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突入、っつ~か。
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錬金術師の館前。
あ~……確かにムダに立派な建物だわ。
中は魔境らしいけどな。
まずはこのムダにご立派な建物全体ぐるっとくるみ込むよーに……。
前に誘拐婚の村でリッカさんがやったみたいに地中にまで張り巡らせる形で、まんまるく結界を張った。
や、地下室あるっていうし?
脱出口とかあるかもだし。
そこから妙なモノが街中に溢れ出したりしたらイヤじゃないか。
と、いうよりも。
魔素の取りこぼしとかあったら、もったいないじゃないか。
……そーだよ。
完全に、俺の都合だよ。
正直錬金術師の正体とかどーでもいいわ。
きっちりと〆た上で、魔素だけごっそりいただくだけだ、
ヤツがどこの世界から来た誰か……とか、一切興味無い。
んじゃそろそろ?
夜分遅くに、失礼しますよっ!
ドアをノックして、開いた瞬間。
圧縮空気弾一発、叩き込んだ。
ドアを開けたらしい、執事的な格好した──燕尾服でコジャレた感じのじーさんが思いっ切りよく吹き飛んだ。
脆かったのか、単にお粗末な出来だったのか。
壁に叩き付けられたじーさんは、ぐずぐずに崩れた。
……肉人形だもんな。
過度な衝撃に耐えられなかったか……。
ジェイよ、しっかりついてこいよ。
案内もよろしく。
んじゃ、ミヤさん。
行きますよ。
文字通り、殴り込んだ。
……これ、むしろ襲撃じゃね?
──その頃──
《探索》で館内部の状態を見ていたスズ、リッカ、銀竜の3人は。
「お~……赤い点が1ヵ所に集まりながらも、片っぱしから消えていく……」
「コウ君もミヤさんも、ヤる気に満ち溢れてたものね~。あ、この後ろの方でうろちょろしてるの、ジェイ君かしら?」
「ライカンなのに……ジェイって、意外とヘタレ?」
スズとリッカはどこかお気楽だ。
銀竜は周囲の様子を伺いながら、2人を促して館の裏へと廻る。
戸締まりしているはずの裏口を難なく開けて、2人を誘導していく。
本当に大暴れしているらしく、人の振りをした肉人形はみなコウ達の元へと集まっていく。
得体の知れないバケモノ達も。
銀竜に誘導されながら、静かに密やかに2階へと向かうスズとリッカ。
自分達に遮音結界を張り巡らせ、些細な音もしないようにした上で、精一杯急いで……。
途中、コウ達の方へ行かなかった奇妙なイキモノ達を避けて歩き。
パタパタと走りまわる、人イヌ人ネコ達の間をすり抜けて。
なんとか一戦も交えずに、目的の部屋にたどり着いた。
「は~……。なんとかついた~……」
「……精神的に疲れたわね……」
部屋の前で、既にぐったり気味な2人。
銀竜は部屋の中の様子を伺いながら、ドアの鍵を……。
「……おや?」
開いていた。
「……」
「………」
「……どうやら鍵を掛ける必要すら無いと思われてるようですね……」
ちょっと拍子抜けした3人だった。
こそーっとドアを開けて、中を覗き込む。
「……真っ暗だな」
「そりゃあ、ドアの鍵すら掛かってないんだもの。部屋の明かりなんか、つけるわけないわよ」
「中には……小さきモノの気配しかありませんが……」
?
捕らわれてるのは、ジェイの母親だったよね?
???
こそこそーっと部屋に入り込み、ささやかな明かりを灯して……。
「あれ?」
そこには首にガッチリと首輪を付けられて、鎖で壁に繋がれた、1匹の猫がいた。
あ~……確かにムダに立派な建物だわ。
中は魔境らしいけどな。
まずはこのムダにご立派な建物全体ぐるっとくるみ込むよーに……。
前に誘拐婚の村でリッカさんがやったみたいに地中にまで張り巡らせる形で、まんまるく結界を張った。
や、地下室あるっていうし?
脱出口とかあるかもだし。
そこから妙なモノが街中に溢れ出したりしたらイヤじゃないか。
と、いうよりも。
魔素の取りこぼしとかあったら、もったいないじゃないか。
……そーだよ。
完全に、俺の都合だよ。
正直錬金術師の正体とかどーでもいいわ。
きっちりと〆た上で、魔素だけごっそりいただくだけだ、
ヤツがどこの世界から来た誰か……とか、一切興味無い。
んじゃそろそろ?
夜分遅くに、失礼しますよっ!
ドアをノックして、開いた瞬間。
圧縮空気弾一発、叩き込んだ。
ドアを開けたらしい、執事的な格好した──燕尾服でコジャレた感じのじーさんが思いっ切りよく吹き飛んだ。
脆かったのか、単にお粗末な出来だったのか。
壁に叩き付けられたじーさんは、ぐずぐずに崩れた。
……肉人形だもんな。
過度な衝撃に耐えられなかったか……。
ジェイよ、しっかりついてこいよ。
案内もよろしく。
んじゃ、ミヤさん。
行きますよ。
文字通り、殴り込んだ。
……これ、むしろ襲撃じゃね?
──その頃──
《探索》で館内部の状態を見ていたスズ、リッカ、銀竜の3人は。
「お~……赤い点が1ヵ所に集まりながらも、片っぱしから消えていく……」
「コウ君もミヤさんも、ヤる気に満ち溢れてたものね~。あ、この後ろの方でうろちょろしてるの、ジェイ君かしら?」
「ライカンなのに……ジェイって、意外とヘタレ?」
スズとリッカはどこかお気楽だ。
銀竜は周囲の様子を伺いながら、2人を促して館の裏へと廻る。
戸締まりしているはずの裏口を難なく開けて、2人を誘導していく。
本当に大暴れしているらしく、人の振りをした肉人形はみなコウ達の元へと集まっていく。
得体の知れないバケモノ達も。
銀竜に誘導されながら、静かに密やかに2階へと向かうスズとリッカ。
自分達に遮音結界を張り巡らせ、些細な音もしないようにした上で、精一杯急いで……。
途中、コウ達の方へ行かなかった奇妙なイキモノ達を避けて歩き。
パタパタと走りまわる、人イヌ人ネコ達の間をすり抜けて。
なんとか一戦も交えずに、目的の部屋にたどり着いた。
「は~……。なんとかついた~……」
「……精神的に疲れたわね……」
部屋の前で、既にぐったり気味な2人。
銀竜は部屋の中の様子を伺いながら、ドアの鍵を……。
「……おや?」
開いていた。
「……」
「………」
「……どうやら鍵を掛ける必要すら無いと思われてるようですね……」
ちょっと拍子抜けした3人だった。
こそーっとドアを開けて、中を覗き込む。
「……真っ暗だな」
「そりゃあ、ドアの鍵すら掛かってないんだもの。部屋の明かりなんか、つけるわけないわよ」
「中には……小さきモノの気配しかありませんが……」
?
捕らわれてるのは、ジェイの母親だったよね?
???
こそこそーっと部屋に入り込み、ささやかな明かりを灯して……。
「あれ?」
そこには首にガッチリと首輪を付けられて、鎖で壁に繋がれた、1匹の猫がいた。
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