髪をしています
ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。
【完結】ゲーム開始は自由の時! 乙女ゲーム? いいえ。ここは農業系ゲームの世界ですよ?
キーノ
ファンタジー
私はゲームの世界に転生したようです。主人公なのですが、前世の記憶が戻ったら、なんという不遇な状況。これもゲームで語られなかった裏設定でしょうか。
ある日、我が家に勝手に住み着いた平民の少女が私に罵声を浴びせて来ました。乙女ゲーム? ヒロイン? 訳が解りません。ここはファーミングゲームの世界ですよ?
自称妹の事は無視していたら、今度は食事に毒を盛られる始末。これもゲームで語られなかった裏設定でしょうか?
私はどんな辛いことも頑張って乗り越えて、ゲーム開始を楽しみにいたしますわ!
※紹介文と本編は微妙に違います。
完結いたしました。
感想うけつけています。
4月4日、誤字修正しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる