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あと少しで帰れそうな時、経理部の扉がノックされ開いた。



見てみると、出張から帰って来た大きな人。



「ただいま~!」



と、営業部ではなく経理部にたまに帰ってくる。
それでも文句を言われないのは、この大きな人が今でも営業部のエースだから。




「お帰りなさ~い」と、わたし以外の皆から言われご機嫌な大きな人。
岸部長に、経理部へのお土産を渡す。




「水沢さん、ただいま!お土産な!!」




と、わたしのデスクの隅に、いつかと同じ紙袋のお土産を置かれる。
チラリと見たら、それはお菓子で・・・




「あ~!それ、和先輩でも食べられるお菓子ですよね!?」




と、指摘される。




「和先輩、食べられるお菓子少ないですからね~!よかったですね!」




この大きな人は、知っている。
それくらい一緒にいたから。
それくらい、わたしは心を開いていたから。
それくらい、大好きだったから。




わたしの小さな身体を通して、他の人を見ていたこの大きな人を・・・。




わたしは、本当に、大好きだった。
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