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それには驚き固まるしかなかった。
上手く思考が回らず何と返事をしていいのか分からなくなる。



「やっぱりダメだよね・・・。」



カヤが困った顔で笑い少し俯き、それを見て慌てて声を上げた。



「ダメとかそういうのじゃなくて・・・っ」



俺が上げた声にカヤが恐る恐るという感じで俺を見上げてくる。



その綺麗で可愛い顔に“何で?”と聞いてしまいそうになり、慌てて口を強く結ぶ。



「友達になりたい相手とエッチなんて出来ないよね・・・。」



カヤが困った顔で笑い続け、俺から視線を逸らした。
それを見てまた慌てて声を上げる。



「出来る・・・っ」



“俺は今もカヤのことが好きだから”
その言葉を言ってしまう前にまた口を強く結んだ。



高校の卒業式、俺はカヤに振られた。
その後は連絡も無視され続けてきた。
そんな中でこの言葉を言えるほど俺は強くなれそうになかった。



カヤが何でこんなことを言い出したのかは全く分からないけれど、離れていた時間に俺のことが好きだと気付いてくれたのかなとか、神職資格を取る前にセックスがしたくなり相手を俺に選んでくれたのかなとか、そんな考えだけは浮かんできた。



そんな考えの中でうるさすぎる声と姿がさっきからずっと現れている。



“そんな女の子とセックスが出来るタイミングがあったら絶対に逃すな。
そして結婚出来るタイミングがあるならそれも絶対に逃すな。”



現れた父さんのうるさすぎる声と姿に心の中で頷いた。



“了解です。”



父さんと母さんがよく使う返事で、俺も心の中で返事をした。
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