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そして、定時の20分前。



「花崎さん、これ、またアッチの会社に届けてくれる?
今日はそのまま上がっていいから。」



そう言われ、契約書を渡された。
確認すると、近くにある大手企業の顧客との契約書。
うちの会社の売上は、この会社との契約が大半を占めている。



「はい、分かりました。」



大量の書類、参考にしている本数札、ノートなどを片付けていく。



「花崎さんのデスクだけいつも散らかってるよね~?」



と、隣の先輩が言うと、他の先輩、部長までも笑っていた。




デスクの上のカレンダーを確認する。
今日は、金曜日。
これから皆で飲みにでも行くらしい。
そんな時はいつも、郵送で出来るこの契約書を私に届けさせる。
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