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3章 実技授業
18話
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「校長、鹿島琉乃愛について報告致します。今回の実技試験で、一応、ステラ測定器を使用し、観察していたのですが…………結果がですね…………」
中等部校長が言葉に詰まった僕を見て、眉をひそめた。
「松嶋先生、結果はなんだったんですか?」
「申しづらいことですが………結果は………判定不能となりました。こんなことが起きるのは、あの一族の者たちに限ってしか起きないのに…。」
校長は、僕に背を向けて椅子に座るのをやめて、面と向かって話す体勢をとった。
「っフフ………明確になりましたね。彼女があの一族の子だと……。」
校長は、不気味な笑みを浮かべていた。
「松嶋先生、引き続き頼みますよ?後、あの件も考えて置いてくださいな。」
「はい、校長。」
『あの件』──鹿島琉乃愛のサークル移動の件──
僕は、頼み事を託され、校長室を後にした。
※ ※ ※ ※
「っ!ここは………」
琉乃愛は、何がなんだかわからず周りを見渡す。だが、何となくだけど、ここがどこだかわかる。以前、来たことがある、楽園の病院だった。
病室には、赤く目が腫れた狐絈と樺音が私のベットに顔を伏せて寝ていたのだ。
多分、泣き疲れて寝たのだろう。
ドサッ!
私は、音がした入口方向に顔を向ける。そこには、目にクマができた未来瑠が立っていた。未来瑠の足元には、さっき驚いて落とした袋があった。
未来瑠は、立ったまま、片方の目に涙をこぼした。
「る、琉乃愛なの?夢じゃないよね。ウッ……グスッ…ヒック……」
「泣かないでよ。気を失って少し眠ってただけだから。ね?」
「少し?何言ってるの!?琉乃愛は、まるまる3日間起きなかったのよ?」
彼女は、出てくる涙を拭いながら、私が起きるまでの出来事を教えてくれた。
「る、のあ?起きたの?」
樺音達が目を覚まし、私を力いっぱい抱きしめてきた。
「うん……迷惑かけてごめんなさい。」
「「「迷惑なんて思ってない!」」」
3人とも口を揃えて言うけれど、私の無茶があって、今に至るのだから、罪悪感で胸がいっぱいだった。
コン、コン、コン。
花束を持った松嶋先生が病室のドアをノックしたのだ。
そして、まっすぐ、私の方へ向かってくる。
「退院&怪我の完治おめでとう。今回、実技試験でランクをあげようと思ったんだが、君だけ、判定不能という結果がでたんだ。だから、上の返答を貰わずにはランクをあげれないんだ。すまない。」
「大丈夫です!先生!それに、実技だけじゃなくて勉学でも、ランクをあげれるんですよね?」
「はい、あげれますよ。この件は、会議で取り上げるのでその決定事項が出るまでは、待っていただけませんか?」
私は、静かに涙した。
何故だろう……
泣くことなんてないのに……
やっぱり気持ちに嘘はつけない、か。
「待ちます!勉学も頑張ります!」
私は、最後に、3人に抱きしめて貰った。
中等部校長が言葉に詰まった僕を見て、眉をひそめた。
「松嶋先生、結果はなんだったんですか?」
「申しづらいことですが………結果は………判定不能となりました。こんなことが起きるのは、あの一族の者たちに限ってしか起きないのに…。」
校長は、僕に背を向けて椅子に座るのをやめて、面と向かって話す体勢をとった。
「っフフ………明確になりましたね。彼女があの一族の子だと……。」
校長は、不気味な笑みを浮かべていた。
「松嶋先生、引き続き頼みますよ?後、あの件も考えて置いてくださいな。」
「はい、校長。」
『あの件』──鹿島琉乃愛のサークル移動の件──
僕は、頼み事を託され、校長室を後にした。
※ ※ ※ ※
「っ!ここは………」
琉乃愛は、何がなんだかわからず周りを見渡す。だが、何となくだけど、ここがどこだかわかる。以前、来たことがある、楽園の病院だった。
病室には、赤く目が腫れた狐絈と樺音が私のベットに顔を伏せて寝ていたのだ。
多分、泣き疲れて寝たのだろう。
ドサッ!
私は、音がした入口方向に顔を向ける。そこには、目にクマができた未来瑠が立っていた。未来瑠の足元には、さっき驚いて落とした袋があった。
未来瑠は、立ったまま、片方の目に涙をこぼした。
「る、琉乃愛なの?夢じゃないよね。ウッ……グスッ…ヒック……」
「泣かないでよ。気を失って少し眠ってただけだから。ね?」
「少し?何言ってるの!?琉乃愛は、まるまる3日間起きなかったのよ?」
彼女は、出てくる涙を拭いながら、私が起きるまでの出来事を教えてくれた。
「る、のあ?起きたの?」
樺音達が目を覚まし、私を力いっぱい抱きしめてきた。
「うん……迷惑かけてごめんなさい。」
「「「迷惑なんて思ってない!」」」
3人とも口を揃えて言うけれど、私の無茶があって、今に至るのだから、罪悪感で胸がいっぱいだった。
コン、コン、コン。
花束を持った松嶋先生が病室のドアをノックしたのだ。
そして、まっすぐ、私の方へ向かってくる。
「退院&怪我の完治おめでとう。今回、実技試験でランクをあげようと思ったんだが、君だけ、判定不能という結果がでたんだ。だから、上の返答を貰わずにはランクをあげれないんだ。すまない。」
「大丈夫です!先生!それに、実技だけじゃなくて勉学でも、ランクをあげれるんですよね?」
「はい、あげれますよ。この件は、会議で取り上げるのでその決定事項が出るまでは、待っていただけませんか?」
私は、静かに涙した。
何故だろう……
泣くことなんてないのに……
やっぱり気持ちに嘘はつけない、か。
「待ちます!勉学も頑張ります!」
私は、最後に、3人に抱きしめて貰った。
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