15 / 280
1
1-15
そんな驚くしかない言葉に固まっていると、お客様は照れた顔で笑いながらキッチンにいる私の所まで歩いてきた。
そして、固まるしかない私を見下ろしてくる・・・。
「毎日まり姉に会いたいんですけど、ダメかな?」
そんな・・・
そんなことを言ってきて・・・
私の顔を・・・前髪で隠れている顔をジッと見詰めてきた・・・。
それに目を逸らしてしまいたくなったけど・・・
顔を上げてお客様を見上げ続ける・・・。
そんな私を見下ろしながら、お客様は恥ずかしそうな顔になり・・・
ゆっくりと口を開いた・・・。
「もしかしてだけどさ・・・」
そんな始まりに心臓が止まりそうになった・・・
止まりそうになった・・・。
そして、言った・・・。
お客様が、言った・・・。
「まり姉って、岩渕さんだよね?」
そう、言った・・・。
小学校で6年間同じクラスだったお客様が・・・。
中学で別々になったお客様が・・・。
私の初恋だったお客様が・・・。
小学校の卒業式の日、私は告白なんてことをしてしまったお客様が・・・。
“難しいお客様”だった・・・。
私にとっては“難しいお客様”だった・・・。
初めて社会人になれたこの仕事で、お客様として再会してしまったのは初恋の人で・・・。
私が大好きだった人で・・・。
そんな人から出された注意事項・・・
“お客様と個人的に一切関わらないこと”
“お客様のことを絶対に好きにならないこと”
そんな注意事項、難しかった・・・。
私にとってはとても難しかった・・・。
苦しくなった・・・。
痛くなった・・・。
悔しくなった・・・。
それでも顔を上げ、お客様を見上げて・・・
「はい・・・。」
と、返事をした・・・。
返事をした・・・。
そしたらお客様はとても嬉しそうに笑っていた・・・。
とてもとても嬉しそうに、笑っていた・・・。
「俺、的場和雄(かずお)。
・・・覚えてるかな?」
そう言って、笑っていた・・・。
的場製菓の代表取締役の息子、26歳で副社長でもあるこの人がそう言って笑っていた・・・。
なんだか熱い眼差しを私に向け、笑っていた・・・。
そんな風に感じてしまうのは私がコミュ障だから・・・。
きっと、コミュ障だから・・・。
本当は普通に見下ろしているだけだと思う・・・。
昔も勘違いしてしまった・・・。
それで告白なんてことをしてしまった・・・。
だからこれは普通に見下ろしているだけ・・・。
きっと、それだけ・・・。
長い前髪の隙間から見える初恋の人の顔を見上げながら、必死にそう考え続けた・・・。
そして、固まるしかない私を見下ろしてくる・・・。
「毎日まり姉に会いたいんですけど、ダメかな?」
そんな・・・
そんなことを言ってきて・・・
私の顔を・・・前髪で隠れている顔をジッと見詰めてきた・・・。
それに目を逸らしてしまいたくなったけど・・・
顔を上げてお客様を見上げ続ける・・・。
そんな私を見下ろしながら、お客様は恥ずかしそうな顔になり・・・
ゆっくりと口を開いた・・・。
「もしかしてだけどさ・・・」
そんな始まりに心臓が止まりそうになった・・・
止まりそうになった・・・。
そして、言った・・・。
お客様が、言った・・・。
「まり姉って、岩渕さんだよね?」
そう、言った・・・。
小学校で6年間同じクラスだったお客様が・・・。
中学で別々になったお客様が・・・。
私の初恋だったお客様が・・・。
小学校の卒業式の日、私は告白なんてことをしてしまったお客様が・・・。
“難しいお客様”だった・・・。
私にとっては“難しいお客様”だった・・・。
初めて社会人になれたこの仕事で、お客様として再会してしまったのは初恋の人で・・・。
私が大好きだった人で・・・。
そんな人から出された注意事項・・・
“お客様と個人的に一切関わらないこと”
“お客様のことを絶対に好きにならないこと”
そんな注意事項、難しかった・・・。
私にとってはとても難しかった・・・。
苦しくなった・・・。
痛くなった・・・。
悔しくなった・・・。
それでも顔を上げ、お客様を見上げて・・・
「はい・・・。」
と、返事をした・・・。
返事をした・・・。
そしたらお客様はとても嬉しそうに笑っていた・・・。
とてもとても嬉しそうに、笑っていた・・・。
「俺、的場和雄(かずお)。
・・・覚えてるかな?」
そう言って、笑っていた・・・。
的場製菓の代表取締役の息子、26歳で副社長でもあるこの人がそう言って笑っていた・・・。
なんだか熱い眼差しを私に向け、笑っていた・・・。
そんな風に感じてしまうのは私がコミュ障だから・・・。
きっと、コミュ障だから・・・。
本当は普通に見下ろしているだけだと思う・・・。
昔も勘違いしてしまった・・・。
それで告白なんてことをしてしまった・・・。
だからこれは普通に見下ろしているだけ・・・。
きっと、それだけ・・・。
長い前髪の隙間から見える初恋の人の顔を見上げながら、必死にそう考え続けた・・・。
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
藤白ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
アラ還妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、睦美の娘・愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。
『床下に札束を隠す金髪悪女は、毎朝赤いマットの上で黒の下着姿で股を開く』〜ストレッチが、私の金脈〜
まさき
恋愛
毎朝六時。
黒の下着姿で、赤いヨガマットの上に脚を開く。
それが橘麗奈、二十八歳の朝の儀式。
ストレッチが終わったら、絨毯をめくる。
床下収納を開けて、封筒の束を確認する。
まだある。今日も、負けていない。
儚く見える目と、計算された貧しさで男の「守りたい」を引き出し、感情を売らずに金だけを回収してきた。
愛は演技。体は商売道具。金は成果。
ブリーチで傷んだ金髪も、柔らかく整えた体も、全部武器だ。
完璧だったはずの計算が、同じマンションに住む地味な男——青木奏の登場で、狂い始める。
奢らない。
触れない。
欲しがらない。
それでも、去らない。
武器が全部外れる相手に、麗奈は初めて「演じない自分」を見られてしまう。
赤いマットの上で、もう脚を開けなくなる朝が来るまでの話。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。