47 / 82
47話 俺はイリニを独りにしない
しおりを挟む
「アギオス侯爵令嬢は私の婚約者になった」
「……え?」
いつ? どういうこと? そんな会話どこかにあったっけ? なかったよね? なかったはず。
「婚約者である場合、正式な手続きを経た場合でも、決定権はこちらにある」
「聞いてないぞ?!」
奇遇だね、私もだよ。
初めて元婚約者と意見があったわ。
エフィの言ってた私が怒るってこれなの? 確かに一番手っ取り早い手段だけど。
「内々で進めていた為、発表はまだだ。近い内に正式に発表される」
「しかし、たとえ婚約していたとしても、そこまでの拘束力はないはずだ」
「正式な発表があれば、その後は披露目で時間をとられる。対面で会うなら、披露目後だな」
「そんな悠長な時間はない!」
パノキカトの状態が悪くなれば悪くなるだけ元婚約者たちは困る。
内政処理は元婚約者では手に余るし、不作はそうなる前、せめて私がこの城に来たあたりから対策しないと遅かった。まあ今なら全滅は免れるか。疫病は聖女の魔法がなくても薬学と医学で大抵のものに対応できる状態に確立させたんだけどな。
正直、対応できない元婚約者の能力がなあ。少しずつ内政のあれこれに慣れていけば多少なりとも対応できたのに。
「アギオス侯爵令嬢がパノキカトを去ってから貴殿は何をしていた?」
「は?」
「シコフォーナクセーよりも人材が揃っているパノキカトでは、現在の内政についてこなせないはずがないだろう。不作と疫病については三国間で結んだ緊急的な扶助法があるが、そちらの申し出も現段階ではない。適用範囲内の内容だとシコフォーナクセーでは判断しているが」
エフィはこの城にいる間もシコフォーナクセー王城とのやり取りは細かくしていたようだった。新聞だって三国間全種類目を通していたしな。
もしかしたら、元婚約者よりパノキカトの現状に詳しいんじゃないの?
「シコフォーナクセーからもエクセロスレヴォからも、ましてや海を越えた他国からも侵略を受けていない。自国内で済む内容をアギオス侯爵令嬢一人に解決させようとするのは、いかがなものかと」
「なんだと」
「王族、いや貴殿の怠慢だと言えば分かるか?」
「貴様、不敬にも程が、」
「自身の立場を振り翳す前に国と民の為に最善を尽くせ」
「っ! こんな城で何もせず偽の聖女に現抜かしている男に何が分かる!」
「ちょっと、」
あまりにひどい言い様に腰が上がりかけたけど、エフィが片手をあげて制した。顔はまだ王太子だったから、なんとか言葉を飲み込んで黙って座り直した。
「婚約者の近くで同じ時間を過ごす事は何もおかしくはない」
「なにを」
エフィが私の隣に歩みを寄せ隣に立った。
「シコフォーナクセーとしてはアギオス侯爵令嬢が我が国に居を移してくれたおかげで、魔物と人との諍いが減り、国内の技術職の一部で仕事が増え経済が活性化した。その事に加え、関わりのない村や町が協力をしあい交流が生まれている。俺の今の仕事はアギオス侯爵令嬢にこの国から離れ難くなってもらうことだな」
私を見下ろして、そのまま頭を撫でる。そのまま流していた髪を一房掬い上げて唇を寄せた。
なんてことを。よりにもよって髪を纏めていない日に限って、こういうことするの。急な所作に恥ずかしくてじりじり熱が上がってくる。
きゃっと可愛らしい声が漏れたのはだんまりだったピラズモス男爵令嬢。女性陣には刺激強いよねえ。私も顔をそらさないときついし。
「はっ! お前も所詮聖女の肩書きが欲しいだけじゃないか!」
と、勝ち誇ったように元婚約者が笑う。
いや、勝っちゃいないぞ?
「今のは彼女自身がいかに優秀か聞かせてやっただけだ」
「所詮シコフォーナクセーも聖女の力が欲しいだけだろう!」
「父である現国王に話を済ませた事ではあるが、私は彼女が聖女だからではなく、イリニ・ナフェリス・アギオス侯爵令嬢個人と婚約したいと申し出た」
エフィの言葉に顔を上げる。
元婚約者を見据えたまま言葉を続けた。
「シコフォーナクセーでは彼女は聖女ではない。一人の女性として私の婚約者になった。そして貴殿とは決定的に違う所がある」
「なんだ」
「私がアギオス侯爵令嬢を愛している事だ」
ピラズモス男爵令嬢から抑えきれない悲鳴があがった。あの子、ちょっと楽しそうじゃない? 気のせい?
てか、この話いつ終わる? いくら作り話だと分かっていても心臓持たない。
真っ直ぐなエフィの言葉がじわじわ響いてくる。
「俺はイリニを独りにしない」
あ、だめ、その言葉はだめ。違った意味で手に力が入る。
ずっと欲しかった言葉。だめ、これはこの場をおさめるための詭弁でしかないのに。
努めて隠して目の前の元婚約者を見据えた。
「なにを」
「貴殿の婚約者だった頃、隣立っていた事は少なかったな?」
「そんなことは」
「特に貴族院を卒業して彼女がパノキカトを去るまでの数年は目に見えて」
「ぐっ」
ぐうの音も出ないだろうな。
事実だったし、城内では黙認状態だった。誰も注意しないから元婚約者は随分自由にしていたけど。
「少なくとも貴殿のように彼女を悲しませる事はしない」
「戯れ言を」
「戯れ言で結構だ。彼女を悲しませない為なら、」
言葉が詰まるエフィにどうしたのかと彼を見上げる。
こくりと喉を鳴らして言葉を続けた。
「その為なら、王位継承権を返上する覚悟だ」
「……え?」
いつ? どういうこと? そんな会話どこかにあったっけ? なかったよね? なかったはず。
「婚約者である場合、正式な手続きを経た場合でも、決定権はこちらにある」
「聞いてないぞ?!」
奇遇だね、私もだよ。
初めて元婚約者と意見があったわ。
エフィの言ってた私が怒るってこれなの? 確かに一番手っ取り早い手段だけど。
「内々で進めていた為、発表はまだだ。近い内に正式に発表される」
「しかし、たとえ婚約していたとしても、そこまでの拘束力はないはずだ」
「正式な発表があれば、その後は披露目で時間をとられる。対面で会うなら、披露目後だな」
「そんな悠長な時間はない!」
パノキカトの状態が悪くなれば悪くなるだけ元婚約者たちは困る。
内政処理は元婚約者では手に余るし、不作はそうなる前、せめて私がこの城に来たあたりから対策しないと遅かった。まあ今なら全滅は免れるか。疫病は聖女の魔法がなくても薬学と医学で大抵のものに対応できる状態に確立させたんだけどな。
正直、対応できない元婚約者の能力がなあ。少しずつ内政のあれこれに慣れていけば多少なりとも対応できたのに。
「アギオス侯爵令嬢がパノキカトを去ってから貴殿は何をしていた?」
「は?」
「シコフォーナクセーよりも人材が揃っているパノキカトでは、現在の内政についてこなせないはずがないだろう。不作と疫病については三国間で結んだ緊急的な扶助法があるが、そちらの申し出も現段階ではない。適用範囲内の内容だとシコフォーナクセーでは判断しているが」
エフィはこの城にいる間もシコフォーナクセー王城とのやり取りは細かくしていたようだった。新聞だって三国間全種類目を通していたしな。
もしかしたら、元婚約者よりパノキカトの現状に詳しいんじゃないの?
「シコフォーナクセーからもエクセロスレヴォからも、ましてや海を越えた他国からも侵略を受けていない。自国内で済む内容をアギオス侯爵令嬢一人に解決させようとするのは、いかがなものかと」
「なんだと」
「王族、いや貴殿の怠慢だと言えば分かるか?」
「貴様、不敬にも程が、」
「自身の立場を振り翳す前に国と民の為に最善を尽くせ」
「っ! こんな城で何もせず偽の聖女に現抜かしている男に何が分かる!」
「ちょっと、」
あまりにひどい言い様に腰が上がりかけたけど、エフィが片手をあげて制した。顔はまだ王太子だったから、なんとか言葉を飲み込んで黙って座り直した。
「婚約者の近くで同じ時間を過ごす事は何もおかしくはない」
「なにを」
エフィが私の隣に歩みを寄せ隣に立った。
「シコフォーナクセーとしてはアギオス侯爵令嬢が我が国に居を移してくれたおかげで、魔物と人との諍いが減り、国内の技術職の一部で仕事が増え経済が活性化した。その事に加え、関わりのない村や町が協力をしあい交流が生まれている。俺の今の仕事はアギオス侯爵令嬢にこの国から離れ難くなってもらうことだな」
私を見下ろして、そのまま頭を撫でる。そのまま流していた髪を一房掬い上げて唇を寄せた。
なんてことを。よりにもよって髪を纏めていない日に限って、こういうことするの。急な所作に恥ずかしくてじりじり熱が上がってくる。
きゃっと可愛らしい声が漏れたのはだんまりだったピラズモス男爵令嬢。女性陣には刺激強いよねえ。私も顔をそらさないときついし。
「はっ! お前も所詮聖女の肩書きが欲しいだけじゃないか!」
と、勝ち誇ったように元婚約者が笑う。
いや、勝っちゃいないぞ?
「今のは彼女自身がいかに優秀か聞かせてやっただけだ」
「所詮シコフォーナクセーも聖女の力が欲しいだけだろう!」
「父である現国王に話を済ませた事ではあるが、私は彼女が聖女だからではなく、イリニ・ナフェリス・アギオス侯爵令嬢個人と婚約したいと申し出た」
エフィの言葉に顔を上げる。
元婚約者を見据えたまま言葉を続けた。
「シコフォーナクセーでは彼女は聖女ではない。一人の女性として私の婚約者になった。そして貴殿とは決定的に違う所がある」
「なんだ」
「私がアギオス侯爵令嬢を愛している事だ」
ピラズモス男爵令嬢から抑えきれない悲鳴があがった。あの子、ちょっと楽しそうじゃない? 気のせい?
てか、この話いつ終わる? いくら作り話だと分かっていても心臓持たない。
真っ直ぐなエフィの言葉がじわじわ響いてくる。
「俺はイリニを独りにしない」
あ、だめ、その言葉はだめ。違った意味で手に力が入る。
ずっと欲しかった言葉。だめ、これはこの場をおさめるための詭弁でしかないのに。
努めて隠して目の前の元婚約者を見据えた。
「なにを」
「貴殿の婚約者だった頃、隣立っていた事は少なかったな?」
「そんなことは」
「特に貴族院を卒業して彼女がパノキカトを去るまでの数年は目に見えて」
「ぐっ」
ぐうの音も出ないだろうな。
事実だったし、城内では黙認状態だった。誰も注意しないから元婚約者は随分自由にしていたけど。
「少なくとも貴殿のように彼女を悲しませる事はしない」
「戯れ言を」
「戯れ言で結構だ。彼女を悲しませない為なら、」
言葉が詰まるエフィにどうしたのかと彼を見上げる。
こくりと喉を鳴らして言葉を続けた。
「その為なら、王位継承権を返上する覚悟だ」
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
追放聖女の再就職 〜長年仕えた王家からニセモノと追い出されたわたしですが頑張りますね、魔王さま!〜
三崎ちさ
恋愛
メリアは王宮に勤める聖女、だった。
「真なる聖女はこの世に一人、エミリーのみ! お前はニセモノだ!」
ある日突然いきりたった王子から国外追放、そして婚約破棄もオマケのように言い渡される。
「困ったわ、追放されても生きてはいけるけど、どうやってお金を稼ごうかしら」
メリアには病気の両親がいる。王宮で聖女として働いていたのも両親の治療費のためだった。国の外には魔物がウロウロ、しかし聖女として活躍してきたメリアには魔物は大した脅威ではない。ただ心配なことは『お金の稼ぎ方』だけである。
そんな中、メリアはひょんなことから封印されていたはずの魔族と出会い、魔王のもとで働くことになる。
「頑張りますね、魔王さま!」
「……」(かわいい……)
一方、メリアを独断で追放した王子は父の激昂を招いていた。
「メリアを魔族と引き合わせるわけにはいかん!」
国王はメリアと魔族について、何か秘密があるようで……?
即オチ真面目魔王さまと両親のためにお金を稼ぎたい!ニセモノ疑惑聖女のラブコメです。
※小説家になろうさんにも掲載
【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?
時
恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。
しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。
追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。
フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。
ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。
記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。
一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた──
※小説家になろうにも投稿しています
いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!
聖女は王子たちを完全スルーして、呪われ大公に強引求婚します!
葵 すみれ
恋愛
今宵の舞踏会は、聖女シルヴィアが二人の王子のどちらに薔薇を捧げるのかで盛り上がっていた。
薔薇を捧げるのは求婚の証。彼女が選んだ王子が、王位争いの勝者となるだろうと人々は囁き交わす。
しかし、シルヴィアは薔薇を持ったまま、自信満々な第一王子も、気取った第二王子も素通りしてしまう。
彼女が薔薇を捧げたのは、呪われ大公と恐れられ、蔑まれるマテウスだった。
拒絶されるも、シルヴィアはめげない。
壁ドンで追い詰めると、強引に薔薇を握らせて宣言する。
「わたくし、絶対にあなたさまを幸せにしてみせますわ! 絶対に、絶対にです!」
ぐいぐい押していくシルヴィアと、たじたじなマテウス。
二人のラブコメディが始まる。
※他サイトにも投稿しています
死んでるはずの私が溺愛され、いつの間にか救国して、聖女をざまぁしてました。
みゅー
恋愛
異世界へ転生していると気づいたアザレアは、このままだと自分が死んでしまう運命だと知った。
同時にチート能力に目覚めたアザレアは、自身の死を回避するために奮闘していた。するとなぜか自分に興味なさそうだった王太子殿下に溺愛され、聖女をざまぁし、チート能力で世界を救うことになり、国民に愛される存在となっていた。
そんなお話です。
以前書いたものを大幅改稿したものです。
フランツファンだった方、フランツフラグはへし折られています。申し訳ありません。
六十話程度あるので改稿しつつできれば一日二話ずつ投稿しようと思います。
また、他シリーズのサイデューム王国とは別次元のお話です。
丹家栞奈は『モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します』に出てくる人物と同一人物です。
写真の花はリアトリスです。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる