上 下
203 / 248
7

7-7

しおりを挟む
荒れ狂う心の中のまま、それでも冷静に立ち上がった。
心の中が荒れ狂っているのは気付かれないように・・・。



こういう時に俺みたいなタイプが興奮して話すと逆に相手が冷めることは知っている。
だから、うちの家族は俺も妹も冷静だし冷めている。



冷静さを保ちつつ、俺もクラスを見渡した。



木葉君のお陰で最高に良い雰囲気が整っていた。
ここまで温まっている自己紹介タイムを迎えたのは初めてだった。



そう思いながら、俺は笑った。



可愛く・・・笑った。



俺の顔は母さんに似て女の子のように可愛いと知っているから。



そして、ゆっくりと口を開いた。



「“僕”は真坂です。
名前は大きな海と書いて、まさかのオーシャンです。」



みんなが驚いた顔をしている中、それでも冷静に続けた。



「顔もこんな顔ですし、身長も155センチでヒョロヒョロで。
“僕”にキラキラネームの代表みたいな名前を付けた“お父さん”は想像通りの“元ヤン”です。
小学校でも中学校でも“まさかのオーシャン”って言われていました。
僕自身は“オーシャン”という感じではないので、“真坂”と呼んでください。
よろしくお願いします。」
しおりを挟む

処理中です...