215 / 280
12
12-18
しおりを挟む
しっかりと顔を上げながらそう言う岩渕さんを、俺はこんなに近くで初めて見て・・・
強いなと、なんとなく思った・・・。
さっきまで見ていた妙子と全然違うはずなのに、なんとなく・・・重なった・・・。
そんな岩渕さんに、聞いた。
「いつも顔上げてるよね、何で?」
聞いた俺に、岩渕さんは視線を俺に戻した。
「うちのお母さんから・・・言われてるから・・・。」
クラスの女の子達から最近よく聞く言葉を岩渕さんも言い出したかと思ったら・・・
岩渕さんが目の奥に力を込めた・・・。
でもそれは・・・
妙子のような力強さではなくて・・・
なんというか・・・。
それを何というか分からないでいると、岩渕さんは続けた・・・
「“顔を上げて、真理。
下なんて向いてたら何も見えないでしょ。
苦しくても悲しくても悔しくても、泣く時でも顔を上げてて。”」
岩渕さんがそう言った後・・・
寝癖だらけの髪の毛を少しだけ手で触った・・・。
「そしたら、見えるから・・・。
きっと・・・よく見えるから・・・。
だから前を向いてる・・・顔を、上げてる・・・。」
何が見えるのかよく分からなかったけど・・・
俺も前を向いていたから見えた・・・。
“うちのお母さんが言ってた”
その次に出てきた言葉・・・
それを口に出した時の岩渕さんの姿は、他の女の子達と違ってとても可愛くて・・・なのに、強く見えた・・・。
そんな岩渕さんに、聞いた・・・。
妙子に聞けなかったことを、岩渕さんに聞いた・・・。
「“優しく”って、何だと思う・・・?」
そう、聞いた・・・。
強いなと、なんとなく思った・・・。
さっきまで見ていた妙子と全然違うはずなのに、なんとなく・・・重なった・・・。
そんな岩渕さんに、聞いた。
「いつも顔上げてるよね、何で?」
聞いた俺に、岩渕さんは視線を俺に戻した。
「うちのお母さんから・・・言われてるから・・・。」
クラスの女の子達から最近よく聞く言葉を岩渕さんも言い出したかと思ったら・・・
岩渕さんが目の奥に力を込めた・・・。
でもそれは・・・
妙子のような力強さではなくて・・・
なんというか・・・。
それを何というか分からないでいると、岩渕さんは続けた・・・
「“顔を上げて、真理。
下なんて向いてたら何も見えないでしょ。
苦しくても悲しくても悔しくても、泣く時でも顔を上げてて。”」
岩渕さんがそう言った後・・・
寝癖だらけの髪の毛を少しだけ手で触った・・・。
「そしたら、見えるから・・・。
きっと・・・よく見えるから・・・。
だから前を向いてる・・・顔を、上げてる・・・。」
何が見えるのかよく分からなかったけど・・・
俺も前を向いていたから見えた・・・。
“うちのお母さんが言ってた”
その次に出てきた言葉・・・
それを口に出した時の岩渕さんの姿は、他の女の子達と違ってとても可愛くて・・・なのに、強く見えた・・・。
そんな岩渕さんに、聞いた・・・。
妙子に聞けなかったことを、岩渕さんに聞いた・・・。
「“優しく”って、何だと思う・・・?」
そう、聞いた・・・。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
12
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる