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「ただいま・・・。」
「真理姉、お帰り~!!」
我が家に帰ると、理子がカメラを片手に玄関まで出迎えに来てくれた。
「和君と話せた?」
「うん・・・。
“武装”が出来た・・・。
初めて、“武装”が出来たの・・・。」
「真理姉、メイクでこんなに可愛く変身出来たのに、武装は出来なかったもんね!!
和君との“今度”があっただけじゃなくて、話せてよかったね!!」
「うん・・・。」
返事をしながら自分の部屋に入ると、理子がカメラを回したまま私の部屋に入ってきた。
「あんまり嬉しくなかったの?」
理子がそう聞いてきて・・・私は少し悩み・・・
「和君と、付き合うことになった・・・。」
と、答えた・・・。
「えぇええぇ!!!?
付き合うことになったの!?今!?」
「うん・・・今・・・。」
「急展開だね!!!
真理姉が真理姉だって覚えてたんだ!?」
理子にそう聞かれ、私は小さく笑いながら首を横に振った。
そして、お母さんの薄いピンク色のドレッサーに座る・・・。
お母さんのドレッサーの鏡には、可愛い女の子が映っていた・・・。
とても可愛い女の子が映っていた・・・。
「和君は、私が“私”だって気付いてないよ・・・。
“私”のことはきっと・・・忘れてる・・・。
でも、それでいいの・・・。
忘れてて欲しい・・・。
コミュ障で勘違いの“私”なんて、忘れてて欲しい・・・。」
「真理姉・・・。」
「12時を過ぎたけど・・・また魔法を掛けられる・・・。
私は私自身に魔法を掛ける練習をしたから・・・また魔法を掛けられる・・・。」
そう言って、理子に笑い掛けた・・・。
「2週間後の日曜日、和君からパートナー同伴のパーティーに誘われて・・・。
色んな会社の経営者層だけが出席出来るパーティーなんだって・・・。
そんな貴族のパーティーに・・・ダンスはしないけど、舞踏会に行ってくる・・・。」
「じゃあ、舞踏会用のメイク練習しないとね・・・。
なるべく肌の負担を軽く、でも華やかになるメイクを!!
あとドレスアップも!!」
「うん・・・理子、ありがとう・・・。」
カメラを回し続ける理子にお礼を伝え、私は顔を上げて言った・・・。
「夜の12時までには、必ず帰ってくる・・・。
1時を過ぎてから寝ると必ず肌荒れするからね・・・。
それで・・・忘れ物も落とし物もしないで、必ず帰ってくる・・・。」
「落とし物、か・・・。」
「うん・・・女の子なら1度は憧れるようなあの映画・・・。
落とし物があったからアレには続きがあったけど・・・私はそこでちゃんと終らせる・・・。」
「終らせなくてもいいのに・・・。」
「ダメだよ・・・。
そもそも、始めたらいけなかったから・・・。
でも・・・少しだけでも・・・夢を見たくて・・・。」
私は詐欺メイクだけでなく、詐欺“彼女”にまでなった・・・。
1日だけ・・・
1日だけ・・・
私は、和君の“彼女”として和君の隣に並ぶ・・・。
ドレスを着て・・・
舞踏会に、行く・・・。
「真理姉、お帰り~!!」
我が家に帰ると、理子がカメラを片手に玄関まで出迎えに来てくれた。
「和君と話せた?」
「うん・・・。
“武装”が出来た・・・。
初めて、“武装”が出来たの・・・。」
「真理姉、メイクでこんなに可愛く変身出来たのに、武装は出来なかったもんね!!
和君との“今度”があっただけじゃなくて、話せてよかったね!!」
「うん・・・。」
返事をしながら自分の部屋に入ると、理子がカメラを回したまま私の部屋に入ってきた。
「あんまり嬉しくなかったの?」
理子がそう聞いてきて・・・私は少し悩み・・・
「和君と、付き合うことになった・・・。」
と、答えた・・・。
「えぇええぇ!!!?
付き合うことになったの!?今!?」
「うん・・・今・・・。」
「急展開だね!!!
真理姉が真理姉だって覚えてたんだ!?」
理子にそう聞かれ、私は小さく笑いながら首を横に振った。
そして、お母さんの薄いピンク色のドレッサーに座る・・・。
お母さんのドレッサーの鏡には、可愛い女の子が映っていた・・・。
とても可愛い女の子が映っていた・・・。
「和君は、私が“私”だって気付いてないよ・・・。
“私”のことはきっと・・・忘れてる・・・。
でも、それでいいの・・・。
忘れてて欲しい・・・。
コミュ障で勘違いの“私”なんて、忘れてて欲しい・・・。」
「真理姉・・・。」
「12時を過ぎたけど・・・また魔法を掛けられる・・・。
私は私自身に魔法を掛ける練習をしたから・・・また魔法を掛けられる・・・。」
そう言って、理子に笑い掛けた・・・。
「2週間後の日曜日、和君からパートナー同伴のパーティーに誘われて・・・。
色んな会社の経営者層だけが出席出来るパーティーなんだって・・・。
そんな貴族のパーティーに・・・ダンスはしないけど、舞踏会に行ってくる・・・。」
「じゃあ、舞踏会用のメイク練習しないとね・・・。
なるべく肌の負担を軽く、でも華やかになるメイクを!!
あとドレスアップも!!」
「うん・・・理子、ありがとう・・・。」
カメラを回し続ける理子にお礼を伝え、私は顔を上げて言った・・・。
「夜の12時までには、必ず帰ってくる・・・。
1時を過ぎてから寝ると必ず肌荒れするからね・・・。
それで・・・忘れ物も落とし物もしないで、必ず帰ってくる・・・。」
「落とし物、か・・・。」
「うん・・・女の子なら1度は憧れるようなあの映画・・・。
落とし物があったからアレには続きがあったけど・・・私はそこでちゃんと終らせる・・・。」
「終らせなくてもいいのに・・・。」
「ダメだよ・・・。
そもそも、始めたらいけなかったから・・・。
でも・・・少しだけでも・・・夢を見たくて・・・。」
私は詐欺メイクだけでなく、詐欺“彼女”にまでなった・・・。
1日だけ・・・
1日だけ・・・
私は、和君の“彼女”として和君の隣に並ぶ・・・。
ドレスを着て・・・
舞踏会に、行く・・・。
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