83 / 90
ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮
ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮(3)
しおりを挟む
朝日山の山頂には、観音堂があった。
その裏手に、明らかに人為的に作られたと思われる洞窟があった。
しかし、陰陽師である涼子以外には、そこを感知することが出来なかった。
「九十九さん。観音堂の裏に洞窟の入口がありました」
「私たちには何も見えませんが……」
「なるほど。入口に特殊な結界が張られているようですね。それで、私のように陰陽道に関係のある人間にしかわからないようになっている。では、私が結界を解きましょう」
涼子が結界を解除すると、大きな洞窟が姿を現した。
「驚きました。こんなに立派な入口が隠されていたとは……」
洞窟の入口には石で作られた門があり、洞窟の内部も切り出した石で補強されていた。
「ここは人為的に手が加えられています。遺跡とみて間違いないでしょう」
「確かに、ダンジョンの入口みたいですー」
「内部がどうなっているのかわからないまま進むのは危険ですので、念のため、私がここで付喪神を飛ばします。ヒトガタという、紙で出来た依代に神を憑依させて、洞窟内部を確認してもらいます」
『この国におわします八百万の神々よ、我が依代に宿り、我に力を貸したまえ』
九十九はたくさんの紙のヒトガタを付喪神にして、洞窟の中へと飛ばした。
しばらくしてから、九十九は険しい顔をして涼子に報告した。
「この洞窟の内部は迷路のように入り組んでいます。迷宮といってもいい。このまま進んでいくのはあまりにも危険です」
九十九の言うとおり、この洞窟の内部は複雑に入り組んだ地下迷宮になっていた。
「これから洞窟の中に入るけど、サキ君とナージャ君はどうする?」
九十九は、二人が異世界で洞窟に閉じ込められていたことが、二人のトラウマになっていないか心配していた。
「先生と一緒なら、大丈夫です。なーちゃんはどう?」
「私も、サキちゃんと同じです」
「わかった。でも、無理だと感じたら、遠慮しないで言ってね」
「はーい、わかりました」
「サキ君。君のダウジング能力で正しい道順を確かめながら進もう。そうしないと、とても目的の宇治の宝蔵までは辿り着けなそうだ」
「はいはーい。今回はこれを使いますねー」
サキはダウジングロッドとよばれるL字の金属棒を取り出した。
「あ、私、この道具始めてみた。なんで名前なの、サキちゃん」
「これはダウジングロッドだよー。私は占いの用途によって、アイテムを使い分けてるんだー」
「へー、ダウジングにもいろんなアイテムがあるのね。私、振り子しか知らなかったわ」
サキがダウジングロッドに集中すると、正しい道順の方向へと金属が動いて道を指し示した。
「すごいですね。確かにこれなら迷わずに進むことが出来る」
「えへへ、私、占いだけは自信があるんです。外しませんよー」
その裏手に、明らかに人為的に作られたと思われる洞窟があった。
しかし、陰陽師である涼子以外には、そこを感知することが出来なかった。
「九十九さん。観音堂の裏に洞窟の入口がありました」
「私たちには何も見えませんが……」
「なるほど。入口に特殊な結界が張られているようですね。それで、私のように陰陽道に関係のある人間にしかわからないようになっている。では、私が結界を解きましょう」
涼子が結界を解除すると、大きな洞窟が姿を現した。
「驚きました。こんなに立派な入口が隠されていたとは……」
洞窟の入口には石で作られた門があり、洞窟の内部も切り出した石で補強されていた。
「ここは人為的に手が加えられています。遺跡とみて間違いないでしょう」
「確かに、ダンジョンの入口みたいですー」
「内部がどうなっているのかわからないまま進むのは危険ですので、念のため、私がここで付喪神を飛ばします。ヒトガタという、紙で出来た依代に神を憑依させて、洞窟内部を確認してもらいます」
『この国におわします八百万の神々よ、我が依代に宿り、我に力を貸したまえ』
九十九はたくさんの紙のヒトガタを付喪神にして、洞窟の中へと飛ばした。
しばらくしてから、九十九は険しい顔をして涼子に報告した。
「この洞窟の内部は迷路のように入り組んでいます。迷宮といってもいい。このまま進んでいくのはあまりにも危険です」
九十九の言うとおり、この洞窟の内部は複雑に入り組んだ地下迷宮になっていた。
「これから洞窟の中に入るけど、サキ君とナージャ君はどうする?」
九十九は、二人が異世界で洞窟に閉じ込められていたことが、二人のトラウマになっていないか心配していた。
「先生と一緒なら、大丈夫です。なーちゃんはどう?」
「私も、サキちゃんと同じです」
「わかった。でも、無理だと感じたら、遠慮しないで言ってね」
「はーい、わかりました」
「サキ君。君のダウジング能力で正しい道順を確かめながら進もう。そうしないと、とても目的の宇治の宝蔵までは辿り着けなそうだ」
「はいはーい。今回はこれを使いますねー」
サキはダウジングロッドとよばれるL字の金属棒を取り出した。
「あ、私、この道具始めてみた。なんで名前なの、サキちゃん」
「これはダウジングロッドだよー。私は占いの用途によって、アイテムを使い分けてるんだー」
「へー、ダウジングにもいろんなアイテムがあるのね。私、振り子しか知らなかったわ」
サキがダウジングロッドに集中すると、正しい道順の方向へと金属が動いて道を指し示した。
「すごいですね。確かにこれなら迷わずに進むことが出来る」
「えへへ、私、占いだけは自信があるんです。外しませんよー」
10
あなたにおすすめの小説
【完結】夫に穢された純愛が兄に止めを刺されるまで
猫都299
児童書・童話
タイムリープしたかもしれない。中学生に戻っている? 夫に愛されなかった惨めな人生をやり直せそうだ。彼を振り向かせたい。しかしタイムリープ前の夫には多くの愛人がいた。純愛信者で奥手で恋愛経験もほぼない喪女にはハードルが高過ぎる。まずは同じ土俵で向き合えるように修行しよう。この際、己の理想もかなぐり捨てる。逆ハーレムを作ってメンバーが集まったら告白する! 兄(血は繋がっていない)にも色々教えてもらおう。…………メンバーが夫しか集まらなかった。
※小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、Nolaノベル、Tales、ツギクルの6サイトに投稿しています。
※ノベルアップ+にて不定期に進捗状況を報告しています。
※文字数を調整した【応募版】は2026年1月3日より、Nolaノベル、ツギクル、ベリーズカフェ、野いちごに投稿中です。
※2026.1.5に完結しました! 修正中です。
黒地蔵
紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。
※表紙イラスト=ミカスケ様
9日間
柏木みのり
児童書・童話
サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。
(also @ なろう)
こちら第二編集部!
月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、
いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。
生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。
そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。
第一編集部が発行している「パンダ通信」
第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」
片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、
主に女生徒たちから絶大な支持をえている。
片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには
熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。
編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。
この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。
それは――
廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。
これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、
取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。
アリアさんの幽閉教室
柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。
「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」
招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。
招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。
『恋の以心伝心ゲーム』
私たちならこんなの楽勝!
夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。
アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。
心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……??
『呪いの人形』
この人形、何度捨てても戻ってくる
体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。
人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。
陽菜にずっと付き纏う理由とは――。
『恐怖の鬼ごっこ』
アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。
突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。
仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――?
『招かれざる人』
新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。
アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。
強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。
しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。
ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。
最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
まぼろしのミッドナイトスクール
木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる