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今日の朝も、剛士からもらった可愛い真っ白のアンティーク調のドレッサーの椅子に座りお化粧をした。



そして、真正面だけではなく右からも左からも自分の顔を見た。
可愛いドレッサーの鏡には、“綺麗な女の人”が映っていた。



オーシャンが入社をして4ヶ月が経とうとしている7月末・・・。
1度も話し掛けてくれることもなく、1度も目を合わせてくれることもなく、あたしに全く興味のないオーシャン・・・。



苦境だった・・・。
人生で初めての、ここまで厳しい苦境だった・・・。



誘われた飲み会にも参加出来ないほどの苦境だった・・・。
そこで明るく楽しく笑える自信がないくらいの苦境だった・・・。



可愛いドレッサーの鏡に映る、“木葉”に似た“綺麗な女の人”に笑いかける。



会社に行こう。
人生で初めて働けることになった一般企業の会社に。
人生で初めてオーシャンと働けることになった一般企業・・・あの大きな大きな生き物である会社に行こう。



そして、空気を読もう。
話し掛けてはいけない空気を出しているオーシャンが、いつかあたしが話し掛けても良い空気を出してくれるかもしれないから。



だから今日も、明るく楽しく笑おう。
どんな苦境でも。
そしたら、友達であるあたしの空気は明るく楽しく笑い出す。



大丈夫・・・



大丈夫・・・。



まだ笑える。
あたしはまだ笑える・・・。



小さな頃からずっとそうやって生きてきたから・・・。



苦境の時ほど、明るく楽しく・・・笑おう・・・。
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