探検隊ルイーザと不思議な物語

旅立 マス

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第9章 クリスタルの洞窟

9–5

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すると、突然風が吹き始めた。3人は細い道から足を踏み外した。
「うわー!」
ドボーン!
3人はそのまま水の中に落ちる。早く上がらないとと、焦る3人。しかし、冷たいと思った水が違うものだった。
「うわ、冷たっ・・・くない!?」
「むしろ、温かいわね、この水。まるで温泉みたいね」
3人は落ちた水が温泉だと知り安心した。
「けど、この温泉、どこに繋がってるのかな?」
落ちたところから登れる場所は無さそうだし、3人はそのまま温泉の川を進んだ。しばらくすると浅瀬を見つけた。ここから温泉の外に出られそうだ。
しかし、ジュンは気づいた。
「あれ?このまま上がると体が冷えない?」
温泉の外はすごく寒いところだ。濡れた体で外に出るわけにもいかない。
「そうだ、いいこと考えた」
ジュンは大型剣を出して、温泉からさっと出て、剣を地面に刺して、すぐに温泉に戻った。
「ルイーザ、あの剣に火の魔法をぶつけて火属性の力を付与させてよ」
「分かったわ」
ルイーザはジュンが出した剣に火の魔法をぶつける。剣は火属性になった。
その剣にジュンは近づいた。
「おお・・・暖かい。2人ともこれなら濡れた体と服を乾かせるよ」
「なるほどね、剣をたき火代わりにしたのね」
ルイーザとウェンディも火属性の剣の近くに行って体と服を乾かした。
それにしても、どこに来たのだろうか。周りを見ると、3つの分かれ道と戻ると思われる道が1つある。
「もしかして、元の分かれ道がある場所に戻ってきた?」
「うん、戻ってきたかも。その根拠に、私たちが右の道に向かった時の足跡が残ってるわ」
確かに、右の道に進んだと思われる足跡が残っている。ジュン達が右の道に進んでからそんなに時が経ってないから、恐らくこの足跡は本物だろう。
「右の道はハズレかぁ・・・」
「いや、あの細い道を攻略できれば可能性はあるかも」
「あの風にも耐えられる装備があれば行けるかもしれないな。いや、待てよ・・・」
ジュンは何かを思い出した。
「あ、グリーンヒル村の市場で買い物した時に、ちょうどいいものを買ったんだ」
ジュンは、鉄でできた靴を出した。
「雪や氷の上で滑り止めの効果がある靴みたいだけど、これ使えるんじゃない?」
鉄でできた靴だけあって、見た目は重そうな感じだ。これを装備すればさっきの風に耐えられるかもしれない。
「って、そういう装備持ってるなら最初に出してよ!」
「しょうがねえじゃん。ここは思ったより滑るような地形じゃないし、まさかこんな使い方を思いつくなんて思わないだろ」
「まあまあ、ジュン、ウェンディ、落ち着いてよ。とにかく、これで進めるかもしれないわね」
「まあ、そうだな。この靴を装備してさっきの道へ再挑戦だ」
3人は再び、右の道へ進んだ。
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