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世界線の始まり
追いし過去。叶わぬ願い
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その晩、目がさえて寝付けなかったため、少し散歩に出かけていた。刀華さんはそれに気付いてついてきたけど…。見えないとは言えども、こうして二人で並んで歩くときは世界は平和なんだと錯覚してしまう。
「ほんとに…綺麗な月ね」
と、星空が満開の夜空に子供のように吐いて見せた。
綺麗な月…ね。
「まだ話してなかったね。お母さんがいなくなった理由を」
と言った。
それは、本当の事であり、嘘であってほしかった話だった。
お母さんは裏神になっても学校にいたあいつみたいな風に自我を保てていた。裏神になっても、お母さんは僕を可愛がってくれた。でも、そんな日々は続かない事を、小さかった僕は知らなかった。
お母さんは見た目は怖かったけど、それ以外は本当に優しかった。毎日寝かしつけてくれて、怒りもしないで僕の成長を見守っててくれた。その時から、僕は裏神を見ることが出来た。
でも、ある日。忘れもしない、2017年の8月9日の事。
その時僕らは、河川敷でバーベキューをしてた。満天の星空が広がるその川で、清々しい空の元で、あれは起こった。河川敷の奥から顔を隠した男の人が一人、歩み寄ってきてた。
「九十九可南子さんですね」と、お母さんの名前を呼んだ。
「え…?」
図星で、驚いて、つい顔に出てたんだろう。
「おお…やっと…やっと見つけたぞ!」
と、急に大声をだし、笑い始めた。
「長かった…。本当に…これで、あれが出来る…!さあ、ついてこい!」
そう言い、お母さんを連れて行こうとした。もちろん裏神だから無理だと思っていた。しかし…。
あっけなく持ち上げられ、そのまま連れて行かれそうになった。
お父さんと僕で必死に止めようとした。だけどそれは、後悔の元になる物だった。
その男を引き離そうとしたけど、お父さんはあっけなく振りほどかれ、壁に激突した。当たり所が悪かった。だからお父さんはいま、左の手を上手く使えてない。そしてそのまま僕も振りほどかれ、お母さんは闇に消えていってしまった。暗闇の中で、お父さんが
「可南子…ごめんな…可南子…」
と、聞いてる側が心を痛ませるような言葉を言いながら泣いていた。
「…それ以来、お母さんとは会えてないんだ」
わざと明るく振る舞う。ほんとは今にも泣き出したいほどだった。
「でも礼人、あなた、裏神知ってたって事?」
「ううん。あれがいるのは知ってたけど、僕の家神社だし、普通かな~って通り過ぎてた」
「そんなので裏神は危害を出さなくなるのね…」
そんな雑談を広げてた。
「そろそろいい具合だし、帰ろっか」
「うん。そうね」
そうして、帰路をたどった。もしお母さんが自我を保てなくなってても、僕が必ず、元に戻して見せる…!。そんなことをかんがえながら、ベットに入っていったのだった。
「ほんとに…綺麗な月ね」
と、星空が満開の夜空に子供のように吐いて見せた。
綺麗な月…ね。
「まだ話してなかったね。お母さんがいなくなった理由を」
と言った。
それは、本当の事であり、嘘であってほしかった話だった。
お母さんは裏神になっても学校にいたあいつみたいな風に自我を保てていた。裏神になっても、お母さんは僕を可愛がってくれた。でも、そんな日々は続かない事を、小さかった僕は知らなかった。
お母さんは見た目は怖かったけど、それ以外は本当に優しかった。毎日寝かしつけてくれて、怒りもしないで僕の成長を見守っててくれた。その時から、僕は裏神を見ることが出来た。
でも、ある日。忘れもしない、2017年の8月9日の事。
その時僕らは、河川敷でバーベキューをしてた。満天の星空が広がるその川で、清々しい空の元で、あれは起こった。河川敷の奥から顔を隠した男の人が一人、歩み寄ってきてた。
「九十九可南子さんですね」と、お母さんの名前を呼んだ。
「え…?」
図星で、驚いて、つい顔に出てたんだろう。
「おお…やっと…やっと見つけたぞ!」
と、急に大声をだし、笑い始めた。
「長かった…。本当に…これで、あれが出来る…!さあ、ついてこい!」
そう言い、お母さんを連れて行こうとした。もちろん裏神だから無理だと思っていた。しかし…。
あっけなく持ち上げられ、そのまま連れて行かれそうになった。
お父さんと僕で必死に止めようとした。だけどそれは、後悔の元になる物だった。
その男を引き離そうとしたけど、お父さんはあっけなく振りほどかれ、壁に激突した。当たり所が悪かった。だからお父さんはいま、左の手を上手く使えてない。そしてそのまま僕も振りほどかれ、お母さんは闇に消えていってしまった。暗闇の中で、お父さんが
「可南子…ごめんな…可南子…」
と、聞いてる側が心を痛ませるような言葉を言いながら泣いていた。
「…それ以来、お母さんとは会えてないんだ」
わざと明るく振る舞う。ほんとは今にも泣き出したいほどだった。
「でも礼人、あなた、裏神知ってたって事?」
「ううん。あれがいるのは知ってたけど、僕の家神社だし、普通かな~って通り過ぎてた」
「そんなので裏神は危害を出さなくなるのね…」
そんな雑談を広げてた。
「そろそろいい具合だし、帰ろっか」
「うん。そうね」
そうして、帰路をたどった。もしお母さんが自我を保てなくなってても、僕が必ず、元に戻して見せる…!。そんなことをかんがえながら、ベットに入っていったのだった。
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