探検隊ルイーザと不思議な物語

旅立 マス

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第3章 冒険の始まり

3–5

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その後、ルイーザはワッフルを偶然見つけた村まで走らせた。人口は100人くらいの小さな村だ。村の宿屋に3人は身を寄せた。
「何とか逃げ切ったかな」
「それにしてもジュン、木を倒して相手を怯ませる何てよく思いついたね」
「いや、何とかなって良かったよ。まさか木を倒したくらいで怯むとは・・・」
正直、木を倒した程度で怯むとはジュンも思ってなかった。苦し紛れにやったことが上手くいって良かった。木を倒しただけじゃなくルイーザが燃やしてくれたのも成功した要因の一つだろう。
「とは言え、あいつらずっとあそこにいるのかな?このままだと目的地に行けないね」
目的地と反対の方向に逃げてしまった。この平原を越えるためにはあのゴブリン達を何とかしないといけない。
「一体一体はあまり強い訳じゃないのに・・・。まさか、数が問題になるなんて・・・」
確かに、さっきの戦いは完全に数に押し負けた感がある。せめてまとめて攻撃することが出来ればいいのだが。今の2人には複数を相手に攻撃する手段がない。完全に接近戦向けの2人だった。そして、それに対する有効手段が無くお手上げな状態だった。
そんな2人を見たトルクはひとつのアイテムをそれぞれ2人に渡す。
「ジュンさん、ルイーザさん、このアイテム使ってみませんか?」
「これは?」
「これは、ボムの実というアイテムで、投げると爆風を出すことができますよ。」
これを使えば広範囲に攻撃が出来る。魔法攻撃が苦手な人、接近攻撃を得意とする人向けの攻撃アイテムだ。ただし、遠くに投げることが前提のアイテムなので、近くに投げると自分もダメージを受ける可能性がある。
「これならゴブリンクラスのモンスターなら倒すことができます」
「なるほどね、これを使って周りのザコを倒して一気に親玉に近づくと言うわけか」
この作戦が今のところは一番有効な策だろう。後は、都合よくゴブリン達が現れるといいけど。
そんな中、ルイーザは何か気になるような顔をしていた。
「ルイーザ、気になることあるの?」
「いや、単純な疑問だけど、あいつらどこから現れたのかなって」
「どういうこと?」
「いや、私が水江の街に行った時はあいつら見かけなかったよ」
「最近現れたんじゃないの?」
「この異界が出来たのも最近だよ?それにしてはこの平原を抑えるのに随分と手際がいいよね。あいつらにそんな知恵があるとも思えないけど」
ゴブリンは低レベルなモンスターだ。そして、ハイゴブリンはゴブリンより強いとは言え、軍隊のようにまとめる知恵を持ってはいない。
「つまり、あいつらは訓練されてるということ?」
「うん、あのゴブリン達の背後に何かいるような気がする」
「それはあいつらを倒して聞き出せばいいんじゃない?」
「まあ、それもそうね」
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