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17話
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「やはりこうなったか」
到着後間もなく、小競り合い程度と言える暴動が起きた。
数も少ないし、こちらと違い素人でしかない。
けれど、重要な点が1つ。
我々は攻撃をしないということだ。
大佐からの命は攻撃をしない、相手側に負傷者を出さない。大佐から何らかの報告があるまでは待機。
あくまで我々は陽動なので相手の視界に入りつつ、塹壕を使い回避、かつ中遠距離を保つこと。
時間に目安がないので、なかなか判断が難しい。
あちらも彼らの差し金か装備だけは優秀で、遠距離砲も狙撃銃も所持し、このあたりに地雷も仕掛けている。なかなか厄介だ。
地雷については、カハッツ少尉の方で解析し、大体の場所は把握できているものの、依然として相手方の銃弾数は減らない。
少し長引くかもしれない。
こちらの動くルートによっては地雷にあたるし、距離を詰められても負傷の可能性を上げてしまう、かといって大きく後退もできない。地形を利用されて囲まれてもいけない。
この短時間で何度も編成と距離と移動を考えないといけないとは、大佐も無茶を言うな。別小隊が動くルートを確認しつつ、次の動きを決める。
夕暮れ時、そろそろあちらも攻撃を止めるはずだ。
大佐からの連絡で、今日の収集場所は決まっている。そこへ流れつつ、今よりも少し距離を開けておいたほうが良さそうだ。
カハッツ少尉小隊とは分断せず、纏まったまま移動。
程なくして銃声は聞こえなくなった。索敵を終わらせ、他小隊と連絡をするに、一時的な休戦状態に入ったとみて間違いない。速やかに収集場所へ向かった。
「カハッツ少尉」
「すまない、油断した」
夜営基地に着いて間もなく、少尉の小隊に負傷者が出てることがわかった。幸いなことに軽傷ではあるが、夜営基地は翌日場所を変える。
足を負傷しているため移動に限界があることから、小隊の第2班を情報の持帰りという名目で帰還させることが決定した。
「……」
月夜、あの日の夜から日が経ち少し月が欠けてきた。
落ち着きを取り戻し、明日に備えはじめる各々、私には見慣れた、他の者からは意外な人物がやってきた。
「よっ!」
「え?!」
「た、大佐殿?!」
「何故こちらに?!」
カハッツ少尉の小隊は驚いて、急いで立ち上がる。
それを座れと軽く言って当人も違和感なく座ってまじってくる。さすがだなと思いながら、飲み物を渡せば気が利くなと笑う。
この戦場で不思議と緊張を解せる人物だと常々思う。
「大佐殿、何故こちらに?」
「そんな珍しいことでもないと思うがな。俺は君達のとこの上司殿を見習ってるだけだぜ」
アリーナのことだ。彼女は自分の部隊についてよく面倒を見ていた。
どんなに当人が疲弊しようと最前線で兵達とともにいた。そういった面では珍しく、新しいことを行う上官であったし、軍でのあり方や考えは変わっていたと言っていい。
ミランという人物もいたので、彼女一人がずば抜けた形で目立たなかったのは幸運なのかもしれない。
「少佐殿の、」
「君達のとこの戦女神になれるかはわからんがな」
彼女は知らないことだが、部隊においてそう言われることがあったようだ。最もミランから言わせれば、ファンがいるってことだろういいことだ、という解釈だが。
まだまだ古い慣習が蔓延る軍の中で、女性で庶民ながら少佐まで上り詰めれば、嫌でも注目は集まる。武功をあげれば、それを大きく伝える者もいる。戦女神というのもそこからきているだろう。最も彼女が勝利をもたらすというよりは、彼女が起こすものだと私は思っている。彼女がかつて私達に言ったように。
「まー君たちの女神はなー、奇跡を起こすと言って本当に起こせたからなあ」
「……」
アリーナはいつも先を歩いていた。
私は遠くから見るか、追いかけてばかりだった。
今でもそうだ。
時折近くなったと思ったら、あっという間に先に行ってしまう。私は彼女の隣を歩きたい。導かれるだけじゃない、一人で立とうとする彼女の力になりたい。
「どうした、アンケ少尉」
「え?」
「さては戦女神が恋しくなったか?」
「え、あ、そんな、こと」
「なんだ、会いたくないのか?」
「いえ、会いたい、です」
いけない、あまりに素直に返してしまった。
大佐は気をよくして大笑いしている。他はまあ頷きながら微笑んでいたり、驚いていたり、よくわかっていないものもいたり、それぞれだ。
「残念だが、まだ時間がかかるな。帰ったら抱きしめてやれ」
「大佐!」
「なんだ、お前まだ手すら握ってないとか言うんじゃないだろうな」
手は握った。けど、私はまだ返事をもらっていない。
そもそもお付き合いというものを飛び越えた形で告白してしまっているので、彼女も答えづらいだろう。今になって思うが、相当重いな、私は。
そんな無言でいる私に何を思ったか大佐は憐れむような目で見てくる。
「まぁなんだ、がんばれ」
「大佐勘違いしてますね?」
「いや、これ以上言うと少尉が真っ先に死にかねない」
「はい?」
「小説とかじゃな、君みたいのはすぐ死んでしまうんだ!」
何を言ってるのかはわからないが、最近はまってると言っていた恋愛ものの小説の内容と私のことを照らし合わせているらしい。
「あぁ、そうだ。生き残るための台詞だな、任せておけ」
「誰も頼んでおりませんよ」
「……これだ! “ここは俺に任せておいて、お前達は先に行け”」
「どこに行けと」
「いかんな、これでは俺が先に死んでしまう」
「なんなんです」
彼がはまってるものが、死ぬための台詞なのだとしたら随分不謹慎だ。
しかしそれを不快に思うものはいなかったようで、小隊内は笑いに満ちた。不思議な才能を持っている人物だ。
「では俺はそろそろ失礼しよう」
「他部隊へ?」
「少尉のとこが最後さ。寝ることも大事な仕事だからな。きちんと睡眠をとるといい」
「お気遣いありがとうございます」
「なに、なんてことはない。俺がやりたかっただけさ」
相変わらず軽い調子で手を振りながら去っていく。
まだ気を引き締めなければならないが、休むのも確かに重要。大佐殿が速やかに事態を収束できるよう我々は最前で動くだけだ。
到着後間もなく、小競り合い程度と言える暴動が起きた。
数も少ないし、こちらと違い素人でしかない。
けれど、重要な点が1つ。
我々は攻撃をしないということだ。
大佐からの命は攻撃をしない、相手側に負傷者を出さない。大佐から何らかの報告があるまでは待機。
あくまで我々は陽動なので相手の視界に入りつつ、塹壕を使い回避、かつ中遠距離を保つこと。
時間に目安がないので、なかなか判断が難しい。
あちらも彼らの差し金か装備だけは優秀で、遠距離砲も狙撃銃も所持し、このあたりに地雷も仕掛けている。なかなか厄介だ。
地雷については、カハッツ少尉の方で解析し、大体の場所は把握できているものの、依然として相手方の銃弾数は減らない。
少し長引くかもしれない。
こちらの動くルートによっては地雷にあたるし、距離を詰められても負傷の可能性を上げてしまう、かといって大きく後退もできない。地形を利用されて囲まれてもいけない。
この短時間で何度も編成と距離と移動を考えないといけないとは、大佐も無茶を言うな。別小隊が動くルートを確認しつつ、次の動きを決める。
夕暮れ時、そろそろあちらも攻撃を止めるはずだ。
大佐からの連絡で、今日の収集場所は決まっている。そこへ流れつつ、今よりも少し距離を開けておいたほうが良さそうだ。
カハッツ少尉小隊とは分断せず、纏まったまま移動。
程なくして銃声は聞こえなくなった。索敵を終わらせ、他小隊と連絡をするに、一時的な休戦状態に入ったとみて間違いない。速やかに収集場所へ向かった。
「カハッツ少尉」
「すまない、油断した」
夜営基地に着いて間もなく、少尉の小隊に負傷者が出てることがわかった。幸いなことに軽傷ではあるが、夜営基地は翌日場所を変える。
足を負傷しているため移動に限界があることから、小隊の第2班を情報の持帰りという名目で帰還させることが決定した。
「……」
月夜、あの日の夜から日が経ち少し月が欠けてきた。
落ち着きを取り戻し、明日に備えはじめる各々、私には見慣れた、他の者からは意外な人物がやってきた。
「よっ!」
「え?!」
「た、大佐殿?!」
「何故こちらに?!」
カハッツ少尉の小隊は驚いて、急いで立ち上がる。
それを座れと軽く言って当人も違和感なく座ってまじってくる。さすがだなと思いながら、飲み物を渡せば気が利くなと笑う。
この戦場で不思議と緊張を解せる人物だと常々思う。
「大佐殿、何故こちらに?」
「そんな珍しいことでもないと思うがな。俺は君達のとこの上司殿を見習ってるだけだぜ」
アリーナのことだ。彼女は自分の部隊についてよく面倒を見ていた。
どんなに当人が疲弊しようと最前線で兵達とともにいた。そういった面では珍しく、新しいことを行う上官であったし、軍でのあり方や考えは変わっていたと言っていい。
ミランという人物もいたので、彼女一人がずば抜けた形で目立たなかったのは幸運なのかもしれない。
「少佐殿の、」
「君達のとこの戦女神になれるかはわからんがな」
彼女は知らないことだが、部隊においてそう言われることがあったようだ。最もミランから言わせれば、ファンがいるってことだろういいことだ、という解釈だが。
まだまだ古い慣習が蔓延る軍の中で、女性で庶民ながら少佐まで上り詰めれば、嫌でも注目は集まる。武功をあげれば、それを大きく伝える者もいる。戦女神というのもそこからきているだろう。最も彼女が勝利をもたらすというよりは、彼女が起こすものだと私は思っている。彼女がかつて私達に言ったように。
「まー君たちの女神はなー、奇跡を起こすと言って本当に起こせたからなあ」
「……」
アリーナはいつも先を歩いていた。
私は遠くから見るか、追いかけてばかりだった。
今でもそうだ。
時折近くなったと思ったら、あっという間に先に行ってしまう。私は彼女の隣を歩きたい。導かれるだけじゃない、一人で立とうとする彼女の力になりたい。
「どうした、アンケ少尉」
「え?」
「さては戦女神が恋しくなったか?」
「え、あ、そんな、こと」
「なんだ、会いたくないのか?」
「いえ、会いたい、です」
いけない、あまりに素直に返してしまった。
大佐は気をよくして大笑いしている。他はまあ頷きながら微笑んでいたり、驚いていたり、よくわかっていないものもいたり、それぞれだ。
「残念だが、まだ時間がかかるな。帰ったら抱きしめてやれ」
「大佐!」
「なんだ、お前まだ手すら握ってないとか言うんじゃないだろうな」
手は握った。けど、私はまだ返事をもらっていない。
そもそもお付き合いというものを飛び越えた形で告白してしまっているので、彼女も答えづらいだろう。今になって思うが、相当重いな、私は。
そんな無言でいる私に何を思ったか大佐は憐れむような目で見てくる。
「まぁなんだ、がんばれ」
「大佐勘違いしてますね?」
「いや、これ以上言うと少尉が真っ先に死にかねない」
「はい?」
「小説とかじゃな、君みたいのはすぐ死んでしまうんだ!」
何を言ってるのかはわからないが、最近はまってると言っていた恋愛ものの小説の内容と私のことを照らし合わせているらしい。
「あぁ、そうだ。生き残るための台詞だな、任せておけ」
「誰も頼んでおりませんよ」
「……これだ! “ここは俺に任せておいて、お前達は先に行け”」
「どこに行けと」
「いかんな、これでは俺が先に死んでしまう」
「なんなんです」
彼がはまってるものが、死ぬための台詞なのだとしたら随分不謹慎だ。
しかしそれを不快に思うものはいなかったようで、小隊内は笑いに満ちた。不思議な才能を持っている人物だ。
「では俺はそろそろ失礼しよう」
「他部隊へ?」
「少尉のとこが最後さ。寝ることも大事な仕事だからな。きちんと睡眠をとるといい」
「お気遣いありがとうございます」
「なに、なんてことはない。俺がやりたかっただけさ」
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まだ気を引き締めなければならないが、休むのも確かに重要。大佐殿が速やかに事態を収束できるよう我々は最前で動くだけだ。
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