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道連れは誰だ。
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《壺中天(笑)》に戻ると、スズが満足そーな顔して茶の間でひっくり返っていた。
どーやらシリーズ読破したらしい。
……何だよ、そんなに面白かったのか?
スズは無言で右手を上げ、サムズアップした。
……あ、そー。
良かったな。
「スズ君? リッカ君はどうしてるのかな?」
ミヤさんが、お茶セットを用意しながらスズに聞いた。
スズはひょこっと起き上がって。
「リッカさんの部屋からブキミな独り笑いが聞こえてたから、まだ読書を楽しんでんじゃないですかね。あの人、中身を覚えるまで何度も反芻して読むタイプっぽいですし」
あ~、アレだ。
本がボロッボロになるまで読み込むタイプだ。
まあ、静か……ではないか。
おとなしくしてたんなら、良しとしとくか。
さて、と。
起き上がって、自然な流れで茶をすすり始めたスズに報告があります。
「……なんだよ……」
スズはちょっと不穏なカンジだ。
一切構わず続けるぞ。
お前の猫ハーレム、一旦解散したから。
「……は?」
スズはポカンと口を開けて。
ぶっちゃけマヌケ顔だ。
まあそれは置いといて。
「……いや、置いとくなよ? え? スミレは?」
話し合いの結果、納得してもらった。
半ばアキれてたよーな気がする……。
で、だ。
「いや、で、じゃなくてな?」
銀竜が戻って来るぞ。
「……え?」
スズは更に間の抜けた顔になった。
カップ片手に俺とスズの言い合いを楽しそーに眺めていたミヤさんも、ちょっと驚いた顔をして。
「……へぇ? 銀竜が、ねぇ。いつ頃戻って来るのかな?」
興味津々なカンジで俺を見ていた。
んー……。
このスピードだと……。
明日の昼前かな?
ちなみに1人じゃない。
ゑ。
スズとミヤさんは、びっくり顔だ。
タイミング良く部屋から出てきたリッカさん──腹減っただけだろ絶対──込みで、軽く昼メシを食うことになった。
たまには出来たてのモンが食いたいんだとよ。
……朝夕はちゃんと作ってるじゃねーかよ……。
昼メシは別だ?
知らねーよ。
欠食児童がワガママ言いまくるので。
粉だ、粉。
「「「え?」」」
粉を焼いて皮を量産する。
「「「皮」」」
よーするに、クレープの皮だけガンガン焼くから、好きな具材を巻いて食え、ってことだ。
「あ、なんか面白い」
「甘いのもイケるわよねぇ」
「……君が地味に大変なんじゃないかなぁ」
ノリノリなスズ、リッカさんに対して、ミヤさんが地味~に俺の心配してくれたのが、ちょっと嬉しかった。
で、わいわいしながら昼メシ食って。
食休み兼ねて茶の間でまったり。
そーいや、リッカさんには言ってなかったよな。
銀竜がこっちに向かってる。
しかも2人で。
「え?」
リッカさんもキョトン顔だ。
……だよね~。
まあ、敵対してるヤツではなさそうだし、何らかの情報源かなんかじゃないか?
知らんけど。
不意に、考え込むリッカさん。
そしてナニかを期待するよーに。
「……カーラさんと一緒、とか言わないかしら……?」
スズがシラケた目でリッカさんを見た。
「……単に自分が男夫婦の片割れを見たいだけなんじゃないですか……」
ミヤさんは固定されたよーに、半笑いのままだ。
その辺に関知する気は無いとみた。
どーやらシリーズ読破したらしい。
……何だよ、そんなに面白かったのか?
スズは無言で右手を上げ、サムズアップした。
……あ、そー。
良かったな。
「スズ君? リッカ君はどうしてるのかな?」
ミヤさんが、お茶セットを用意しながらスズに聞いた。
スズはひょこっと起き上がって。
「リッカさんの部屋からブキミな独り笑いが聞こえてたから、まだ読書を楽しんでんじゃないですかね。あの人、中身を覚えるまで何度も反芻して読むタイプっぽいですし」
あ~、アレだ。
本がボロッボロになるまで読み込むタイプだ。
まあ、静か……ではないか。
おとなしくしてたんなら、良しとしとくか。
さて、と。
起き上がって、自然な流れで茶をすすり始めたスズに報告があります。
「……なんだよ……」
スズはちょっと不穏なカンジだ。
一切構わず続けるぞ。
お前の猫ハーレム、一旦解散したから。
「……は?」
スズはポカンと口を開けて。
ぶっちゃけマヌケ顔だ。
まあそれは置いといて。
「……いや、置いとくなよ? え? スミレは?」
話し合いの結果、納得してもらった。
半ばアキれてたよーな気がする……。
で、だ。
「いや、で、じゃなくてな?」
銀竜が戻って来るぞ。
「……え?」
スズは更に間の抜けた顔になった。
カップ片手に俺とスズの言い合いを楽しそーに眺めていたミヤさんも、ちょっと驚いた顔をして。
「……へぇ? 銀竜が、ねぇ。いつ頃戻って来るのかな?」
興味津々なカンジで俺を見ていた。
んー……。
このスピードだと……。
明日の昼前かな?
ちなみに1人じゃない。
ゑ。
スズとミヤさんは、びっくり顔だ。
タイミング良く部屋から出てきたリッカさん──腹減っただけだろ絶対──込みで、軽く昼メシを食うことになった。
たまには出来たてのモンが食いたいんだとよ。
……朝夕はちゃんと作ってるじゃねーかよ……。
昼メシは別だ?
知らねーよ。
欠食児童がワガママ言いまくるので。
粉だ、粉。
「「「え?」」」
粉を焼いて皮を量産する。
「「「皮」」」
よーするに、クレープの皮だけガンガン焼くから、好きな具材を巻いて食え、ってことだ。
「あ、なんか面白い」
「甘いのもイケるわよねぇ」
「……君が地味に大変なんじゃないかなぁ」
ノリノリなスズ、リッカさんに対して、ミヤさんが地味~に俺の心配してくれたのが、ちょっと嬉しかった。
で、わいわいしながら昼メシ食って。
食休み兼ねて茶の間でまったり。
そーいや、リッカさんには言ってなかったよな。
銀竜がこっちに向かってる。
しかも2人で。
「え?」
リッカさんもキョトン顔だ。
……だよね~。
まあ、敵対してるヤツではなさそうだし、何らかの情報源かなんかじゃないか?
知らんけど。
不意に、考え込むリッカさん。
そしてナニかを期待するよーに。
「……カーラさんと一緒、とか言わないかしら……?」
スズがシラケた目でリッカさんを見た。
「……単に自分が男夫婦の片割れを見たいだけなんじゃないですか……」
ミヤさんは固定されたよーに、半笑いのままだ。
その辺に関知する気は無いとみた。
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