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カヤの腕を掴んだまま言った俺に、カヤはもっと下を向いてしまった。
「春休みは、ちょっと色々とあって・・・。」
「じゃあ、大学始まってから。
大学まで迎えに行く、一緒に夜飯でも食いに行こう。
いつも俺の夜飯に付き合って貰うばっかりで、学校以外では一緒に飯も食ったことねーだろ。」
「大学始まってからはニャンも忙しいと思うし・・・。」
「夜飯食う時間くらい作れる。」
そう言いながら、少し震えてきた手をカヤの腕から離しスマホを開いた。
さっきまで何の意味もなくなっていたスマホを。
「今から予定入れておく。
いつだったら会えそう?
ダメになっても連絡くれれば別の日にすればいいだけだから。」
そう聞いてもカヤはスマホを取り出すことはなく、下を向いたまま小さく笑った声が聞こえてきた。
「大学始まったら私も忙しくなるから・・・。
ごめんね、今日本当に急いでて・・・。」
そんなことを言ってまた歩き出そうとしてくる。
それには息も出来ないくらいに苦しくなる胸を感じながら、慌ててまたカヤの腕を掴んだ。
そして、聞いた。
1人で帰ったと分かった時から考えていたことを、聞いた。
「高校を卒業したら、俺ともう会うつもりなかった?」
「春休みは、ちょっと色々とあって・・・。」
「じゃあ、大学始まってから。
大学まで迎えに行く、一緒に夜飯でも食いに行こう。
いつも俺の夜飯に付き合って貰うばっかりで、学校以外では一緒に飯も食ったことねーだろ。」
「大学始まってからはニャンも忙しいと思うし・・・。」
「夜飯食う時間くらい作れる。」
そう言いながら、少し震えてきた手をカヤの腕から離しスマホを開いた。
さっきまで何の意味もなくなっていたスマホを。
「今から予定入れておく。
いつだったら会えそう?
ダメになっても連絡くれれば別の日にすればいいだけだから。」
そう聞いてもカヤはスマホを取り出すことはなく、下を向いたまま小さく笑った声が聞こえてきた。
「大学始まったら私も忙しくなるから・・・。
ごめんね、今日本当に急いでて・・・。」
そんなことを言ってまた歩き出そうとしてくる。
それには息も出来ないくらいに苦しくなる胸を感じながら、慌ててまたカヤの腕を掴んだ。
そして、聞いた。
1人で帰ったと分かった時から考えていたことを、聞いた。
「高校を卒業したら、俺ともう会うつもりなかった?」
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