【完】可愛くて美味しい真理姉

Bu-cha

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「あの・・・っ、あの・・・」



受付にはすごく美人な女の人とすごく可愛い女の子が並んでいて・・・。
すごく可愛い女の子は対応中だったので、すごく美人な女の人に必死に話し掛けようとする・・・。



でも・・・



でも・・・



声が、出てこない・・・。



見ないで欲しかった・・・。



私を見ないで欲しかった・・・。



綺麗にメイクされている美人な女の人・・・



笑っているけれど強そうな女の人・・・。



そんな女の人が笑顔のまま綺麗に塗られたリップ・・・その唇を動かした。



「お約束はございますか?」



そう聞いてくれ、スラッとした手で茶色い髪の毛を右手で少しだけ掻き分けていた。



そんな美人な女の人に小さく頷くと、美人な女の人は笑顔のまま質問を続けてくれる。



「お名前とお約束のお時間、それと弊社社員の所属部署や名前はご存知ですか?」



そんな質問にまた小さく頷く・・・。



そして、小さな声で言った。



「あの・・・的場さんに・・・。」



「的場・・・ですか?」



そう聞かれまた小さく頷く。



「的場は・・・役員に多くいる名字ですが・・・。
所属部署や下の名前はご存知ですか?」



「あの・・・和、雄、さん・・・。」



それだけ伝えられ少しホッとした時、



美人な女の人の目が私を見下すように見てきた・・・。



確かに、そう見てきた・・・。



よくこんな目をされていたから分かる。



これは、よく分かる。
知っている目だから・・・。
私は小学生の頃から、こういう目の女の子達から酷いことを言われてきたから・・・。



そんな私に、美人な女の人が真っ赤なリップを塗った唇を動かしながら笑った・・・。



「全然笑えない冗談なんだけど。」



小さく呟いた声だったけど、それは確かに聞こえた・・・。
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