探検隊ルイーザと不思議な物語

第8章 勇気の向こう側に

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ローデンは彼らに驚かされっぱなしだ。
たかがレベル4しかない者がここまで互角に戦うとは思わなかったからだ。
「風の刃を撃ち落としたくらいで調子に乗らないことです。あなた達は何の技を受けて敗れたかお忘れですか？」
前回のあの戦いで敗れたあの技の攻略方法は見つかっていない。あれをどうにかしないと、この戦いの勝利は見えてこないのだ。
「さて、あなた達を倒して計画を練り直さないといけません。これで終わらせますよ」
ローデンは風の渦を出してきた。ジュン達に緊張が走る。
「ウェンディ、お願い！」
「任せて」
ウェンディはジュンとルイーザの前に立つ。
前回の戦いでは居なかった彼女。しかし、情報収集していない訳ではない。ファランを倒した時、ロボットを破壊した時など、2人のサポートとして戦いに参加していた。そんな彼女に何ができるのか。ローデンは疑問に思った。
3人に風の渦が近づいてくる。ウェンディに風の渦が近づいた瞬間、風の渦が消滅してした。
「そんな、馬鹿な・・・！？」
「やった！成功だ！」
ファランは状況が理解できなかった。どうして自分の技が攻略されたのか。
「とうして・・・」
「あなたの風の渦に対して、私も風の渦を使ったからね」
「なんだと！？」
「私が出した風の渦はあなたの風の渦に対して反対に渦を巻いてるわ。そのお陰で、あなたの渦を打ち消すことができたわ」
いや、それよりも気になるのは・・・
「私の調査ではあなたはサポート技しか使えないのでは・・・」
「それ調査不足ね。私はサポート魔法より攻撃魔法の方を得意とているのよね」
ウェンディは、今回の戦いに出る前までサポート魔法は全くできなかった。クルールの特訓のおかげで、回復、強化を中心に様々なサポート魔法を覚えた。
以前はどうだったのか。ジュン達と出会う前は、医者として色々な所を旅すると同時に、身を守らないといけない為、攻撃魔法を覚えた。
長い旅のお陰か、魔法に対する腕がどんどん上がっていった。だが、なかなか回復魔法などを覚える為の時間が取れなかった。そんな状況だった。
それを戦いの前に聞いた2人は、ウェンディの風の渦の作戦を思いついたのだ。
確かに上手くいく確信は無かった。あの時点では攻略方法は無いに等しかったのだ。
「まさか、そんなことが起きるとは・・・」
「これでお前の技は攻略した。前回のようにはいかないぞ」
計画というのは100%上手くいくという確証はない。だが、どれだけ100に近づけるかは考えないといけない。目の前の3人にローデンは計算を狂わされっぱなした。
慢心していたとは思えない。だが、こう、失敗が続くということは慢心をしていたのだろう。これでは、かつてギガロがレベル1を相手にやられた時と何も変わらない。これではまたギガロにどんどん先を越されてしまう。
それだけは阻止したいというローデンの想いが、さらに本気を出そうとしていた。