その理由を教えて

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長い長い校長の話、絶対に先生ですら早く終われと願っているはず。
でも,今それを1番願っているのは････



間違いなくあたし！！



足が自然とモジモジとしてしまう。



周りを見渡し先生を見ると、随分と遠くにいる。



行きたい･････



でも行けない･････



無理･････



限界･･･････



トイレ―――――っ！！



心の中でそう叫んだ時・・・



｢便所行っていいっすか？｣



そんな言葉が聞こえてきて、それには勢いよく顔を向けた。



｢なんだ,尾崎我慢できないのか？｣



｢もう限界っす。｣



｢仕方ないな,行ってこい。｣



“ズルイ！！”と思った瞬間、龍二がこっちを見てきた。



｢杏！！ついてこいよ！！｣



まさかのそんな言葉には驚いていると・・・



｢尾崎,トイレに妹までつれていく高校生がどこにいるんだよ。｣



｢俺,夜は未だにアイツに連れションさせてるんですよ。
ほら、俺の母親4歳の時に死んでるし。
唯一夜中に叩き起こせるのがアイツだったので。｣



｢そうだったのか････。｣



先生がそんな話に神妙な顔になり龍二を見ている。



｢未だにこわいんですよね、誰もいない校舎なんて絶対に無理っす！｣



龍二がそう言い終えた時、先生があたしの方を振り向いた。



｢ほら！尾崎妹！！
兄ちゃんがトイレに行きたいそうだからついていってやれ！｣



あんな嘘に簡単に騙された先生のことを心配にはなるけれど、あたしもトイレが限界だったので素直に頷いた。