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過去編②〜紫柳学園Sクラス〜
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入学式も終わり、私達はこれから一年間通う教室へ向かった。
幼等部からあるこの学園にはお金持ちのご子息やお嬢様がたくさんいる。私達Sクラスはというと、その成績上位者20名と私のような特待生で入った25名からなる45名だ。
クラスの人数が他のクラスより多い為、一般教室より広い部屋で大学の教室みたいだ。
私の後ろには朝の美形男子がいる。出席番号だし、しょうがないと思いつつも、たくさん人が来てうるさいし私が座る席まで囲われている状況...
自分の席の周りをうろちょろしていると先生が教室に入ってきた。
「席につけ。HRを始める。」
先生の声で一斉に自分の席へ戻って行った。
「オレは数学を担当する、須郷 貴紀だ。
このSクラスは今年度から内部進学者20名、外部入学特待生25名からなるクラスとなっている。高等部二年になるとさらに区分される事になるが、まぁ今はこのクラスが成績優秀者の集まりであり、将来を担う者達であるという事だ。その自覚を持ち、勉学に励んで欲しい。
以上だ。
それではクラス委員を決める。」
先生の最後の言葉で一斉に皆の視線が私の後ろの席の方に向かった。
後ろの人は小さく舌打ちをして「やります」と一言いった。その言葉は舌打ちをした人とは思えないくらい優しそうな表情、声音で言った。私はその声に恐怖を感じたけど、皆は気付かなかったようで、拍手をしている。
一通り、クラスの役員決めや説明を終えて、今日は解散になった。私は未だに友だちが出来なくて周りをちらっと見回す。
もう既に女の子たちはグループが形成されていた。アニメやマンガで話が弾む人、アイドルや歌手で話が弾んでいる人……私は特にテレビとか観ないしどこにも入れないな…そう思っていると私と同じように前の席の子がその場でボーッと立っていた。
その子は後ろを振り返って私を見る...
「あの!私と友達になってください!!」
わっ!
しばらく私を見たまま黙り込んでいたから何かと思っていると、急にその子は声をかけてきた。
「私、斎藤 天!あの……友だちになってください!!」
「うん!もちろん!!私は佐倉 蒼、よろしくね!」
斎藤さんは私と同じ特待生で入ったみたい。家は電車で隣の駅で近くて学費が安いから受けたんだって言っていた。私と似ていて嬉しい。
「私も家から自転車で通えるからこの学園に入ろうと思ったんだよ!
最初はお金持ちの人ばっかりで気後れしちゃうけど、似たような子がいて本当に良かった~!」
私は話せる友だちができてホッとしていると、天ちゃんの方から「ゔっ」という声が聞こえた。とりあえず大丈夫って言っていたけど……
「てっきり、可愛いしお金持ちのご子息と仲良くなりたいからかと思った…
疑ってごめんね……。」
天はごめんと頭を下げる。
でも私は意味がよくわからなくて、頭を傾げる。
「どういうこと??」
「まさか知らないの?」
天ちゃんは嬉々として語り始めた。
幼等部からあるこの学園にはお金持ちのご子息やお嬢様がたくさんいる。私達Sクラスはというと、その成績上位者20名と私のような特待生で入った25名からなる45名だ。
クラスの人数が他のクラスより多い為、一般教室より広い部屋で大学の教室みたいだ。
私の後ろには朝の美形男子がいる。出席番号だし、しょうがないと思いつつも、たくさん人が来てうるさいし私が座る席まで囲われている状況...
自分の席の周りをうろちょろしていると先生が教室に入ってきた。
「席につけ。HRを始める。」
先生の声で一斉に自分の席へ戻って行った。
「オレは数学を担当する、須郷 貴紀だ。
このSクラスは今年度から内部進学者20名、外部入学特待生25名からなるクラスとなっている。高等部二年になるとさらに区分される事になるが、まぁ今はこのクラスが成績優秀者の集まりであり、将来を担う者達であるという事だ。その自覚を持ち、勉学に励んで欲しい。
以上だ。
それではクラス委員を決める。」
先生の最後の言葉で一斉に皆の視線が私の後ろの席の方に向かった。
後ろの人は小さく舌打ちをして「やります」と一言いった。その言葉は舌打ちをした人とは思えないくらい優しそうな表情、声音で言った。私はその声に恐怖を感じたけど、皆は気付かなかったようで、拍手をしている。
一通り、クラスの役員決めや説明を終えて、今日は解散になった。私は未だに友だちが出来なくて周りをちらっと見回す。
もう既に女の子たちはグループが形成されていた。アニメやマンガで話が弾む人、アイドルや歌手で話が弾んでいる人……私は特にテレビとか観ないしどこにも入れないな…そう思っていると私と同じように前の席の子がその場でボーッと立っていた。
その子は後ろを振り返って私を見る...
「あの!私と友達になってください!!」
わっ!
しばらく私を見たまま黙り込んでいたから何かと思っていると、急にその子は声をかけてきた。
「私、斎藤 天!あの……友だちになってください!!」
「うん!もちろん!!私は佐倉 蒼、よろしくね!」
斎藤さんは私と同じ特待生で入ったみたい。家は電車で隣の駅で近くて学費が安いから受けたんだって言っていた。私と似ていて嬉しい。
「私も家から自転車で通えるからこの学園に入ろうと思ったんだよ!
最初はお金持ちの人ばっかりで気後れしちゃうけど、似たような子がいて本当に良かった~!」
私は話せる友だちができてホッとしていると、天ちゃんの方から「ゔっ」という声が聞こえた。とりあえず大丈夫って言っていたけど……
「てっきり、可愛いしお金持ちのご子息と仲良くなりたいからかと思った…
疑ってごめんね……。」
天はごめんと頭を下げる。
でも私は意味がよくわからなくて、頭を傾げる。
「どういうこと??」
「まさか知らないの?」
天ちゃんは嬉々として語り始めた。
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