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カヤとあれから会えることはなかった。
夏になる度に連絡をしたけれど、スマホの向こうからカヤの声が聞こえてくることはなくメッセージを読まれることもなかった。
しつこい俺に軽い気持ちで言ってくれただけなのかもしれない。
あの不細工なネコの代わりとして“ニャン”になっていた俺に、そう言って少しの希望を持たせてくれただけなのかもしれない。
時間が経てば薄れていくと思われていたのかもしれない。
カヤへの気持ちが、時間が経てば薄れて消えていくと思われていたのかもしれない。
「時間が経っても消えねーだろ・・・。
何年前の絵が今でも残ってると思ってるんだよ・・・。」
どんなに時間が経っても消えない。
素晴らしく良い絵は時代を越えても尚この世界で綺麗に並べられている。
良い時間だった・・・。
素晴らしく良い時間だった・・・。
カヤと過ごした高校時代は、素晴らしく良い時間だった・・・。
消えるどころか、埋もれるどころか、時間が経つにつれてもっと価値のあるモノへとなっていく。
カヤと過ごした時間は、俺にとっては価値のあるモノだった。
今日もそう強く強く感じた時・・・
“いつか私をモデルに描いてよ、ニャン。”
白紙のキャンバスからカヤがヒョコッと顔を出して言ってくる。
いつか見たアイテープをしていないカヤが、懐かしい言葉と一緒に浮かんでくる。
「俺は画家になれないみたいだぞ、カヤ・・・。
“普通”の俺が描く絵でいいなら描いてやるから・・・。
いつ会える・・・?」
浮かんでくるカヤに呟きながらスマホを手に取った。
今年の夏はまだ連絡をしていないカヤの連絡先を探し・・・
そして・・・
そして・・・
消去した。
もう会えない・・・。
きっと、もう会えない・・・。
だって俺は画家になれない・・・。
神様の娘である天使でも未来を外すことはあるらしい・・・。
だからきっと会えない・・・。
夏の夜に会える未来もきっとない・・・。
だから軽い気持ちで言っただけなんだと思う・・・。
しつこい“ネコ”を黙らせる為に、軽い気持ちでそう黙らせただけなんだと思う・・・。
「友達になんてなれないから・・・。
俺も嘘をついたから・・・。」
カヤだけではなく俺も嘘つきだった・・・。
「カヤ・・・。」
もう会えることはないのに、カヤの名前を呼ぶだけで今日も身体中に熱が回る。
熱すぎる熱が回る・・・。
「“明日”もカヤに会いたかった・・・。」
真っ白なキャンバスの前、俺のタイプど真ん中の顔で、そんな顔で可愛く笑いながら俺を見詰めているカヤにそう言った。
夏になる度に連絡をしたけれど、スマホの向こうからカヤの声が聞こえてくることはなくメッセージを読まれることもなかった。
しつこい俺に軽い気持ちで言ってくれただけなのかもしれない。
あの不細工なネコの代わりとして“ニャン”になっていた俺に、そう言って少しの希望を持たせてくれただけなのかもしれない。
時間が経てば薄れていくと思われていたのかもしれない。
カヤへの気持ちが、時間が経てば薄れて消えていくと思われていたのかもしれない。
「時間が経っても消えねーだろ・・・。
何年前の絵が今でも残ってると思ってるんだよ・・・。」
どんなに時間が経っても消えない。
素晴らしく良い絵は時代を越えても尚この世界で綺麗に並べられている。
良い時間だった・・・。
素晴らしく良い時間だった・・・。
カヤと過ごした高校時代は、素晴らしく良い時間だった・・・。
消えるどころか、埋もれるどころか、時間が経つにつれてもっと価値のあるモノへとなっていく。
カヤと過ごした時間は、俺にとっては価値のあるモノだった。
今日もそう強く強く感じた時・・・
“いつか私をモデルに描いてよ、ニャン。”
白紙のキャンバスからカヤがヒョコッと顔を出して言ってくる。
いつか見たアイテープをしていないカヤが、懐かしい言葉と一緒に浮かんでくる。
「俺は画家になれないみたいだぞ、カヤ・・・。
“普通”の俺が描く絵でいいなら描いてやるから・・・。
いつ会える・・・?」
浮かんでくるカヤに呟きながらスマホを手に取った。
今年の夏はまだ連絡をしていないカヤの連絡先を探し・・・
そして・・・
そして・・・
消去した。
もう会えない・・・。
きっと、もう会えない・・・。
だって俺は画家になれない・・・。
神様の娘である天使でも未来を外すことはあるらしい・・・。
だからきっと会えない・・・。
夏の夜に会える未来もきっとない・・・。
だから軽い気持ちで言っただけなんだと思う・・・。
しつこい“ネコ”を黙らせる為に、軽い気持ちでそう黙らせただけなんだと思う・・・。
「友達になんてなれないから・・・。
俺も嘘をついたから・・・。」
カヤだけではなく俺も嘘つきだった・・・。
「カヤ・・・。」
もう会えることはないのに、カヤの名前を呼ぶだけで今日も身体中に熱が回る。
熱すぎる熱が回る・・・。
「“明日”もカヤに会いたかった・・・。」
真っ白なキャンバスの前、俺のタイプど真ん中の顔で、そんな顔で可愛く笑いながら俺を見詰めているカヤにそう言った。
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