9 / 21
9話
しおりを挟む
「そうか」
いけない。話しすぎたか、我に返る。
側で話を聞いていた大佐は面白がって笑うことはなかった。
「なるほどな」
ノアに彼女への思いを話したときは、すぐに話が通じた。あれは全部彼女のおかげだということはあの頃ノアに話していたから、すぐに合点がいったようだった。
そも、ノアが彼女の巡回をしているのはこのときのことがあったからだ。
私が先駆けて入隊し、無自覚ながら話していた彼女のことを研修医になりすぐに気づいたと。ノアからあの時のことは話してないとは言っていたな。
「あの頃の騒ぎはそこだったか」
「騒ぎ?」
「薬瓶の持ちだしさ。アリーナが自分からやったと言っていたが、当時不可解だったからな」
やはり問題にはなっていたか。純粋に迷惑をかけてしまって、申し訳ないに至る。
「なに、あいつは士官学校時代から自由人だったからな。そのへん周りはさして気にしてなかったぞ」
「ありがとうございます」
「にしてもなあ、あいつは忘れてそうな話だな!」
お前への態度を見ても、と大佐。
確かに一瞬でも覚えてくれてないだろうかと思ったことはある。
自分が士官学校に在学してた時に臨時講師としてきた時も、入隊して新兵教育の場で相見えた時も、戦場で合流した時も、彼女と再会する度に思い出してほしい気持ちはあった。
けれど。
「過去を思い出してほしいわけではありません。私はただ……」
彼女の気持ちが自分と同じであれば。
それだけを求めることは多くを求めていることになるのだろうか。
「なあ、ルーカス」
「はい」
「あいつが退役してもやらかそうとしてることは知っているな?」
「……」
黙って頷く。
こちらとしても情報はある程度仕入れている。
何をそんなに焦って身体を取り戻そうとしているのか、瞳の奥がなぜ光がなく沈んでいるのか、毅然としているのに戦場に立つような覇気がないのか。
何かが違うと感じて調べ、結果、彼女がしようとしてることに辿り着いた。
「私は彼女のしようとしてることを止められるでしょうか」
私は自分の気持ちを伝えたかった。最初はそれだけだった。
今はもう彼女からの気持ちが欲しい。会う度にそう思う。
だから、彼女には復讐など実りのないものは止めてほしい。
あぁ、私は復讐にまで嫉妬しているのかもしれない。我ながら欲深く子供じみている。
「さあな。ただ俺の感は当たるんだぜ」
とびきりの笑顔だ。
彼がこの顔をするときは、よからぬ企画をするときか、本当に成功する作戦が実行されるかどちらかだ。後者であることを祈ろう。
「はは、善処します」
こんなところで挫けぬものか。ここまで来たんだ。
残ったコーヒーを煽ると、すっかり冷え切っていた。けれど、それで逆に目が覚める。
明日は彼女に会う日だ。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「お姉さん!」
「やぁ、よく来たね」
迎え入れるのは先日知り合った可愛いらしい少女。まさか本当に来るとは思わなかった。
尾行られてもいないようだし、少女のバイタルにも問題ないことから純粋に訪問して来たことがわかる。
何にも巻き込まれてないことにほっとしつつも、しかし、こうなってくると守りと言う名の監視人物が増えることを危惧する。致し方ないが、罪無き者が私に関わることで奴らに目をつけられても困る。
「お姉さん、これ」
「ありがとう。しかし気遣いは不要だよ」
差入れの品は有り難く頂く。親の躾が良いのか、この少女の年齢で持ってくるとは。
「おや」
「あのお兄さんのお茶だよ!」
「あの通りは危険だと」
自身が連れ込まれた路地にまた行ったのか。あの時の暴漢がいたらどうするつもりだったのか。
「大通りで偶然会ったから、一緒にお店行って帰りも送ってもらったの」
その言葉に安堵する。
さすがにそこまで非情でもなければ常識はずれでなかった店主に今ばかりは感謝しよう。
「あと、これ」
と、2つ目の品を頂く。こちらは店主からだった。
そこでやっと納得がいく。
あいつ、いつものを渡すのをこの子に託したと。
巻き込まれないよう自分で取りに行くと言っているのに、早さを重視したがるのは何故なのか。
有り難く頂こう、ただし今度店に行く時は説教だ。
「では茶でもいれよう」
それだけで、少女はわっと喜んだ。
残念なことに、ここには子供が喜ぶようなものはなにもない。今度は茶請けの菓子でも用意しておくか。
「しかし退屈ではないかな?」
「ううん、全然!」
話を出来るだけで楽しいと言う。
変わった子供だ。
この年頃なら外で遊んだり家にいるにしても所謂ごっこ遊びとかしたがらないのか。
会話するにしても同年齢の子供達と楽しく話した方が良いのではとつい思ってしまう。いやここまでくると、友達と呼べる者がいないのか少し心配だ。
「ねぇ、お姉さんこの家一人なの?」
「そうだね」
「いいなあ! 私も自分の部屋ほしい!」
そこなのか。
聞けば兄弟と同室らしい。そのせいで友人も家に呼びづらいとのことだった。うむ、友人がいてなによりだ。先ほどの私の心配は杞憂だったか。
ともあれ少女の家庭は兄弟が多いらしい。遊ぶにしても喧嘩も耐えず、兄弟唯一の女性である少女はなかなか女の子扱いというものをしてもらえないらしい。
「大変だね」
「そうなの!」
早く大人になって独り立ちしたいそうだ。
自立心があることはいいことなので、褒めておく。褒めて素直に喜ぶ様は可愛いらしい。
「……しかし羨ましいな」
「??」
「兄弟がいることさ。私には兄弟がいないからね」
「そうなの?」
人にもよるだろうが。私は兄弟がほしかった。あの日生まれるかもしれなかった弟か妹を抱いてみたかった。あぁ、それは今更の話だな。
「お姉さん、家の子になればいいんじゃない?」
「え?」
「私の本当のお姉さんになってよ! 私、お姉ちゃんほしい!」
突拍子もない。
まぁしかしなるほど、だからこそ少女は私の元に来たのかもしれないな。兄と弟しかいない中で姉を求めたか。
「さすがに君の母親の子供では無理があるだろう」
「んー、そうかな? 一番上のお兄はもう働いてるよ?」
働いてても私ほどの年齢じゃあるまい。
「うちは狭いけど賑やかだし、喧嘩多いけど仲良しだよ! お兄たちは優しいから大丈夫!」
いじめられても私が守ってあげるねと少女。
「ははは、善処しよう」
あぁ、本当に可愛いものだ。
いけない。話しすぎたか、我に返る。
側で話を聞いていた大佐は面白がって笑うことはなかった。
「なるほどな」
ノアに彼女への思いを話したときは、すぐに話が通じた。あれは全部彼女のおかげだということはあの頃ノアに話していたから、すぐに合点がいったようだった。
そも、ノアが彼女の巡回をしているのはこのときのことがあったからだ。
私が先駆けて入隊し、無自覚ながら話していた彼女のことを研修医になりすぐに気づいたと。ノアからあの時のことは話してないとは言っていたな。
「あの頃の騒ぎはそこだったか」
「騒ぎ?」
「薬瓶の持ちだしさ。アリーナが自分からやったと言っていたが、当時不可解だったからな」
やはり問題にはなっていたか。純粋に迷惑をかけてしまって、申し訳ないに至る。
「なに、あいつは士官学校時代から自由人だったからな。そのへん周りはさして気にしてなかったぞ」
「ありがとうございます」
「にしてもなあ、あいつは忘れてそうな話だな!」
お前への態度を見ても、と大佐。
確かに一瞬でも覚えてくれてないだろうかと思ったことはある。
自分が士官学校に在学してた時に臨時講師としてきた時も、入隊して新兵教育の場で相見えた時も、戦場で合流した時も、彼女と再会する度に思い出してほしい気持ちはあった。
けれど。
「過去を思い出してほしいわけではありません。私はただ……」
彼女の気持ちが自分と同じであれば。
それだけを求めることは多くを求めていることになるのだろうか。
「なあ、ルーカス」
「はい」
「あいつが退役してもやらかそうとしてることは知っているな?」
「……」
黙って頷く。
こちらとしても情報はある程度仕入れている。
何をそんなに焦って身体を取り戻そうとしているのか、瞳の奥がなぜ光がなく沈んでいるのか、毅然としているのに戦場に立つような覇気がないのか。
何かが違うと感じて調べ、結果、彼女がしようとしてることに辿り着いた。
「私は彼女のしようとしてることを止められるでしょうか」
私は自分の気持ちを伝えたかった。最初はそれだけだった。
今はもう彼女からの気持ちが欲しい。会う度にそう思う。
だから、彼女には復讐など実りのないものは止めてほしい。
あぁ、私は復讐にまで嫉妬しているのかもしれない。我ながら欲深く子供じみている。
「さあな。ただ俺の感は当たるんだぜ」
とびきりの笑顔だ。
彼がこの顔をするときは、よからぬ企画をするときか、本当に成功する作戦が実行されるかどちらかだ。後者であることを祈ろう。
「はは、善処します」
こんなところで挫けぬものか。ここまで来たんだ。
残ったコーヒーを煽ると、すっかり冷え切っていた。けれど、それで逆に目が覚める。
明日は彼女に会う日だ。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「お姉さん!」
「やぁ、よく来たね」
迎え入れるのは先日知り合った可愛いらしい少女。まさか本当に来るとは思わなかった。
尾行られてもいないようだし、少女のバイタルにも問題ないことから純粋に訪問して来たことがわかる。
何にも巻き込まれてないことにほっとしつつも、しかし、こうなってくると守りと言う名の監視人物が増えることを危惧する。致し方ないが、罪無き者が私に関わることで奴らに目をつけられても困る。
「お姉さん、これ」
「ありがとう。しかし気遣いは不要だよ」
差入れの品は有り難く頂く。親の躾が良いのか、この少女の年齢で持ってくるとは。
「おや」
「あのお兄さんのお茶だよ!」
「あの通りは危険だと」
自身が連れ込まれた路地にまた行ったのか。あの時の暴漢がいたらどうするつもりだったのか。
「大通りで偶然会ったから、一緒にお店行って帰りも送ってもらったの」
その言葉に安堵する。
さすがにそこまで非情でもなければ常識はずれでなかった店主に今ばかりは感謝しよう。
「あと、これ」
と、2つ目の品を頂く。こちらは店主からだった。
そこでやっと納得がいく。
あいつ、いつものを渡すのをこの子に託したと。
巻き込まれないよう自分で取りに行くと言っているのに、早さを重視したがるのは何故なのか。
有り難く頂こう、ただし今度店に行く時は説教だ。
「では茶でもいれよう」
それだけで、少女はわっと喜んだ。
残念なことに、ここには子供が喜ぶようなものはなにもない。今度は茶請けの菓子でも用意しておくか。
「しかし退屈ではないかな?」
「ううん、全然!」
話を出来るだけで楽しいと言う。
変わった子供だ。
この年頃なら外で遊んだり家にいるにしても所謂ごっこ遊びとかしたがらないのか。
会話するにしても同年齢の子供達と楽しく話した方が良いのではとつい思ってしまう。いやここまでくると、友達と呼べる者がいないのか少し心配だ。
「ねぇ、お姉さんこの家一人なの?」
「そうだね」
「いいなあ! 私も自分の部屋ほしい!」
そこなのか。
聞けば兄弟と同室らしい。そのせいで友人も家に呼びづらいとのことだった。うむ、友人がいてなによりだ。先ほどの私の心配は杞憂だったか。
ともあれ少女の家庭は兄弟が多いらしい。遊ぶにしても喧嘩も耐えず、兄弟唯一の女性である少女はなかなか女の子扱いというものをしてもらえないらしい。
「大変だね」
「そうなの!」
早く大人になって独り立ちしたいそうだ。
自立心があることはいいことなので、褒めておく。褒めて素直に喜ぶ様は可愛いらしい。
「……しかし羨ましいな」
「??」
「兄弟がいることさ。私には兄弟がいないからね」
「そうなの?」
人にもよるだろうが。私は兄弟がほしかった。あの日生まれるかもしれなかった弟か妹を抱いてみたかった。あぁ、それは今更の話だな。
「お姉さん、家の子になればいいんじゃない?」
「え?」
「私の本当のお姉さんになってよ! 私、お姉ちゃんほしい!」
突拍子もない。
まぁしかしなるほど、だからこそ少女は私の元に来たのかもしれないな。兄と弟しかいない中で姉を求めたか。
「さすがに君の母親の子供では無理があるだろう」
「んー、そうかな? 一番上のお兄はもう働いてるよ?」
働いてても私ほどの年齢じゃあるまい。
「うちは狭いけど賑やかだし、喧嘩多いけど仲良しだよ! お兄たちは優しいから大丈夫!」
いじめられても私が守ってあげるねと少女。
「ははは、善処しよう」
あぁ、本当に可愛いものだ。
0
あなたにおすすめの小説
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
異世界で王城生活~陛下の隣で~
遥
恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。
グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます!
※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。
※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
【完結】夕凪のピボット
那月 結音
恋愛
季節は三度目の梅雨。
大学入学を機に日本で暮らし始めた佐伯瑛茉(さえきえま)は、住んでいたマンションの改築工事のため、三ヶ月間の仮住まいを余儀なくされる。
退去先が決まらず、苦慮していた折。
バイト先の店長から、彼の親友である九条光学副社長、九条崇弥(くじょうたかや)の自宅を退去先として提案される。
戸惑いつつも、瑛茉は提案を受け入れることに。
期間限定同居から始まる、女子大生と御曹司の、とある夏のおはなし。
✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎
【登場人物】
・佐伯 瑛茉(さえき えま)
文学部3年生。日本史専攻。日米ハーフ。
22歳。160cm。
・九条 崇弥(くじょう たかや)
株式会社九条光学副社長。
32歳。182cm。
・月尾 悠(つきお はるか)
和モダンカフェ『月見茶房』店主。崇弥の親友。
32歳。180cm。
✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎ ゚・*:.。..。.:*・゜✴︎
※2024年初出
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる