【完】可愛くて美味しい真理姉

Bu-cha

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そんなことを考えながら、“可愛い私”で家を出た。
2月の寒い空気の中、“可愛い私”で。



街の中はバレンタインの飾り付けがされている。



可愛いバレンタインのお菓子が沢山並んでいるお店の前、そこの窓ガラスで自分の姿を見る・・・。



オフホワイトの可愛いショートコート、
少しくすんだピンクのニットのロングワンピース・・・。
少しボディラインが分かるワンピースからは私の美しい身体がなんとなく分かる。
そこにココア色のショートブーツを合わせた。



ブルーアッシュの髪の毛は可愛くヘアアレンジをして、
そして・・・長い前髪はセンターで分け毛先だけ少し巻き左右に流した。



高級ブランドのシンプルなハンドバッグを持ち、スッと立っている“可愛い私”・・・。



イエベ春のメイクでブルベ夏が似合う色の服を着てしまったけれど、それでも私は“可愛い私”だった。



でもこれは、あの人に・・・“彼氏”に会う為ではない。
“彼氏”には“仕事で忙しい”と断りのメッセージを送った。



この姿で都心にある百貨店まで行く予定が私にはあったから。
そこで洋服やメイク用品を見ていく。
購入するかは分からないけれど、気になる物があれば購入したいと思っていた。



そんな予定があったし・・・



あの人から別れ話を聞けるくらいの気持ちの整理がついていなかった・・・。



理子にもまだ話せていない・・・。



あの人から私が・・・“別の私”が・・・



キスというか・・・



チョコの味見だとは思うのだけど、そういうことをされたと・・・。



自宅に来ている家事代行の人に、あの人がそんなことをしたと・・・。



その翌日、会って話がしたいと“彼女”にメッセージを送ってきたと・・・。



そんな流れだということを私は理子にも言えなかった・・・。



それだけではなく・・・



日頃から“別の私”が勘違いしてしまうようなことをしてくると、理子にも誰にも言えていなかった・・・。



難しいお客様だった・・・。



あの人は、とても難しいお客様だった・・・。



もう1人の私の彼氏であるあの人は・・・



とても難しいお客様だった・・・。
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