探検隊ルイーザと不思議な物語

第4章 占拠された街

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「ライオット・クルール。あんたの事は知ってるぜ。リフィリア王国のギルドのNo.2だったな。組織の要注意人物。そんなあんたを倒せば俺の出世は間違いないな」
「組織・・・リズが追っていた一味の1人か。何者だ？」
「アンタの強さに敬意を表して名乗ろう。俺はファラン。ギガロ様が率いるナンバーズの1人だ」
この異界を作り出した元凶、ギガロの仲間。まさか、今回の事件に組織が絡んでいるとは。
「まさか、ここで組織のメンバーの1人と会えるとはな。ここでお前を捕まえて組織の事を聞き出してやる」
クルールはファランに強烈な一撃を入れようとする。だが、クルールの攻撃はファランに当たらない。
「速い！」
「あんたにとっては俺は苦手なタイプだろうな」
力押しで戦うクルールにとって、素早さで翻弄して攻撃するファランは相性が悪い。
ファランは素早さを活かしてクルールにパンチ攻撃を繰り出す。クルールも反撃しようとするが、ファランの回避が早い為、攻撃が当たらない。ファランの一方的な攻撃が続く。
「なるほどな。確かに俺の事を調べているみたいだな。だが、調査不足みたいだな」
「何？」
「レベル8の実力を甘く見るなよ！」
クルールからものすごい覇気を感じる。
「なんだ、これは。たった1人の男からこれだけの覇気を感じるとは・・・」
「お前のような敵に対して対抗策があるんだよ。ただ、力だけで攻める俺と思うなよ！」
クルールの手が輝く。そこから物凄いパワーを感じる。
「覚えておけ、これが俺の全力だ。超必殺『獣波動』！」
クルールの手から光の弾が目に見えるのがやっとなくらいのスピードで放たれる。
その弾は一つ、また一つ、ファランに当たる。
「うぉぉぉぉー！」
クルールがさらに連続で放つ。それらは全てファランに命中する。
「ば、バカな・・・」
自分の得意とする速さ以上の攻撃をするとは。避けることも出来ず全ての弾を受けたファラン。反撃する力は残っていない。まさか手出しが出来ないのはこちら側とは、誤算だった。しっかりと調査したはずなのに、どこで計算が狂ったのか。これがリフィリア王国No.2の実力。その強さを思い知ったファランは、勝てないと観念する。
「ファランよ。貴様をギルドに突き出してやる。覚悟するんだな」
「くそ・・・」
クルールは手持ちの手錠をファランの手に掛ける。
「これで舟堀の街は開放だな」
圧倒的な実力を見せたクルール。しかし、疲れはかなり貯まったのか、すぐに床に座る。
「やれやれ、昔ほど激しくは動けないものだな」
圧倒的な実力を見せても、歳による体の衰えには勝てないなと思うクルールだった。